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1995-09-07 長崎市:平成7年第4回定例会(2日目) 本文

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  1. 長崎市議会 1995-09-07
    1995-09-07 長崎市:平成7年第4回定例会(2日目) 本文


    取得元: 長崎市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-09-09
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯議長(中野吉邦君) 出席議員半数以上であります。これより議事日程第2号により本日の会議を開きます。 日程1  市政一般質問 について、これよりお手元に配付いたしました質問通告表により、順次、市政一般質問を行います。45番柴田 朴君。       〔柴田 朴君登壇〕 2 ◯45番(柴田 朴君) おはようございます。  日本共産党の柴田 朴でございます。  質問通告に基づきまして、順次、質問をいたしますので、市長並びに理事者の責任ある答弁を期待するものであります。  フランスは、日本時間の昨日の早朝、国内外の激しい実験反対の世論の盛り上がりにもかかわらず、それを無視して核実験を強行しました。私は、この暴挙に対して強い憤りを覚えるものであります。つい最近の中国政府の2回にわたる核実験の強行も含めて、これら大国の横暴で、しかも、野蛮な行為に対して強く抗議するものであります。  また一方では、この1週間の短い間に南太平洋のタヒチ島を中心に核実験に抗議する国際的な行動が展開をされました。その行動に日本を初め各国の平和団体や草の根市民グループ、各国の国会議員や地方議員、日本からも初めて超党派の国会議員団が抗議の行動に参加するという新しい情勢も生まれております。  私は、ここに希望を持ちたいと思います。これらの世界的な運動は、必ず核兵器と、その実験に固執している国々を包囲して、核実験の禁止、核兵器の廃絶を闘い取ることができると確信をいたします。  今、世界の核保有大国は、なぜ国際世論を敵に回してでも核実験を急ぐのかという問題があります。これはアメリカを初め中国、フランス、ロシア、イギリスも同じでありますが、この5大国がこぞって核抑止力を背景として世界の政治、軍事、外交を進めるという立場をとっているからであります。核抑止力というのは、ご承知のとおり、核兵器背景として相手の国をおどしていく政策でありますから、相手よりも常に強力な核兵器を持ちたいと考えるわけでありまして、ここに核実験を繰り返す根本原因があると思います。  先日も私、テレビを見ておりましたが、ある軍事評論家がずばりと言っておりました。「この時期に核大国は競い合って核実験を強行するのは、ことしの5月に国連で核不拡散条約の無期限延長が決まったことにある」と、こういうふうに、この評論家は言っておりました。条約が決まってしまえば、核の保有も核の実験も核保有大国の特権だと、こういうふうに開き直ってきているのが今日のフランスの姿であり、中国政府の態度であります。核不拡散条約の無期限延長の本質が核廃絶につながるどころか、核保有大国のさらなる核開発競争に道を開くものであることが、はっきりと見えてきたわけであります。  去る8月9日の長崎市の平和宣言で、伊藤市長は、核不拡散条約を批判して無期限延長は容認できない、直ちに核実験全面禁止条約を締結して、核廃絶に向けてタイムスケジュールを明らかにせよと要求をいたしました。私は、市長が今こそ8月9日のこの平和宣言の立場に立って、フランス政府に対する抗議とともに、村山内閣に対して核廃絶と核実験の全面禁止を政府として直ちに国連に要求するよう求めるものであります。  また、中国の核実験が最近二度にわたって強行されました。中国の態度は、極めて当たり前だという態度であります。その後、中国の福建省代表などが来県をして市長を表敬訪問したという記事が載りました。しかし、その席でも彼らは核実験を行ったことを当然として、被爆地の市民に同情する一言のあいさつもなかったと聞いております。このようなとき、市長として表敬訪問を断るぐらいの毅然とした態度がほしかったと私は思います。  平和問題の3点目は、米艦船ブルーリッジ長崎寄港予定の問題であります。  新聞の報道によれば、米海軍が第7艦隊の旗艦であるブルーリッジを9月15日に長崎港へ寄港させたい旨の打診があったと報じております。これに対して伊藤市長は「寄港を許諾する権限は市にはない。自分の6月議会での発言が呼び水になったとは思わないが、被爆50周年の市民感情を考え、歓迎パーティーなど公式行事には出席しない」と語っています。私は、今回のブルーリッジ入港が市長の6月議会発言と直接結びついているかどうかは別として、この数年来の米海軍と佐世保基地の実情を調査してきた私の経験に照らしても、市長のさきの発言が米海軍関係者に期待と注目を集めていることは間違いないと考えます。  私は、ここに1993年1月19日の朝日新聞を持ってまいりました。この1月19日号は「冷戦後の在日米軍」という特集を行っている記事であります。この記事は、ソ連が崩壊した後の佐世保基地がどのように変化をし強化をされているかを詳しく報じているわけであります。ソ連が崩壊して、本来ならば縮小されているはずの佐世保基地が逆にこの2、3年の間に強化をされてきている。朝日新聞の記事をかりると、1992年9月にベローウッド強襲揚陸艦が配備をされたことによって、佐世保の基地は、これまでの後方支援の基地から中東の地域紛争等をもにらんだ攻撃の基地として、その性格が一変したと報じています。基地人口も1992年の8月までは2,900人でありましたけれども、ベローウッドが92年の9月に配備されて一挙に4,500人、約1.5倍にふえているわけであります。したがって、出入港する米艦船の数は大幅にふえています。これまで佐世保米軍基地は2つの弱点があると指摘されてきました。その1つは、コンピュータで装備されている現在の艦船の修理能力が非常に不足している。2つには、近くに空港を持たないために、航空母艦の母港として使えない。この2つの弱点が関係者の間では指摘されてきたと聞いております。  したがって、米海軍が早くより目につけていたのは、イージス艦建造の実績と能力を持つ三菱重工長崎造船所の技術であります。私が最近知り得た情報、これは米海軍の情報公開法によって明らかにされたアメリカ海軍の文書でありますけれども、この米艦隊諜報センター(FICPAC)は、日本の港湾について、いわゆる港について徹底した調査を完了してしまっていると、こういうふうに伝えております。この文書によりますと、長崎港の状況が詳しく記録されています。艦船の修理施設については、ほとんどいかなる種類や規模の艦船修理も長崎で行うことが可能である。三菱重工長崎造船所に3つのドライドック及び香焼島東部の長浜に2つのドライドックがあること。また、収容能力についても、長崎港は、フリゲート艦、駆逐艦あるいはミサイル駆逐艦ならば2隻、巡洋艦ならば1隻を収容することが可能である。と、細かく記入をされているわけであります。  つい先日、8月の31日に米海軍の制服組のトップである米海軍の作戦部長ジェレミーボーダ大将が、このたび佐世保の基地を視察し、その足で三菱重工長崎造船所を視察して帰ったことも、私は、決して偶然ではないと考えております。
     以上の経過を見るとき、6月議会での市長発言が、他意はなかったとしても、重大な意味を今後に与えていくのではないかと、私は心配をしております。  したがって、ここに改めて、市長のさきの議会での発言の撤回を求めるものであります。  そして、今回のブルーリッジの寄港に対しても、被爆都市の市長として、高田知事に対して入港を断るよう申し入れるべきだと考えますが、市長の見解を求めるものであります。  また、我が党としても早くから神戸方式を要求しているものとして、このことについても見解をお尋ねしたいと思います。  次に、魚センターの建設促進についてお尋ねします。  私は、去る昭和62年の6月議会で初めてこの壇上から魚センター設置の問題を提起いたしました。早いもので、あれから8年が経過をしようとしております。私は、この魚センター設置を取り上げましたのは、その前の年の昭和61年に産業経済振興対策特別委員会の行政視察で同僚議員とともに静岡県の焼津市を訪ねました。ちょうど焼津市が第三セクター方式魚センターをつくり、そこに業者を集めて何十種類もの水産加工品を観光客に対しておみやげ品として売り出している。そして、観光客の好評を得ているということを見聞して帰りました。これはすばらしいことだと、私は思いました。例えば当時の資料がここにありますが、1年間で魚センターに入場した人は、市民も含めて181万1,000人と、1日に約5,000人が入っているわけです。観光バスが1年間で12万4,000台、魚センターの年間の売り上げが当時120億円と、こういうふうに報告されております。人口わずか11万人の焼津市としては、注目すべき地場産業の活性化であります。  私は、これを長崎市でもできないものかと考えまして、年間500万人を超える観光客を迎えながら、長崎はいつもカステラだけが長崎のみやげではないと、北海道に次ぐ水産県長崎で、水産加工品と観光客を結びつけることも地場産業の活性化につながると提起をしてきたわけであります。当時、長崎市内の各漁協でもこの問題に注目をして、私たち市議会と前後して焼津市に現地視察に行くなど、まさに機は熟しておりました。早速、県、市、商工会議所魚センター設置に向けて会合を重ねるなど動き出したわけであります。当時としては、関係者の間にも大きな期待があったと私は考えております。今日この問題は停滞したままになっております。一体、停滞している原因は何か。どこにその隘路があるのかを明らかにしてもらいたい。  私は、その後、焼津市の魚センターの経営状況が気になりまして、議会事務局を通して、つい先日資料を再度取り寄せました。当時の年間181万1,000人が入場した実績というものは、あれから8年たった今日、平成6年の資料では入場者数はさらにふえて年間245万5,814人と、この7年間で約55万人がふえているわけであります。  市長、魚センターの設置は、焼津市の経験に照らしても私は市長の姿勢にかかっていると考えます。焼津市の場合も小売業者の反発など大変な問題を抱えながら、当時の市長が業者一人ひとりを説得をしてまとめ上げたと聞いております。県は、三重の方に魚センターをと言っているようでありますが、それでは500万人以上が来る長崎の観光客とこのセンターを結びつけることはできません。何としても市主導の計画を進めるべきであります。市長の決意を求めるものであります。  最後に、私は、高台地区にミニバスでもよいから通えるような道路計画をつくってもらいたいと、こういう提起であります。  平成元年に、長崎市で国際斜面都市会議が開催をされ、海外からの参加都市もありまして非常に貴重な論議がされました。これを受けて、長崎市は、早速、平成2年から斜面のまちづくりに着手をし、現在も4つの地域で住民との話し合いが進行しております。  今、長崎市内の居住環境を見るときに、年寄り世帯高台地区に残され、若者世帯は駐車場のある平地に住むという珍現象が生まれています。高台地区でも交通機関のない所は、近くのバス停まで15分も20分も歩く所もあります。年とともに歩けなくなったと言っております。こういう所にミニバスが通れる道路、救急車や消防車が通れる道路がほしいのであります。  私が住む地域も山の上でありますが、伊良林地区などは立派な住宅地が密集しながら交通機関がない。大浦や小島地区、対岸の入船から平戸小屋など、これまでも再三議会で話題になった所であります。伊良林地区も数年前に土木部、長崎バスも一緒に現地調査をしながら、後がどのようになっているのか、続かないのであります。  斜面のまちづくりと並行して、ミニバス道路の計画も進めてほしいというのが私の問題提起であります。  市長の見解をお尋ねして、壇上からの質問を終わりたいと思います。=(降壇)= 3 ◯議長(中野吉邦君) 市長。       〔伊藤一長君登壇〕 4 ◯市長(伊藤一長君) 皆様、おはようございます。柴田議員の質問にお答えをさせていただきたいと思います。  まず、核兵器廃絶についてでありますが、被爆都市として一日も早い核兵器廃絶を願うことは当然のことであり、私自身もこのことを繰り返して訴え続けております。6月の国連軍縮長崎会議におけるあいさつの中でも、一日も早い核兵器全面禁止条約の締結を訴えましたし、8月9日の平和宣言の中でも核保有国が直ちにCTBT(核実験全面禁止条約)を締結し、核兵器廃絶に向けタイムスケジュールを設け、具体的交渉を始めるように求めたところでございます。特に、被爆者の方々が「私たちの生きているうちに核兵器廃絶を実現してほしい」と願っておられるお気持ちに思いをいたすときに、私としても核兵器廃絶の一日も早い実現を日本国政府や国連など国際機関を含め機会あるごとに世界に訴えていく所存でございます。  核実験に対する抗議についてでありますが、中国は、ことし既に2回の核実験を強行し、フランスは、私どもの強い抗議、国際世論にもかかわらず9月6日に実験を強行いたしました。さらに今後、7回ぐらいの実験を計画しているようであります。市議会議長ともどもの連名で両国に対し厳重な抗議をいたしておるところでございます。  次に、ブルーリッジの長崎入港についてお答えをいたします。  本市は、従来から核兵器保有国の艦船については、核兵器積載の懸念がある艦船のほか戦闘艦についても入港を回避していただきたいとの立場をとっておりました。しかしながら、1992年7月2日に米国のブッシュ大統領から「米国艦船のすべてから戦術核兵器の撤去を完了した」旨の声明が発表をされました。したがって、米国の艦船につきましては核兵器は積載されていないものと信じ、6月議会において、私は入港を認める旨の発言をしたところであります。また、その後の私どもの調査によりましても、すべての米国艦船から核兵器が撤去されたことを確認しております。さらに、本年8月12日にクリントン大統領核実験全面禁止の姿勢を明確に表明したことについても、私は評価をしております。  なお、入港した艦船の乗組員に対し、積極的に原爆資料館を見ていただき、被爆の実相に触れ、長崎市民核兵器廃絶と世界平和を求める姿を知っていただきたいということも6月議会において申し上げました。  今回のブルーリッジの入港についてでありますが、被爆50年のことしは、長崎市民にとりまして原爆犠牲者の霊をなぐさめ、核兵器廃絶と世界恒久平和への決意を新たにする、特に意義深い厳粛な年であります。このように、長崎市民が等しく特別な思いで50周年を迎えているときに、市民感情としても米国艦船の入港は受け入れがたく、私としましては、入港を回避していただきたいと考えております。  しかしながら、長崎港の港湾管理者は長崎県であり、入港の諾否に関する権限は私どもにない状況にあることは、ご案内のとおりでございます。  したがいまして、最終的に入港となった場合は、歓迎行事の対応は長崎市としては行わないことにしておりますが、ブルーリッジの乗組員には原爆資料館を見てもらい、被爆の実相と長崎市民核兵器廃絶への強い願いを知っていただきたいと考えております。  なお、私の発言が今回のブルーリッジの入港につながったのではないかとのご指摘でございますが、私は、そのようなことは全くないと思っております。  また、三菱重工長崎造船所修理基地化のご意見につきましては、先般来よりの新聞報道等によれば、米軍は否定をしており、今回の入港の目的は、親善のためという通知を受けておりますので、私の発言がこのことにつながったとは思っておりません。  重ねて申し上げますが、被爆50周年という厳粛な年であり、私としましては、今回のブルーリッジ入港は回避をしていただきたいというふうに考えております。  次に、質問の第2点の魚センターの建設につきましてお答えをさせていただきたいと思います。  魚センターの促進についてでございますが、このことにつきましては、先進事例として、昭和60年焼津市に開業された施設が水産と観光を融合させた多機能施設として脚光を浴び、本市におきましても、昭和63年8月に商工会議所におきまして水産関係9団体を中心に組織された長崎魚センター問題検討委員会から、施設の概要及び建設候補地等について具体的な報告がなされた経過がございます。  この魚センターにつきましては、本市といたしましても、水産・観光業界の活性化を図る上での大変重要な課題と受けとめております。また、本施設が観光客を主たる顧客の対象としている関係で、観光ルートを考慮した集客性及び利便性等の観点から、長崎市中心部及び新長崎漁港周辺など、候補地につきまして関係者の意見が分かれていることは、本議会でもご報告申し上げているとおりでございます。魚センターの成功のかぎは建設場所の選定にあると言われております。さらに、市内鮮魚小売商等他の業種に及ぼす影響も議員ご指摘のように十分考慮しなければなりません。また、近年では経営悪化の事例や運営の難しさを種々指摘する研究報告も見られますことから、今後、本市が取り組む場合には、これらの問題の解決方法や補助事業採択の可能性など、よりよい魚センターの実現に向けて慎重に論議を深める必要があろうかと考えております。  3点目の高台地区へのミニバス導入についてお答えをさせていただきます。  本市では、市街地の約7割が斜面地であり、大部分が居住の場として利用されていますが、この斜面住宅地は、道路や公園など公共施設の未整備、さらには、老朽家屋が密集しているなどの問題を抱えております。このような状況を受け、平成2年度に長崎市住環境整備方針を策定いたしました。その方針としましては、高齢者や若い人たちを含め居住者が安全で快適に暮らしていけるように、車両の通行可能な生活道路の整備や老朽住宅の改善、若い人たちにも住みやすい住宅の供給など、住環境の総合的な整備を基本的に考えております。  また、これらの整備方針を推進するために、計画策定段階より地元の方々と幅広く協議を積み重ね、その意向を十分に反映した計画づくりを行うなど、地域に密着した住民参加型の手法で取り組んでいるところでございます。  ご存じのように現在、整備の必要性や住民の方々の機運の高い十善寺地区にまず着手をし、江平、稲佐、北大浦の4地区におきましても住環境整備誘導計画を策定し、まちづくりを積極的に推進しております。  なお、クルマ道やバイク道などの生活道路の整備につきましても、地元の方々と具体的な話し合いの中で、適正な配置計画を作成し、進めていきたいと考えております。  ミニバス等の運行につきましては、本市としましても交通の円滑化を図り、地域住民の皆様の生活の足を確保し、また、利便を増進するためにもバス路線の延長等の大量公共輸送機関の整備を図ることが効果的であり、基本的な交通行政の一つでもあると考えております。  このようなことから、高台地区へのミニバス運行につきましては、地域住民の意向や乗車効率、運行系統、運行便数等の経営的な問題、道路の幅員の確保、交通安全対策等の走行環境の整備状況を総合的に調査検討し、公安委員会道路管理者など関係機関と協議をしながら、運行の可能性がある地域や路線につきましては積極的にバス会社へ運行を要請しているところでございます。  以上で本壇よりのご答弁とさせていただきます。=(降壇)= 5 ◯45番(柴田 朴君) ただいま一通りの答弁をいただきましたので、自席から再質問をさせていただきたいと思います。  私は、今回のフランス、中国の核実験に対して、市長が8月9日のあの平和祈念式典での宣言の立場に立って今後も努力をすると、そういう答弁については了としたいわけであります。  ただ私が、中国の核実験に対しては、もっと厳しい立場をとるべきではないかと指摘をいたしましたのは、一つは、これも新聞等の報道を見ると、中国の領事館が長崎にあるわけでございますけれども、この領事館の領事が最近、着任をしている。ところが8月の18日に市長訪問を、いわゆる表敬訪問を予定したところ一方的に中止をしたと、こういうふうな記事がありました。私は、少なくとも長崎にある中国の領事が、いわゆる中国の国の政策として核実験を進めたとしても、長崎に住む領事としては被爆者の心を大事にする態度を表明してもよかったんではないか。ところが、そういうこともしないで訪問も中止をすると、表敬訪問を。こういう失礼なことをやっているわけであります。こういうことは、やはり核実験をやって何が悪いのだ。こういう態度が一貫していると、私は思わざるを得ないわけであります。  今回、市長は、福州市に対する15周年の交流訪問団、友好都市の訪問団を延期するという決定をいたしました。私どもは中止をしなさいと言いました。しかし、これは最終的に無期限延期だということで、私はそれでいいと思いますけれども、その際も中国に対して助役を派遣して、その延期をした内容を説明したいと、こういうふうなことを市長は申しているわけでありますが、こういう中国の当然とする核実験の行動に対して抗議する長崎市として、なぜ向こうに、そういった言いわけをしなければならないのか。私は、非常にそういった点では残念であります。  今後も、被爆都市の市長として毅然とした態度をとっていただきたいと、このことを要請するものであります。  ブルーリッジの寄港の問題につきましては、市長の本当の心情として、今度の入港については回避をしてほしいと、こういうことをこの壇上で訴えました。私は、その気持ちを理解したいと思いますが、その回避をしてほしいという市長のそういった心情を高田知事に対しては申し入れているのかどうか。そういう点について、もう少し市長のその後の行動についてお話をいただきたいと思います。  確かに、このブルーリッジの入港というのは、いろいろな受け取り方があるでしょう。私は、このブルーリッジが、一つはアメリカの第7艦隊の旗艦であるということを重視しております。この旗艦は、大体横須賀が碇係港であります。今回、なぜこの時期に長崎を訪問したのか。新聞の報道では、自衛隊との共同演習、その合間に寄ったということになっておりますが、長崎寄港の目的がはっきりしておりません。  先ほど市長は、このアメリカのすべての艦船から戦術核兵器が撤去をされたという、あのブッシュ大統領の発言というのはその後も生きていると、自分たちの調査でも、これはそのとおりになっていると、そういう発言をいたしましたけれども、恐らくこれは外務省等の答えであろうと思います。今、アメリカは核兵器の存在については、これを明らかにしないというのが基本方針であります。したがって、私どもの調査によれば、これは一昨年から昨年の、あの北朝鮮の核問題等をめぐって非常に緊迫した事態が生まれたわけでございますけれども、その時点でアメリカの国防省は大きく戦術の転換をやっている。そうして艦船のそういった戦術核兵器等を元に戻している部分もあると聞いております。そういう状態を見るときに、ただ日本政府が言う外務省の見解だけで我々は物事を判断することはできないと、私は今も信じているわけであります。  したがいまして、このブルーリッジの寄港というものが、今後、いろいろな意味で、この長崎の三菱造船所その他を米海軍が期待をしているということは、いろいろな資料から裏づけられているわけでありますから、長崎の港が直接、長崎市域の中に所在する市長として、私は、その問題については長崎市民、被爆者も一緒に立った立場で、この問題を真剣に考えてもらいたいと、そのように考えているわけでございます。  したがって、今度のその入港について、そういった市長の回避をしてほしいという非常に積極的な気持ちを知事に対して、どのように、いつ伝えたのか、その点を後ほどお答えをいただきたいと思います。  3番目の魚センターの問題でございますが、これは、市長になられてまだ日が浅いわけでございますけれども、このセンターの設置には意欲を持っていると、私は受けとめたいと思います。ただ、これまでの経過が示すように、土地を持たない長崎市としては、結局、県が主導権を握らざるを得ないという側面があります。県が三重の新長崎漁港につくりたいというのも、やはりそういう土地を持っているからだと思います。しかし、私は、三重の新長崎漁港につくっても500万人以上が来ているこの観光客と結びつけることはできない。そのことは、知事も百も承知ではないかと思うんです。  そういった点を考えるときに、ある場合には、長崎市が県に対してこの土地をほしいと、そういう積極的な申し入れをすべきであると思います。長崎市は、長崎県のいろんな施策を遂行する上で、いろいろな土地を提供してきているわけでありますから、その点について、市が遠慮をする必要はないのではないかと、私は思うからであります。もっと私は、知事あるいは市長が直々に、この問題については、長崎の地場産業の活性化の問題でありますから十分にひとつ協議をしてもらいたいと考えるわけです。  高台地区ミニバス導入につきましては、就任当時の市長の抱負の中でも「年寄りが高台にいる、これは何としてもこの状態を改めていきたい」と、そういう趣旨の発言がありました。私は、そういう意味でも、この高台地区にミニバスを導入するという問題は計画的に、そして真剣に考えてほしいと、こういうふうに考えるわけであります。  ひとつ、幾つかの問題について市長のさらなる答弁を求めるものであります。 6 ◯市長(伊藤一長君) 柴田議員の再質問にお答えをさせていただきたいと思います。  まず、第1点のブルーリッジの入港に対しまして、県に回避をしてほしいということで申し入れをしているのかということの確認のお尋ねでございますけれども、長崎市長として正式に長崎県知事に対しまして回避をしてほしいという申し入れをしております。また、長崎県も長崎市と全く同じ考えでございまして、やはり被爆50周年の年には長崎に入っていただきたくないと全く同じ考えでございますので、その点につきましては、この際お答えをさせていただきたいと思います。  それから、アメリカの艦船の戦術核を撤去したという資料につきまして、これは外務省の資料ではないかというお尋ねでございますけれども、私が申し上げましたのは外務省からの資料もございます。ございますけれども、そのほかに議員ご存じのように、これは1993年版、ですからブッシュ大統領の発言の翌年でございますが、ストックホルム国際平和問題研究所(SIPRI)の資料が出ております。この資料によりましても1992年いわゆる戦術核を撤去したという形の実は資料が掲載されております。それともう一つは、「ミリタリーバランス」1994年から1995年版、英国国際戦略研究所の資料でございます。これによりましても、いわゆるアメリカの艦船から戦術核は撤去されたというふうに記載されておりますので、こういうこと等も含めて外務省の見解も含めた形での私の先ほどの答弁でございますので、ご理解をいただきたいと思います。  それから、これは要請でございましたので、私がお答えしなくてもいいのかもしれませんが、若干、柴田議員さんの質問と食い違いがあっておりますので、この際ご訂正も含めて、あるいは誤解も含めて確認させていただきたいなと思いますのは、一つは、福州市に派遣いたしますのは、私は聞き間違いかなと思ったんですが、助役ではなくて収入役でございます。この点は、一つご理解をいただきたいと思います。議会の方には、その旨申し入れをさせていただいております。  それと、長崎での新しい領事のあいさつにつきまして、当日、8月18日でございますか、来る予定だったのが突如として来ないということに対して、非常に失礼ではないかという議員のご指摘でございます。  これは実は、手違いがございまして、たしか前日に核実験をしました。そういうことで、再三にわたりまして、長崎市としても被爆50年の年でもあるし、被爆地として、ぜひこれは厳重に抗議をしなければいけないということで、早速翌日、18日だったと思いますが、議長の方と相談いたしまして、たまたまその日に新しい長崎総領事館の領事が表敬訪問にお見えになると、たしか4時ぐらいだったと思いますけれども、お見えになるという日程が入っておりましたので、市議会議長と相談させていただいて、これは長崎市の立場というものをきちっと、この際こちらから出向いて行ってでも説明した方がいい、抗議をすべきだということで実は協議をさせていただきました。  議長もその旨のご同意いただきましたので、ぜひ2人で行こうと、わざわざ来てもらって新任のあいさつをしていただくということよりも、こちらから出向いて厳重に核実験をしたということに対する抗議をしようということで、実は領事館の方にこちらの方から電話をさせていただいた。「わざわざ出向いていただかなくても、こちらの方から出向きます」ということで、電話をさせていただいたことに対しまして、そこの電話を受けられた方が、こちらの意思が十分に伝わってなかったのかな、それともあちらの受けられた館員の方に手違いがあったのかなというふうに善意に考えていますけれども、どうも市長の日程がつかなくて急遽変更したというふうにお取りになったようでございまして、結果的には、その日の表敬訪問は、いわゆる中止になったということでございます。  この件につきましては、他意があって、その当日の表敬訪問を中止したということではございません。この点、先ほど議員のお尋ねは要請という形で質問ではなかったわけですが、大事なことでございますので、この際、私の方から説明をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。  なお、ほかの件につきましては、所管の方からご答弁させていただきますので、よろしくお願いいたします。  もう1点、魚センターの件があったようでございます。魚センターにつきましては、大事な基幹産業の一つでもありますし、水産都市ということも含めて、ぜひ長崎市としては、先ほど本壇でご答弁させていただきましたように、魚センターを設置したいという気持ちは強く今でも持っております。ただ問題は、その三重の新長崎漁港の敷地内がいいのか、それとも、いわゆる旧長崎魚市跡地周辺がいいのかという、〔「旭町もある」と言う者あり〕旭町も含めましていいのかということも含めて、実は議員ご指摘のように、確かに場所の選定がまず第一難しいと、場所の選定とあとは先ほど本壇で議員もご指摘になりました、英断を持って臨めと、焼津市の件も含めて指摘がありました小売りの鮮魚商の方々との調整、この2点に恐らく絞られるんではないかなと思います。  場所等につきましては、確かに私もそれぞれの場所に一長一短があることは承知をしております。しかし、三重もそうですが、こちらもそうですけれども、県にかかわる土地が大部分でございますので、その辺も含めて、これは商工会議所とか、あるいは魚市関係者とかという方も含めて、かなり熱心な、そういうあれがあっておりますので、そのことも含めて私どもこれから、また市長も新しく私という形になりましたので、もう一度県も含めた形で仕切り直しを前向きな形でさせていただきたいと思いますので、もうしばらく時間をかしていただければありがたいと思います。よろしくお願いいたします。 7 ◯都市計画部長(坂本昭雄君) 高台地区のバスの運行でございます。これは特に大型バスではなくてミニバスということで、私どももいろいろ考えております。  先ほど市長が申しましたように、私どもも生活路線の足を確保するという公共輸送機関の役割、あるいは高台地区の住環境を守ると、そういう観点から基本的な重要路線あるいは重要施策ということで考えております。  そういうことで、具体的には立山地区、これにつきましては63年に県営バス、長崎バスが運行されました。それとあわせて、伊良林から矢の平あるいは江の浦から入船あるいは滑石から式見あるいは丸山から星取あるいは中尾ルート、こういう5カ所が課題として残っております。基本的には、道路の都市基盤の整備、いわゆる条件、道路環境あるいは走行環境あるいは安全性、そういうものを我々は加味し、関係機関、特にバス会社等の話の中では、道路整備が終わった時点につきましては、極力あるいは積極的に、一部につきましては、いろいろな関連施設等の関係もありまして施行しておりますけれども、そういう条件が済み次第、我々としては常に要請をいたしております。  ただ、具体的な課題としては、用地の確保、特にバスの回転場の問題なり、あるいは交差点の改良等いろいろございます。それらにつきましては、鋭意地元に入りまして地権者の協力、あるいは理解を求めながらお願いをいたしていますけれども、なかなかハード面の整備が遅々として進まない。  そういう状況でございますので、条件が済み次第、我々としては常々対応策として考えているところでございますので、ご了解を願いたいと思っております。  以上です。 8 ◯45番(柴田 朴君) 再度、質問をいたしますが、一つは、今、都市計画部長が答えましたけれども、こういった高台地区へバスが乗り入れられる道路の建設という問題は、私は都市計画部門あるいは土木部門というところでは、どこが一体責任をもって、こういったことを後々進めていくのかという点で疑問を持っております。  伊良林地区についても、数年前に長崎バスも含めて現地の合同調査をしていただいたわけですけれども、その後、余り音さたがないわけです。そういう場合に、ただ調査をして終わりということではなくして、調査をした結果は、何十件ぐらいの立ち退きになると、その立ち退きの見通しはこうなんだと、そういうふうなことがあってしかるべきだと思うんですけれども、そういうふうな具体的な市当局の検討の結果というものが余り返ってこないという、そういう弱点があります。  これは、土木あるいは都市計画という2つの部門があるわけですけれども、土木に言うと、「そういう道路計画というのは都市計画がやるべきではないか」と考えているようだし、都市計画に言わせると、「金を持っているのは土木なんだから、土木がもっと土地の取得も含めて積極的にならんと困る」と、こういうふうな横の調整というものがすっきりされていない。そういう点は、今後、こういったミニバスの導入計画などを立てるに当たっては、関係部門が都市開発部の斜面都市の整備、そういうところも含めて私はきちっとした対策を立てるべきではないか。  例えば斜面都市の計画が今、十善寺郷を初めとして4カ所で青写真をつくって協議しておりますけれども、この道路の建設という立場から入っていっても、そこに斜面都市を並行してやる必要があるという場合も出てくると思うんです、道路をつくるという立場から。そういうふうな問題でありますから、この少なくとも3部門が一体となって、私は斜面都市の面の整備、それから道路の整備、こういうものに力を尽くすべきではないかと考えておりますので、その点について、もう一度見解を求めておきたいと思います。  そしてまた、魚センターの問題ですが、今、市長も言われましたように、私はこの問題については、やはり本当に関係者の意欲、長崎を何とかして活性させたいと、こういうふうな熱意というものが、どうしても必要だと思います。年間500万人を超える観光客が訪ねてくるという、そういう都市は、九州の中でも少ないわけであります。そういう観光客というものと地場産業をどうして結びつけるかということは、やはり私は今、地域の活性化というものが叫ばれている今日、非常にこれは重要な課題だ。そういう点では、土地の問題にしても、これはいろいろ先ほど市長答弁中にそれぞれ各議員からも綱引き合戦がありましたけれども、私は、やはり観光客と結びつける可能性がある所というのははずせないと思うんです。  そういう意味で、県が三重地区を非常に強調しているというのは、そこに観光客がずっと回るような見通しというのがあるのかどうか。そういう点が非常に心配であります。したがって、その辺の問題につきましても、私は市長と知事あるいは商工会議所が十分な検討をひとつしてもらいたいと、このように考えるわけであります。  中国の核実験をめぐるこの地元の領事館の対応につきましては、私が誤解であればいいわけでありますが、新聞の記事を読んでいる限り、私はそのように理解をしておりません。むしろ向こうの方からキャンセルをしていると、こういうふうなとらえ方を各新聞はしているようであります。  私が言いたいのは、中国の核実験というのが、これは特に中国当局がことしの8月9日の人民日報のあの記事を見ましても、どういうことを書いているか、いわゆる第二次世界大戦の終結過程を早めさせたと、原爆を広島、長崎に投下したのは、あの侵略戦争の終結を早める役割を果たしたという評価を人民日報はいたしました。これは、まさにアメリカクリントン大統領が「原爆投下は正しかった」ということと全く同じ精神を貫いているわけでございます。こういう立場に立って、彼らは核実験を強行することを何の恥じらいも感じていない。そういうふうな根本がその背景にあることを、私は非常に懸念するわけであります。  先ほど市長は、福州市にこの真意を伝えるためにやるのは助役ではなくて収入役だと言いましたが、それはどっちでもいいわけですが、私はやる必要はないだろう。これは市長から議会に対して当時、市当局もこういう人を派遣したいから市議会の代表も一緒に派遣してほしいという文書が市議会議長にきました。市議会では代表者会議を開いていろいろと議論をしましたけれども、そういう必要はないと、こういう立場から市議会の代表は送らないということを決定した経過があります。私は、少なくとも今回のような核実験を繰り返しやっていくと、それを何の恥じらいも感じていない、こういうふうな国に対しては、当然の措置として我々も友好関係というものをそこでストップをするという決意を持って抗議の意思を表明していくということは大事ではないかと、私は考えるわけでございます。  ブルーリッジの問題につきましても、市長は、ブッシュ大統領の発言その他その後のいろいろな資料を出しましてお答えになりましたが、私は、最後に申し上げたいのは、この長崎の米軍艦船の寄港というのは佐世保の基地の動向と非常に重大な関係があると見ております。今、佐世保の基地は、この3年間でどのように強化をされてきているか。私は、その一部を先ほど申しましたけれども、例えば針尾弾薬庫を中心とした弾薬庫は、東洋一の弾薬庫がこの2年間で完成をいたしました。そして、あそこの艦船に積み込むガソリンその他の石油タンク、こういうものは、従来の3倍から5倍と言われているように、これはアメリカの第7艦隊を全部満タンにして5回分というんですから、これは我々が想像できないようなタンクがこの2年間で完成をしているわけであります。こういうふうな状態を考えると、そこに入ってくる艦船、アメリカの艦船がものすごくこれからふえていくということが、これは考えられるわけであります。  そうすると、佐世保だけでは、その艦船の整備・修理は対応できない。そういうことは、これは素人が考えてもわかるわけです。こういうものをどこに、さらにその修理をあるいは整備を期待していくかということは、恐らくアメリカの海軍のこれからの課題だと思います。そういう情勢の中でのアメリカの艦船の長崎寄港がずっとある程度の期間を繰り返しながらやられていくということは、重大な政治的な意味合いを持っていると、私は考えております。  したがって、そういう点も含めて、市長が今後、十分な検討をされるよう要請をしまして、私の質問を終わりたいと思います。 9 ◯議長(中野吉邦君) 次は、43番江口健君。       〔江口 健君登壇〕 10 ◯43番(江口 健君) おはようございます。  昨日のフランスの地下核実験に対しましては、心から憤りを感じております。特に、核兵器廃絶、また核実験の中止を求める世界的な運動の高まりの中でのこの行為に対しては、まさに野蛮としか言いようがありませんし、私ども被爆50周年を迎えました長崎市民、また県民、国民の心を踏みにじるようなこの行為に対しましては、断じて許しがたい行為であると、このように思っております。私どもも今後は、核保有国に対しまして、核兵器の廃絶、また核実験の中止を今後とも求めてまいりたいと、このように思っております。  質問通告に基づきまして、順次、質問いたしますので、市長初め関係部長の明快なる、そしてまた、誠意ある答弁を求めるものであります。  まず、環境事業行政について。  処理施設の土曜開場の問題についてでありますが、昨年7月より実施されている中間処理施設の土曜閉場も1年2カ月を経過いたしました。この間、議会でも多くの議論が交わされ、また多くの市民や団体からも開場についての要望、陳情等がなされております。  市長も当選後、6月議会での施政方針の中で、土曜日も一定量の燃やせるごみの搬入が見込まれることから、東工場の土曜開場について、これまでの経過を踏まえ、関係機関・団体と協議を進めてまいりたいと、土曜日の開場に向けての意向を示されていると思いますが、施行して1年2カ月を経過した今日、どのような検討がなされておるのか。また、今後の方針についてお伺いをいたします。  次に、フロンガスについてでありますが、冷蔵庫やエアコンに使用されているフロンは、製品が廃棄処分されると同時に大気中に放出されてしまうため、全国の各自治体では、粗大ごみとして持ち込まれる家庭用冷蔵庫からのフロンの回収が始められております。全体からすると、回収されるフロンの量は微々たる量だと思いますが、地球環境を守るという立場から、早急にフロンガスの回収を実施すべきであると考えますが、環境事業部長、いかがでありましょうか。  次に、容器包装リサイクル法についてでありますが、この法律の正式名称は「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律」と呼び、家庭などから出される一般廃棄物がますます増大し、再生資源の利用が思うように進んでいない現状を打開する突破口として制定された法律であります。  具体的には、包装ごみの再商品化計画、市町村の分別収集計画、都道府県分別収集促進計画、事業者の義務、事業者にかわってリサイクル業務を代行する公益法人に関する規定などを定め、適正な措置を講じようとするものであります。  この法律は、公益法人の設立などの準備を整えて、いよいよ来年度から実質的に動き出すようになり、これまでより包装ごみの減量、再資源化が大きく前進することが大いに期待をされております。  法施行に伴い本市の準備、また、今後の計画についてお示しをいただきたい。  特に、現在の分別収集のあり方については、細分化、さらには、資源ごみの回収についても検討を要するのではないかと考えます。自治会、子供会等による集団回収の中で、特に、古紙類については、一般の燃やせるごみと一緒に出され、焼却されている量も最近はかなりの量と伺っております。再資源化を考えた場合、特に、古紙類については、現在の集団回収方法と並行して何らかの検討が必要であろうかと考えますが、当局の見解をお聞かせいただきたい。  次に、質問の大きな2番目、教育行政についてであります。  登校拒否対策について。  文部省は、去る8月10日に昨年度の学校基本調査を公表。不登校で30日以上、小中学校を欠席した児童生徒は7万7,000人を超えて、過去最高だった前年度を上回り、増加傾向に依然として歯どめがかかっていないことが明らかになっております。
     県の調査結果で、昨年度の長期欠席者数は、小学生が1,038人(前年度958人)、中学生は1,469人(同1,332人)、欠席理由で「学校嫌い」の在学者数に占める割合は、小学生が86年から、中学生が79年からふえ続けております。このような事象に対しまして、本市では、適応指導教室における対応、また今議会の議案にも上がっておりますが、新規事業としてスクールカウンセラー事業のスタートといったものが検討されておるようでありますが、具体的な対策についてお示しをいただきたい。  次に、病院内学級についてでありますが、長期入院の児童生徒の学習のおくれを最小限にとの趣旨で、現在、大学病院、市民病院、また市民病院の分級として原爆病院に院内学級が設置されております。病気の克服を願いながら学習に取り組んでいる姿を私も最近拝見をいたしました。特に、大学病院については、施設設備の改善が必要であり、また生徒数に対して先生の配置が適正であるのか、今後、十分検討を要すると考えます。  手続きの簡素化につきましては、さきの6月議会で私どもの田村議員が指摘をし、早々に対応されております。  また、今後、院内学級を現在の3病院以外に拡大する考えはないのか、お尋ねをいたします。  次に、公共下水道の普及についてであります。  都市基盤の整備、また水質保全の観点から、生活排水処理については、公共下水道の普及を初め地域によっては農村集落排水事業及び小型合併処理浄化槽の設置など種々検討と取り組みがなされております。本市の公共下水道は、現在の第7次下水道整備5箇年計画が進行中で、今年度でこの第7次整備計画が終了、普及率は60%台を達成と伺っております。引き続き整備計画の推進に期待をいたすところであります。  さて、下水道の整備の進捗に伴って本市の独特の地形がもたらす問題も多く発生しております。私もこれまで数人の方々より相談を受けておりますが、下水道本管が居宅より高い位置にあるためポンプアップしなければ水洗化ができないといったようなケース、また、本管はすぐそこまで来ているが、途中に民有地があり、地主との協議がうまくいかない。  このような問題につきまして、私は、平成5年の12月議会でも低地部対策として補助金の創設を、また、民有地の問題に対しましては、法律の専門家である弁護士等も参加をしてもらい検討委員会、もしくは対策協議会なるものを設置してはどうかとの提案をいたしておりますが、その後の検討結果と今後の対応についてお示しをいただきたい。  次に、テクノスーパーライナー(TSL)の長崎港母港化についてであります。  速力50ノット(時速約93キロメートル)、最大積載重量1,000トン、航続距離500マイル(約930キロメートル)と、従来の船舶に比べて2倍以上の高速で航行し、航空機やトラックよりも大量の貨物の積載が可能。さらに、長い航続距離を持ち、しかも、荒れた海でも安全に航行できる新形式の超高速貨物船。これが21世紀の海の新幹線とも言われておりますテクノスーパーライナーであります。TSL計画は、平成元年から6年度までの6カ年計画として運輸省の指導で造船業界が基礎的研究を進めてまいりました。この7月からは、実験船「飛翔」による試験航行が開始され、去る8月7日には長崎港にも寄港しております。  このように、夢のビッグプロジェクトがいよいよ実用化に向け走り出した感がいたします。航続距離930キロメートルの特徴を生かし、アジアの中心として、また、国内では関西、関東、北海道へ向け物流・商流の拠点として、何としても母港としての誘致を推進すべきであると考えます。  母港化に向け、港湾の整備を初め陸上との関係で高速交通体系の整備、そのアクセスの問題等々、早急に整備を要する課題が数多く残されておると思います。何といっても、造船技術では世界に冠たる三菱造船所を本市は有していることが誘致には最大の利点であるとも思っております。全国の各都市に先駆けて、県との見事な連携で今後、具体的な取り組みが必要であろうかと思いますが、市長、いかがでありましょうか。  長崎港沖合展開構想と本市のかかわりについて。  この計画は、県と西彼香焼町を中心に長崎港沖合に人工島をつくり、長崎港の活性化を図り、貿易・物流面で九州を初め他の港湾と競合できるように整備を図ろうというものであります。経済の浮揚、雇用の創出という面からしても、かなりの効果、影響が考えられますし、本市としても、この計画に対し、道路交通網の整備を初め都市基盤の整備といった面からも積極的にかかわりを持ち、構想の実現に向けて取り組むべきであると思いますが、市長の見解をお伺いいたします。  次は、公園の整備についてお尋ねをいたします。  都市における公園や緑地は、人々に安らぎを与え、安全で快適な生活を営んだり、スポーツ・レクリエーション活動、また、自然との触れ合いという面では、その果たす役割は大変大きいと思います。特に、公園の中でも市民生活、また地域に密着し、その利用頻度が高いのが街区公園であり、そのような観点から考えますと、最優先で整備を図る必要があると考えます。  そこで、以下の点についてお尋ねをいたします。  1.国の整備方針に対しての現況はどうか。  2.今後の整備方針について。  3.既存の街区公園についての今後の整備計画について。  また、市街地、住宅地に非常に近い位置にあり、整備によっては、地域の公園として、またグラバー園にも近いことから、観光の新しい名所としての利用が考えられます鍋冠山公園については、今後、どのような整備計画をお持ちであるのか、お示しをいただきたい。  質問の最後は、南部地域の振興について。  その1.磯道地区海岸線の整備についてお尋ねをいたします。  当初、海岸沿いに海岸道路の新設との計画からスタートし、後に県の臨海開発局、そして地元、また市当局との協議の末、文化・スポーツ施設、公園の設置等を含め地区全体のまちづくりにと発展。地元と関係当局との協議も平成5年3月、まちづくり協議会を結成して以来、名称もスポット計画推進協議会として今日まで過去7回の会議が開催されております。これまでの協議、経緯を踏まえ、計画の進捗状況とあわせ、今後の見通しについて、市長のご所見をお伺いいたします。  その2.深堀運河の建設についてであります。  もともとの自然の潮流による、昔のきれいな海を取り戻したいとは、地元の多くの方々の悲痛な訴えであります。長崎港の水質保全の観点からも今後一考していただきたいと思いますが、市長の率直な意見をお聞かせいただきたい。  以上で壇上からの質問を終わらせていただきます。=(降壇)= 11 ◯議長(中野吉邦君) 市長。       〔伊藤一長君登壇〕 12 ◯市長(伊藤一長君) 江口議員のご質問にお答えをさせていただきたいと思います。  質問が多岐にわたっておりますので、若干時間がかかりますことを事前にご了承いただきたいと思います。  まず、環境事業行政についての東工場の土曜日開場の件についてお答えをさせていただきます。  既にご承知のとおり、本市におきましては、昨年4月より土曜閉庁方式による完全週休2日制を導入しております。このことに伴い、ごみ処理施設につきましても、平成6年7月9日から土曜日を閉場いたしておりますが、事業系ごみにつきましては、各事業者において創意工夫をしていただき、適正かつ計画的な排出を機会あるごとにお願いをし、今日に至っております。  土曜閉場後1年余を経過いたしましたが、この間、種々のご意見等がありましたので、今日までの経過等を踏まえつつ、本年7月、まず長崎市保健環境自治連合会の総務部会・清掃部会の合同会議が開催され、また、学識経験者や市議会の代表からなる長崎市清掃審議会を開催し、貴重なご意見を拝聴した次第でございます。  その結果、現行の土曜日閉場は一定定着しつつあり、現行体制を踏まえて対応すべきであるとの開場に対する慎重論が出された次第でございます。  したがいまして、今後の対応といたしましては、閉場後、ごみの減量効果なども顕著にあらわれている実情にかんがみ、引き続き現行体制を維持しながら今後の状況等を的確に把握をし、適切な措置を講じることといたしたいと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。  次に、フロンガス回収の件でございますが、フロンガスの大気放出はオゾン層破壊の原因となり、地球環境に及ぼす影響が大きいため、国際的にも特定フロンの製造全廃が決定され、また、その回収、再利用あるいは破壊処理の推進が決議されております。国内におきましても、フロンガスの生産は特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律で規制されておりますが、既に使用されている冷蔵庫、クーラーのフロンガスの回収につきましては、法的な規制あるいは義務づけがなく、本市におきましても、粗大ごみとして収集したものや、市民が持ち込んだ冷蔵庫、クーラーにつきましても廃棄物として埋立て処分を行っており、その際に、フロンガスを大気中に放出しているのが現状でございます。  しかし、地球環境保護のためには、このフロンガスの問題は決して放置できるものではないと考えますので、本市といたしましては、まず粗大ごみとして収集した冷蔵庫、クーラーについて、来年度からフロンガスの回収ができないか、集積場所や回収方法等について検討をしてまいりたいと思います。  次に、古紙回収推進の件でございますが、古紙回収につきましては、現在、自治会や子供会等の集団回収活動において年間約3,600トンが、また、一部の事業所によって同じく1万トン程度が回収されておりますが、いまだ相当量の古紙類が燃やせるごみとして焼却処分されていることは、議員ご指摘のとおりでございます。  本市としましても、これらの再生利用可能な古紙類の回収につきましては、資源の保護や処理施設の延命を図る観点から、その必要性を十分に認識しており、現在、これらの古紙類をいかなる方法で回収していくべきか検討を進めているところであります。ただし、現在の不安定な古紙市況や各地域の立地条件から見て、集団回収によって回収量の大幅増を望むことは、もはや困難であると判断をしております。  このため、当面の対策として、まず排出事業者や許可業者によって搬入されるオフィス紙ごみなど事業系ごみから回収を図ることとし、次に、一般家庭から排出される古紙の回収に着手をしたいと考えております。実施の時期や方法など具体的な点につきましては、事業系紙ごみにつきましては、本年度中にストックヤードを建設する予定であり、排出事業者や許可業者の協力を得て、来年度からここに古紙類を搬入する予定であります。また、家庭系紙ごみにつきましては、収集方法の検討や市民の分別協力を得るための周知徹底等に一定期間が必要であると考えております。  いずれにいたしましても、適当な回収方法を策定し、前向きに取り組みたいと考えております。次に、容器包装リサイクル法の運用と本市の取り組みの件につきましてお答えをさせていただきます。  容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律、いわゆる容器包装リサイクル法の制定に伴う本市の取り組みについてでありますが、この法律は、議員も既にご案内のとおり、排出される廃棄物に高い割合を占める容器包装廃棄物を消費者、市町村、事業者の責任分担においてリサイクルを図ることを目的とし、本年6月16日に公布されました。現在、国によって各都道府県や市町村あるいは事業者に対する説明が行われるとともに、年内には政省令が制定され、公布の日から2年以内に施行されることとなっております。  この法律の施行によって、基本的に消費者、市町村、事業者が負うこととなる役割は、(1)消費者は分別排出に協力をする。(2)市町村は容器包装廃棄物の分別収集。(3)事業者は市町村が分別収集した容器包装をみずから、または指定法人やリサイクル業者に委託して再商品化するということになります。  実施までの段階としては、まず、国によって本年中に基本方針及び再商品化計画が策定をされ、市町村は、この国の方針及び計画に沿って平成8年6月中旬ごろまでに分別収集計画を策定し、県に提出することとなります。ただし、容器包装廃棄物の分別収集を実施するか否かは、あくまでもそれぞれの市町村の自由裁量とされております。しかし、本市の方針としては、本市が保健所所在都市である関係上、できる限り国の方針に沿った分別収集を実施する方向で、収集方法や収集品目の策定など検討を図っていきたいと考えております。  なお、これらの容器包装廃棄物の分別収集を実施しようとする場合には、市町村の負担においてストックヤードの整備が必要となりますので、この点につきましても、あわせて検討したいと存じます。  次に、教育行政につきまして2点お答えをさせていただきたいと思います。  まず、登校拒否問題への対応は、昭和63年度に設置した学校適応指導教室を中心として進めているところでありますが、その状況と対策につきまして申し上げたいと思います。  まず、本市における登校拒否児童生徒の状況としては、(1)平成6年度は小学生28人、中学生112人、合計140人でした。(2)平成6年度の適応指導教室への通級者は小学生3人、中学生22人、合計25人で、そのうち21人が学校復帰を果たしております。(3)昭和63年度から平成6年度までに128人の児童生徒が通級し、そのうち99人が学校へ復帰あるいは進学、就職するなど関係者の方々の努力のもとに着実に成果を上げてきております。  しかしながら、登校拒否児童生徒の中には、家の中に閉じこもり、適応指導教室へも通級できない者も多数おります。これらを含めた登校拒否児童生徒への対応については、次のような取り組みをしております。長崎市教育委員会としては、(1)教育研究所及び少年センターの相談室の相談事業についての広報を図りながら登校拒否に関する相談を受けております。さらに、必要に応じて指導主事の家庭訪問による相談を実施しております。(2)一人ひとりの児童生徒をしっかり理解することが登校拒否の予防にとって大切であります。そこで、事例研究を中心に置いた教職員の研修会を進めております。  また、学校においては、(1)事例研究会の実施を通して、学級担任が児童生徒一人ひとりの実態を十分把握し、個々に応じた指導ができるよう、その充実を図っております。(2)家庭・保護者との連携を強め、担任による家庭訪問や教育相談を充実することで、その予防に努力をしております。(3)多少とも登校できる児童生徒については、保健室や相談室へ登校させることから始めて、徐々に集団生活に慣れさせていく方法などで対応しております。例えば中学校においては、第6次公立義務教育諸学校教職員配置改善計画に基づいて、大規模校には教師の加配措置がなされており、その教員を中心に通常学級へ戻れるようにするための指導に取り組んでおります。これらの学校では、登校拒否の児童生徒が大幅に減少するなど好ましい成果が上がっております。  このような教職員の配置については、教員加配校の拡充を目指して、県へもさらに要望していく所存であります。  なお、本年度の2学期からは、文部省の施策としての臨床心理士によるスクールカウンセラー活用の調査研究を小学校1校、中学校1校に委託をし研究もスタートします。今後、2校での研究の成果を踏まえながら、市教育委員会としての登校拒否対策の一層の充実を図ってまいりたいと思います。  第2点目の病院内病弱・身体虚弱特殊学級の拡充につきましてお答えをさせていただきます。  病気のために長期入院をしなければならなくなった児童生徒のために、不安や悩みを和らげ、病気に負けないように精神を安定させるとともに、学習のおくれを最小限にしていこうとする趣旨のもとに、医学と教育の立場から、文部省通達により病弱特殊学級、いわゆる院内学級で教育を受けることができる制度が示されています。  これを受けて、長崎市では現在、長崎市立市民病院と長崎大学附属病院、日本赤十字社原爆病院に設置をされております。平成7年9月1日現在、3学級には合計11名の児童生徒が在籍し、病気の療養に専念しながら院内学級で学習に取り組んでいるところでございます。  議員ご質問の院内特殊学級への補助教員の配置についてでございますが、院内特殊学級在籍児童生徒が8名以上の場合は、県教委へ1学級増設の要望を行うことはもとより、院内特殊学級設置校から教員を派遣するなど、場合によっては、長崎市教育委員会から指導主事の派遣等で対応してまいりたいと考えております。  院内特殊学級の設置につきましては、県の所管でございます。県教委によりますと、院内特殊学級の設置基準は、原則としてベッド数500床以上の国公立病院であり、療養児童生徒が年間を通じ、常時5名以上程度いることとなっております。  市教委といたしましては、各小中学校に在籍する児童生徒のうち、病院への入院等により欠席する者について、保護者の協力を得ながら入院先や入院期間、欠席日数、病状などを的確に把握し、教育の機会を可能な限り提供する趣旨から、民間病院での開級について、必要に応じ県教委と協議してまいりたいと考えております。  次に、公共下水道の普及の低地対策、民有地対策につきましてお答えをさせていただきたいと思います。  公共下水道は、市街地における浸水防除、生活環境の改善及び公共用水域の水質保全の機能を持ち、安全で快適な環境をつくるために必要不可欠な都市施設であり、本市といたしましても積極的に整備促進に取り組んでおります。平成6年度末の下水道普及率は58.3%となり、全国平均51%を7ポイントほど上回っております。今後、平成8年度から始まる第8次下水道整備5箇年計画においても、引き続き積極的な事業の展開を図ってまいりたいと思っております。  ご質問の低地や民有地を利用しなければ水洗化が困難な地区を分類しますと、水路や他人の土地を使用することにより自然流下が可能な箇所とポンプを設置しなければ汚水が排除できない箇所に分類できます。  平成6年度に下水道事業認可区域内の現況調査を行った結果、水洗化が困難な地区は約950カ所あり、そのうち水路または他人の土地の利用により排水可能な箇所は全体の93%、ポンプ設置のみで水洗化できる箇所は7%となっております。調査の結果を踏まえ、下水道部内に設置した水洗化促進対策委員会で対応策を検討した結果、水路の利用につきましては、水路の管理者と協議を行い、水路の機能及び維持管理に支障を来さない形で汚水管の布設をしてまいりたいと思います。  他人の土地や排水設備を利用する場合には、土地や設備の所有者に係る民事の問題が議員ご指摘のように懸念をされます。この解決を図るため弁護士、民事調停委員、不動産鑑定士など第三者による助言、仲介を行う「あっせん委員会」を設置したいと考えております。また、ポンプを設置しなければ水洗化ができない箇所につきましては、ポンプの設置や配管費用に対する助成や貸付制度で対応してまいりたいと思います。あっせん委員会の設置及びポンプ設置費などに対する助成制度の財源措置につきましては、現在、要綱等の整理とともに調整中であり、調整が整い次第、早期に実施してまいりたいと考えております。  次に、テクノスーパーライナー(TSL)の長崎港母港化につきましてお答えをさせていただきます。  テクノスーパーライナーの母港化、寄港地の推進につきましては、平成3年以来、TSLに関する検討会やセミナーの開催及びTSL導入・促進に関する要望が各関係機関並びに各団体において行われました。平成5年2月に長崎県を中心にTSL導入推進懇談会が発足をし、さらに、同年12月に長崎県におけるTSL導入調査検討委員会の設置があり、この中で産業及び流通の現状分析、TSL導入の必要性の検討、TSL輸送網整備構想、TSL母港候補地の検討などがなされています。これら懇談会、調査検討委員会の報告から、長崎県内におけるTSL母港候補地は、経済波及効果、TSL建造造船所の立地などから、長崎港が最有力であると思われます。先般、県市企画連絡会議におきまして、本市は、長崎港の母港化を長崎県に強く要望したところでございます。  また、平成6年6月には、実験船「飛翔」が完成をし、TSL総合実験の一環として、去る8月7日に長崎港に寄港した際は、歓迎式典、見学会を開催し、周知・啓蒙を行っております。  本市といたしましては、TSLの導入は、物流を中心とした産業の展開や造船業の振興にも大いに寄与するものと考え、その誘致につきましては、長崎県並びに関係機関、民間団体とともに歩調を合わせ、その推進について引き続き積極的に努力してまいりたいと思います。  今後、長崎県においては、官民一体となった期成会の設置を予定しており、本市としても、その早期設置を要望するとともに積極的な活動を行っていきたいと考えております。  また、導入促進のための必要条件として、現在の長崎港の活性化が重要であり、今後とも集荷活動等のポートセールスを積極的に行うとともに、港湾施設の整備促進、またアクセスに係るインフラの整備につきまして、港湾管理者であります長崎県及び各関係機関に積極的に要望等を行っていきたいと考えております。  次に、長崎港沖合展開構想(通称・長崎PI構想)についてお答えさせていただきます。  平成4年度に県庁内に私的な研究会として長崎港将来構想懇談会が設立され、長崎港の将来についての研究が行われております。その中で、長崎港の今後の発展のための一つの方策として、沖合展開構想が必要であると考えられております。  現在は、長崎港将来構想懇談会の成果を踏まえ、沖合展開構想のイメージをより具体化することを目的としまして、長崎港将来構想調査検討委員会ワーキンググループが平成6年12月12日に設立され、これまで2回の会議が開催されております。このワーキンググループは、大学教授を座長に民間事業者、関係漁協、金融機関、運輸省、県及び関係市町で構成されており、本市からは企画理事が委員として参加し、構想についての課題や本市のかかわり等について十分な説明を行うとともに、一体となり検討を重ねております。  この構想の実現に向けては、現在の構想において候補地となっております議員ご指摘の香焼町北沖における行政区域の問題、さらには、仮に中小造船所が移転した場合の跡地利用など不透明な要素や今後、解決していかなければならない多くの課題がありますが、この構想は、本市にとって重大な影響を及ぼすものでありますので、今後、真剣に取り組んでまいりたいと思います。  次に、街区公園の整備についてお答えをさせていただきます。  公園緑地は、都市の安全性の確保、市民の健康維持増進、快適な都市環境の形成など市民生活のさまざまなニーズに総合的に対応できる多くの機能を持った都市施設であります。  本市におきましては、公園・緑地が持つ環境、防災、レクリエーション、景観等の機能に配慮しながら、公園緑地行政の基本であります緑のマスタープランに基づき、山の緑を守る、街の緑を育てる、海の緑をつくるを基本方針として、計画的に鋭意整備を進めているところであります。  ご指摘の街区公園の整備につきましては、平成6年度末現在333カ所、約48.13ヘクタールを整備し、一人当たりの街区公園面積は1.1平方メートルとなっており、国の整備目標面積である一人当たり1平方メートルは満足している状況であります。しかしながら、誘致距離が250メートルの街区公園を設置するという配置基準は満足しておらず、街区公園が不足している地区もあり、また面積的にも基準に達していない公園もあります。今後は、この配置基準や面積基準をもとに、地域のバランスを考慮しながら計画的に整備を推進するよう考えております。  さらに、鍋冠山公園の整備につきましては、公園周辺での道路計画や新交通システムの導入計画及びグラバー園との連携を含めた南山手地区一体のまちづくり等々の観点から整備を図る方針で、今後、庁内で協議を進めてまいりたいと思います。  本市が現在、管理しております都市公園につきましては359カ所に上っておりますが、その大半を占めます333カ所は、市民の皆様に最も身近な街区公園として位置づけております。これら既設の街区公園の整備といたしましては、(1)開設後20年以上経過していること、(2)全体的に公園施設の老朽化が著しいこと、(3)法面等の整備をすることによって有効面積の拡大が図られること、(4)周辺環境の変化によって改修が必要なこと等を判断基準にして、年次計画で実施することにいたしております。  最後の質問の南部地域の振興につきまして、2点お答えをさせていただきたいと思います。  1点目の磯道地区海岸線の道路建設につきましては、昭和42年に長崎県の海岸保全事業計画とあわせて市道の建設を計画しておりましたが、地元の協力が得られませんで、この事業は実現に至りませんでした。その後、昭和59年と平成元年に地元自治会からの要望があり、地元の皆様と協議をしながら検討を進めました結果、道路以外にも公園等の公共施設整備の要望もあることから、地区の総合的なまちづくりの考えに立って県にも働きかけをし、港湾計画による港南地区まちづくり計画(SPOT計画)の中で臨港道路としての整備を考えております。  現在、県、市、地元関係者からなるSPOT計画推進協議会が結成をされ、協議を重ねているところであり、今後も県と地元と一体となりまして、実現に向けまして努力を重ねてまいりたいと思います。  2点目の深堀運河の建設につきましてですが、これは私が、実は県議時代に質問した件も、恐らく江口議員はそのことをご承知で質問されたんだろうと思いますが、お答えさせていただきたいと思います。  私が、県議時代の質問に対します平成6年6月議会の知事の答弁でございますが、「最近の水質調査、底質調査を見ても長崎港は環境基準をオーバーするような状況ではなく、また、外海側には深堀漁港もあり、さらに膨大な事業費をどのような事業で実施するかという大変難しい問題もあるので、運河については、現段階では考えていない。当面、毛井首や土井首地域の下水道整備により汚染が少なくなることを期待したい。将来的に汚染が進めば、運河建設も含めて汚染防止対策が必要であろうかと考える」という趣旨の答弁があっております。しかしながら、港内が汚染されてからでは遅いと私も思います。  本市といたしましては、下水道整備促進を図るとともに、港内の水質の変化に十分留意をしながら港湾管理者である県と、この件につきましては協議を重ねてまいりたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。  以上、本壇よりの答弁とさせていただきます。=(降壇)= 13 ◯43番(江口 健君) ただいま市長から丁寧な答弁をいただきまして、ありがとうございました。  特に、ただいま私が数点にわたって質問した中では、過去、この本会議を通じまして何点かの提案をし、今日現状での検討結果、もしくは早ければ来年から実施されると伺ったものがありますけれども、その中でも、特に公共下水道の普及の低地部対策、または民有地対策については早速、新年度から具体的な対策が講じられるということであります。多くの市民の方々も、このような対策に対しては感謝もしておるようでありましょうし、これからのさらなる下水道の普及に期待をしてまいりたいと、このように思っております。  順不同になりますけれども、何点か意見を申し上げながら再質問をさせていただきます。  まず、フロンガスにつきましては、先ほども来年から粗大ごみの冷蔵庫、クーラーについては回収の方向でやっていきたいということであります。私もこの件についていろいろな資料を見ながら調査をいたしましたけれども、大体、冷蔵庫には200グラムのフロンが使われ、エアコンについては800グラムが使われている。その残存量がどのくらいあるかと言いますと、冷蔵庫については50グラムぐらい残る、またエアコンについては200グラム残っている。ですから、こういう状況の中で、長崎市の最終処分場に持ち込まれる粗大ごみ、もしくは個人等が持ち込まれている冷蔵庫やエアコンについての個数から割り出して年間の残存量をはじいていきますと、大体、百五、六十キロぐらいのフロンが回収できるんではなかろうかと、私の試算ではそうなっております。  ですから、先ほど壇上からも申し上げましたように、これぐらいの量が回収されたところでどうなるかということになりますと、大変微々たる量ではありますけれども、このようなことから、全国の自治体が一緒に取り組んでいけば、地球環境を守るような、そういう立場にもなろうかと思いますので、ぜひこれは来年から実施されるに当たって、さらなる枠の拡大をしていただきたいと、このことを要望しておきたいと思います。  それから、古紙の回収につきまして、私が申し上げたのは、実は容器包装リサイクル法が施行になりますので、このような法律の施行とともに、まず法律に対して、その前の間口の整理が必要な部分が出てくるんではなかろうかと思いまして、この古紙回収については問題の提起をしているわけであります。特に、この法律が制定されるに当たりましては、さらなる分別の計画が必要になってまいります。その中で、本市が今、資源ごみで回収をされている瓶類の生き瓶、それから古布であるとか、ないしは古紙回収については、まだまだ回収の余地が残っておる。ですから、法制定に伴って、いろいろな整備の中でも今現在やっている資源ごみの回収について一考が必要であろうかと思います。特に古紙回収については、今ご答弁がありましたように、ストックヤードをつくりながら検討していくということでありますから、よろしくお願いしておきたいと思います。  特に、この容器包装リサイクル法がスタートをいたしますと、回収をしてストックヤードに持っていくまでが、この地方自治体の役目だと思います。その先については、事業者が責任を持って回収するということになります。そうなりますと、どこにためておくのかという大きなストックヤードの建設が当然、この法制定とともに必然性を帯びてくるであろうと思いますので、この件についても、よろしくお願いしておきたいと思います。  それから、登校拒否については、確かに適応指導教室の役目、役割が非常に高いところにあるということは私も認識をいたしております。適応指導教室に通級で通っている児童生徒が自分の学校に復帰している割合から見ますと、今市長がおっしゃったとおり高い復帰率でありますけれども、私は、実は適応指導教室が、それではすべて満足かということになりますと、現在の登校拒否になっている児童生徒の数からして、適応指導教室に通級している子供たちの数から見ると非常に微々たるものだと思っております。  平成6年度の数から見ましても、小学校の児童が37名に対して適応指導教室に通級している子供は3名、それから中学校で見ますと138名の対象者がおる中で、適応指導教室については22名通って来ておるということでありますから、まだまだ大半というか、適応指導教室に通級できない子供たちがたくさんいるんだということを改めて認識をしていただいて、そのように通級できない子供、適応指導教室に来れない児童生徒に対して、今後どのように具体的な手を打っていくのかということが、私は大事なことであろうと思います。  そういうことを考えますと、現在のスタッフでは、人的に本当に足りるのか足りないのか、このことも含めて今後、検討していただきたいと、このように思います。  それから、テクノスーパーライナーの導入については、ただいまも市長から力強いご答弁がありましたとおりで、このTSLが導入されますと、大変な経済効果を初めいろいろなところで波及効果がありますので、これから、本当に具体的な取り組みをしていただきたいなと思っております。特に、長崎県の港があっちこっち予定に挙がっておりますけれども、長崎港以外は、大変失礼な言い方をさせていただくと、不適切というようなことが結果の資料から見ても一目瞭然だと思っております。  そういう意味では、長崎市もそうでありますけれども、県が一生懸命音頭をとって推進していくべきことでありますけれども、今後は、本市も一緒になって、このことについては、最大の力を発揮していただきたいと思います。  そういう面では、この長崎市においては、助役ないしは収入役も県から来ていただいておりますし、今まで以上に県との大きなパイプができ上がっているんではなかろうかと思っています。そのことについても、私は大きな期待をいたしておりますので、よろしくお願いをしておきたいと思います。
     それから、沖合展開構想についてでありますが、これもまだなかなか不確実な部分が随分あります。先ほど市長のご答弁の中でもありましたように、場所が香焼ということに限定をされますと、場所的には、市の南部ということで長崎市に大変かかわりが深くなってまいります。そうなってまいりますと、埋め立てもしくは海上浮体物をつくられた場合に、いろいろな経済効果ないしは雇用の創出というものが考えられますし、そうなりますと、今の南部の道路が一本でいいのかどうか。そういうことも含めて今後大きな問題、課題になってくるであろうと思いますので、特に積極的にかかわりをもって、本市のこれからの経済の活性化も含めて頑張っていただきたいと、このように思います。  それから、公園の整備について先ほどご答弁をいただきましたが、実は私が、この街区公園を中心に質問をしましたのは、壇上からも申し上げましたように、一番利用頻度が高いんではないかと思っております。市内には、至るところに立派な公園もあります。そして一基5,000万円ぐらいかけて彫刻を設置されておる公園もありますけれども、その利用頻度から見ますと、街区公園にはまさか勝つわけがないというように、地域ではお年寄りから子供に至るまで、幼児に至るまで街区公園については利用されておりますし、そういう面では、わずかな予算で多くの人たちが利用するような整備が本当に必要ではなかろうかと思っております。  そういう面で公園一覧等の資料を見ますと、特に、公園に砂場が設置してありますけれども、砂場が設置してあって水飲み場がないというような場所であるとか、ほとんどの街区公園でまだまだトイレは設置されておりません。場所によっては、やろうと思ってもトイレの設置ができない箇所もあろうかと思いますけれども、そういう身近な公園から早急に整備を図っていっていただきたいと、このように思います。  私は、過去の議会でも公園の砂場の衛生問題を取り上げたことがありますけれども、その中でも必ず手洗いの励行をさせるとか、そういった話があっておりましたけれども、砂場があって水飲み場、手洗い場がないというのが、この資料の中では現に27カ所ぐらいあるんです。ですから、こういう所は、そんなに予算的にも莫大な費用は要しないわけでありますから、このあたりは早急に整備を図っていただきたい。この件については、もう一度、答弁をいただきたいと思います。  それから、南部地域の問題で磯道海岸の問題を取り上げておりますけれども、これは協議、会議も随分行われて今日を迎えているわけでありますけれども、これから事業化に向けて、どのようなことがネックになっておるのか。そんなことを具体的な問題として一つひとつ挙げながら、県市これは協議をしていっていただきたいなということがあります。  先ほどの答弁では、何ら今までの答弁と進展性があっておりませんけれども、私どもも地域を挙げて、この問題については県にも、ましてや長崎市に対しても陳情をしておりますけれども、多くの地域住民からのかつての要望でございますし、何とか県との早急な協議を持ちながら、具体的な項目について協議を進めていっていただきたいなと思います。  それから、深堀運河については、先ほど市長が知事の答弁を引用されてお話があっておりましたけれども、これは長崎港と網場湾を比較しますと、明らかに長崎港が汚れているということが数値的に出ております。それは公共下水道が進捗をすれば、その問題はだんだん解消ができるんではなかろうかという話もあっておりますけれども、もともとここは海があって空いておったわけであります。そのときには自然的な潮流があって、きれいな海だったわけです。ですから、地元の方々は「昔の本当のきれいな海に何とかならんのね」というような話があっておりますし、特に底質の調査の数値を見ますと、今申し上げましたように、網場湾と長崎港との比較を見ますと一目瞭然であります。だからといって、これは簡単にできる問題ではないと思っておりますし、今から長い期間をかけながら十分に検討していただきたいと、このように思います。  今、何点か申し上げた点について、ご答弁をいただきたいと思います。 14 ◯都市計画部長(坂本昭雄君) 街区公園のいわゆる砂場があって手洗い、水飲み場あるいは便所がない公園、私どもの調査では14カ所ございます。  これらにつきましては、当然、街区公園で、議員ご指摘のとおり、老人あるいは幼児、子供が利用しますので、私どもも全力を挙げて今後、有効な方策、あるいは設置可能な公園から鋭意取り組んでいきたいと思っております。  以上でございます。 15 ◯43番(江口 健君) それぞれに対して、先ほどから答弁をいただいておりますので、要望しておきたいと思います。  特に、地元の磯道海岸道路の問題ないしは深堀運河については、ただいまも申し上げたとおりでございますので、今後詰めた協議をですね、県との打ち合せの中でも、そういった具体的なことを持ち合いながら検討していただきたい。そして、一日も早い事業化が望まれておりますし、具体的には、調査費の計上をいつごろするのかということも課題として残ってまいりますけれども、そういうことを今後の協議の中で一つひとつ解消ができるようにやっていただきたいと思います。  以上で私の質問を終わらせていただきます。 16 ◯議長(中野吉邦君) 休憩いたします。  午後は1時から再開いたします。           =休憩 午前11時59分=           =再開 午後1時0分= 17 ◯副議長(下条文摩左君) 休憩前に引き続き会議を開きます。13番鳥居直記君。       〔鳥居直記君登壇〕 18 ◯13番(鳥居直記君) 自由民主党の鳥居でございます。  質問に先立ちまして一言お断りを申し上げます。通告をしておりました6項目のうち「被爆地域拡大是正」につきましては、後日、同僚重橋議員が取り上げますので、重複を避けて、私の質問から割愛させていただきますので、ご了承をいただきたいと思います。  質問通告に従いまして、市長の政治姿勢を中心に、それぞれお尋ねをいたします。市長の明快なご答弁を期待いたします。  伊藤市長は、4月の選挙で新しい県都長崎市の発展の方策として「市民とともに歩むまちづくり」、そして「長崎市の活性化」をスローガンに数々の公約を掲げられ、見事に初当選をされました。  また、6月初議会における施政方針説明の中でも「長崎市に住んでよかったとだれもが言えるふるさと長崎」を目指し、市の人口減少に歯どめをかけ長崎のまちを活性化するために「市政刷新・公平・清潔・積極的」の方針で市政運営に臨むと表明をされております。事実、6月議会の一次、今議会の二次補正予算の内容を見ても、それぞれ新しい施策への予算措置を講じており、新市長の市政に対する並み並みならぬ意欲を感じさせるものであります。  しかしながら、市長のこれまでのご所見の中では、あすの長崎市の具体的な未来像が見えてこないと感じておるのは、私だけではないと思います。  現在、本市も来年からの第三次基本計画の策定に着手したようでありますが、都市づくりの最も基本となるものは人口設定であるはずであります。あらゆる角度から検討を重ね、本市の適正人口を設定し、その数字に基づき種々の施策を長期的な視点に立ち、かつ計画的に推進することが何よりも肝要であろうと思料するものであります。  本市の本年7月現在の人口43万7,099人は、10年前の昭和60年7月31日現在の44万9,651人と比較して1万2,552人の減少となっており、毎年約1,250人ずつ減少し続けている計算になります。また、ピーク時の昭和60年1月末の45万732人からすると1万3,633人の減少となっております。今後の少子化傾向と高齢社会に向かって死亡者の増を考えた場合、減少傾向はますます加速する可能性があると思われます。  そこで、2点についてお尋ねをいたします。  市長は、本市の将来の適正人口規模をどの程度と認識をしておられるのか、具体的数字をお示しいただきたい。  2点目は、将来の適正人口を現在の本市の人口より多い都市を目指すとすれば、今後の人口減少への歯どめ策、あるいは人口増加策についての基本的な考え方をお答えいただきたい。  次に、財政問題についてお尋ねいたします。  国においては、先ごろ平成8年度予算の概算要求基準、いわゆるシーリングを発表いたしました。これによりますと、投資的経費は前年度比5%増とし、この中に3,000億円の公共投資重点化枠を設置した前年度の内容を基本的に継続しておりますが、経常的経費は一般行政経費を除き10%減、一般行政経費は15%減となっております。この結果、一般会計の概算要求総額は、平成7年度の当初予算に比較し11.6%増の79兆1,900億円に達する見通しで、税収など歳入見込みとの差、いわゆる財源不足が約9兆円と言われております。また、平成7年度末の公債残高が約216兆円に達する見込みで、我が国財政は、国債費が政策的経費を圧迫するなど構造的にますます厳しさを増しております。  このような厳しい財政状況は、当然のことながら本市にも多大な影響を及ぼすものと推測されますが、本市の平成8年度当初予算編成に当たっての基本的な考え方をお示しいただきたい。  次に、本市の中長期的な財政運営についてお尋ねをいたします。  本市の財政状況は、税収基盤が弱い上に公債費などの義務的経費は増高しており、国に劣らず厳しい財政状況にあることは市長も十分認識なされていることと思います。しかしながら、文化情報交流施設、科学館の建設事業あるいは市民総合プールの改築事業など数々の大型事業を手がけており、平成7年度の当初予算で見ても、投資的経費、中でも単独事業につきましては、地方財政計画の5%増に対し本市は35.9%と高い伸びを示しております。  また、財源不足の補てんとして、減債基金を平成6年度予算においては15億円、平成7年度当初予算においても25億円取り崩すなどの苦しいやりくり予算を編成しております。このことは、地域の活性化、都市基盤の整備などのためには不可欠なものであると認識しておりますが、将来の財政運営を考えますと大いに憂慮せざるを得ないのであります。  また、現在推進中の大型事業以外にも、今後、中央3小学校の統合に伴う学校の建て替え、市役所本庁舎あるいは市民病院の建て替えなど近々具体化し、取り組まなければならない事業が控えており、本市の財政状況は、より厳しさを増すものと思われます。  そこで、お尋ねいたしますが、現在策定中の第三次基本計画を踏まえた中長期の財政運営はどうなるのか。また、財政運営に当たっての市長の基本的な考え方はどうなのか、お聞かせをいただきたい。  次に、行政改革の取り組みについてお尋ねをいたします。  近年、ますます複雑多様化する行政需要に比例して、一般職の地方公務員総数も平成元年以降増加を続け、平成6年には328万人にも達するといった拡大基調にあります。本市においても、立ちおくれた社会資本の整備や高齢化・少子化社会への対応、さらには地方分権の受け皿づくりなど21世紀に向けて緊急に対応すべき多くの課題を抱えております。  しかしながら、私は、だからといって自治体組織が肥大化してよいと申し上げているのでは決してありません。逆に、そうした状況であるからこそ、自治体行政の仕事を本当に必要な範囲に限定し、簡素で効率的な執行体制の確立に向けて、これまで以上の取り組みが求められていると申し上げたいのであります。  確かに、本市にあっては、昭和58年11月に策定した行革大綱に掲げられた具体化方策やその他の効率化策を推進する中で、業務量の増や週休2日制導入にもかかわらず4,900人の正規職員を4,700人へと削減するとともに、国家公務員の給与水準と比較したラスパイレス指数についても、平成6年4月時点で県の数値を下回る103.4ポイントへと是正されるなど、この間、一定の成果を上げてきたことについては、それなりの評価をいたすものであります。  しかしながら、私は、基幹産業を初めとした地域経済の長期的な低迷や生産年齢人口の市外への流出など本市を取り巻く厳しい社会経済環境を見たとき、果たして、この間の本市の取り組みが本当に行政改革の名に値する十分な内容であったのかという疑問を持つものであります。例えば、平成5年度決算に基づく県庁所在都市の財政ランキングによれば、人件費や公債費、扶助費などの義務的経費比率は、46都市中、本市はこの5年間最下位の地位にあり、反面、投資的経費比率は下から2番目の45位に甘んじているといった惨たんたる状況であります。  市長も、このような厳しい現状認識のもとに、先月28日、行政改革推進本部を設置し、新たな行革への第一歩を踏み出されたものと思います。  そこで、次の2点について市長にお尋ねをいたします。  まず第1に、推進本部の設置を受けて、今後、全庁的な総点検作業に着手されるわけですが、その際の基本的な考え方についてであります。  本年6月に地方自治経営学会から出された「公立と民間とのコスト比較」の調査結果によりますと、民間に委託した場合のコストは、可燃ごみの収集でトン当たり46.0%、不燃ごみで45.1%、学校給食で55.2%、守衛業務で35.3%など直営から委託に切りかえることによる経済効果は明らかであります。さらに、サービスの内容についても、大半の自治体が「直営事業と民間委託に違いはない」と回答しております。  これらの調査結果を見ても、今後実施される事務事業の総点検作業の中で民間委託の推進は当然に検討されるべき課題であるかと思いますが、補助金等のあり方も含めて、第一次行革の実施過程の中で既に決着済みとされた事務事業についても改めて点検作業の対象とされるのかどうか、その点についてお尋ねをいたします。  次に、外郭団体のあり方についてであります。  本市においても、複雑多様化する社会経済情勢に対応し、拡大する行政需要に応えるため公共施設の一翼を担うものとして土地開発公社や都市整備公社、社会福祉協議会や社会福祉事業団など、さまざまな外郭団体が設置されております。しかし、外郭団体の一部においては、全面的に市から業務を受託し他と競争することもなく、市場原理も全く働かないことから経営感覚に乏しく、漫然と運営が行われていたり、また、プロパー職員の給与水準についても本市の職員と差異がなく、そのため委託をしても経費的なメリットに欠けるものがあるなど改善すべき課題が山積しているように見受けられるものであります。  そこで、今後の総点検では、市の執行機関にとどまらず外郭団体についても、ぜひ見直しの対象とする必要があると思われますが、その点について市長の見解をお尋ねします。  次に、給食問題についてお尋ねをします。  市長は、6月定例市議会において、同僚議員の質問に対し「本市の財政事情を勘案し、関係の団体等と協議しながら諸問題を解決して実施計画を早急に策定する」旨、答弁されました。私は、そのご意見に否定的な立場から私見を述べ、お尋ねをいたします。  中学校の完全給食につきましては、その実施状況を見ますと、全国的には60%を超える実施状況であり、また、九州の県庁所在都市における福岡市、大分市、熊本市、宮崎市、鹿児島市等では、その所管するすべての中学校で実施している状況であり、また、学校給食法を見ると、その第4条に「義務教育諸学校の設置者は、当該義務教育諸学校において学校給食が実施されるように努めなければならない」と規定されております。また、法施行に伴う関係通知には、適用範囲が中学生を含み、そして給食の実施形態は完全給食を示してあり、確かに中学校の完全給食の実施にかかる努力義務が設置者に課されてはおります。このように、中学校の完全給食の実施について、市長が積極的に取り組もうとされていることは、他市の状況及び法的根拠から一定の理解をいたすものであります。  しかしながら、私は、次のようなことから「今さら中学校の完全給食を実施することはいかがなものか」と疑問を持つところであります。その一つは、学校給食法制定は、昭和29年のことであり、制定当時の食糧事情の中で「いかに育ち盛りの子供たちの栄養の確保を図るか」といった視点においては意義ある制度であり、それなりの成果もあったことと考えます。しかしながら、豊かな食生活が国民生活に定着している昨今、果たして、その意義があるのかどうかということであります。  その二つは、弁当の有用論であります。確かに完全給食は家庭の弁当に比べ栄養のバランスが優れていることは指摘できます。しかし、家庭の弁当には親と子供の愛情の触れ合いがあります。親子関係の希薄化が叫ばれる今日、弁当持参の意義を大いに見直すべきだと考えます。弁当持参の効用はほかにもあります。中学生ともなると、その食事の取り方についても個人差・性差も著しくなり、食事の内容・量も一通りでは済まないのであります。学校給食では、このような個人差などに対応することには一定の限度がありますが、弁当だと個人個人のその日その日の心身の状態にまでもしっかりと対応できる利点があります。  市長、これまで申し上げた以外にも、中学校の完全給食についてはさまざまな異論があります。  私は、改めて市長にお伺いします。市長が中学校の完全給食について、どのような教育的意義を持っているのか、明快なご答弁をいただきたいと思います。  最後に、新県立大学問題についてお尋ねをいたします。  ご承知のとおり、高田知事は8月11日に2学部4学科からなる新しい4年制の県立大学を長与町に設置する方針を発表いたしました。この県立大学問題は、県立女子短大の4年制昇格と看護系大学の設置構想が一本化され、設置の形態と設置場所などが議論されてきたものであります。特に、設置場所につきましては、県立女子短大の敷地が狭く、現在地では物理的に対応できないため移転せざるを得ない状況であったことから、県内の4市1町が誘致合戦を繰り広げてまいりました。  本市も、この新大学構想は、基本的には現在長崎市にある県立女子短大の4年制への昇格移転であり、本市の将来的都市づくりの面からも、学術・文化の拠点として、また、若者が定着するまちづくりのためにも、さらには、その経済的な波及効果を考えても、ぜひとも市内存置を実現させたいとして、伊藤市長も6月議会で候補地を田上・星取地区に絞り、7月10日県に提示するとともに、8月4日市選出県議らにも協力を要請するなど意欲的に誘致活動を展開し始めた矢先に、県は8月11日、全く唐突に長与町設置を発表したのであります。その後、本議会もこの決定を不服として再考を促す要望書を県に提出した次第でありますが、市民の中には、長与町設置の決定そのものについては、大所高所に立った県の判断は万やむを得ぬ決定であったと一定の評価をする人が多いのもまた事実であります。  以上の経過を踏まえ、以下、2点を指摘し、市長のご所見を賜りたいと思います。  伊藤市長は、今日までの県市の冷めた関係を反省し、その関係修復のために人事交流を行うなど大変な努力を払ってきたことについては、私も大いに評価するところであります。にもかかわらず、県の今回の決定の経過は、伊藤市長、そして我々長崎市民を無視した余りにも無礼な行為だと思います。市長は、この一方的な県のやり方に対して、どう考えておられるのか、率直なお気持ちをお聞かせいただきたい。  もう一点は、本市の情報収集能力に問題がなかったかということであります。一部マスコミでは、正式発表に先立ち、8月8日付の新聞紙上に位置図入りで長与町設置を報じられております。ニュースソースは定かではありませんが、正式発表の数日前には、もう決定事項として報じられていることを考えたとき、本市の情報収集能力に疑問を持つのであります。問題に真剣に取り組み、県と絶えず連絡を取り合い、率直な意見交換を重ねていっておれば、今回の決定までの流れも事前に情報を得られたのではないかと思うわけであります。  同様の問題は、今後とも起こり得るものだと考えられますので、この際、問題解決へ向けての市の基本姿勢と情報収集のあり方について、お伺いをしたい。  以上、2点についてお尋ねをして、本壇からの質問を終わります。=(降壇)= 19 ◯副議長(下条文摩左君) 市長。       〔伊藤一長君登壇〕 20 ◯市長(伊藤一長君) 鳥居議員のご質問にお答えをさせていただきたいと思います。  まず、適正な人口規模の問題につきましてお答えをさせていただきます。  長崎市の人口は、平成7年7月末現在、鳥居議員ご指摘のように43万7,099人で、ピーク時の45万732人から、この10年余りで1万4,000人近く減少しております。人口の構成についても、15歳未満の年少人口は、昭和60年の国勢調査時には9万6,866人だったのが、平成6年12月末には7万5,936人で2万人以上減少しております。一方で、65歳以上の高齢者人口は4万6,013人が6万5,393人と1万9,000人以上増加しており、人口減少に加えて少子化と高齢化が同時に進行している状況であります。  一方、長崎県全体を見てみますと、8月11日に自治省が発表した住民基本台帳に基づく平成7年3月末の全国人口動態調査によりますと、前年より人口が減少した都道府県は、長崎県を含めてわずか7都県であり、一極集中の是正の動きが進んでいる東京都と阪神大震災の影響がある兵庫県を除くと、本県が減少数、減少率ともに残念ながらトップの値を示しております。  このことは、他県ではUターンや人口定着の受け皿として県庁所在都市を中心とする都市圏に人口が集中することによって、県全体の人口増加が図られているものと考えられますが、本県においては、県都である長崎市の人口減少が都市圏及び県全体の活力の低下をもたらし、結果的に全体の人口減少を招いているのではないかと考えられます。このまま人口減少と少子化、高齢化が進んでいけば、将来的に都市の活力の低下や市の財政力の低下が生じ、都市経営において非常に厳しい状況に直面するのではないかと危惧をしております。  そこで、現在策定している第三次基本計画では、人口減少の歯どめを本市の重要課題の一つに位置づけて職・住・遊・学のバランスのとれた魅力あるまちを整備するための総合的な行政施策を展開することより、人口減少に歯どめをかけ、さらに、長期的には人口増加へ転じていくことを考えております。  さて、本市の人口規模を最終的に何万人にしていくのかというお尋ねでございますが、これは昭和59年に策定されました基本構想でも示しておりますように、50万人を私としては目指してまいりたいと考えております。  その理由は、1つには、県庁所在都市の発展が県全体の浮揚を図ることにつながるため、本市が県都としての役割に見合う中核的機能を果たすための規模と能力を備える必要があること。2つには、本市が西九州を代表する地方中核都市として経済・文化・行政・保健医療・教育などの分野での中枢管理機能を維持していくためには、各種サービスの提供を支えるための人口集積が必要であること。3つには、九州内の拠点である福岡都市圏や熊本都市圏と共存して繁栄できるような個性豊かな国際都市圏を目指すためには、都市圏の核としてふさわしい人口規模を備える必要があることなどからであります。  次に、人口減少への歯どめに対応する具体的な方策につきましてお答えさせていただきます。  人口減少への具体的な対応策ですが、最近の転出先の状況を分析すると、大きく2つのパターンがあると考えられます。1つは、就労先及び大学等の進学先として九州内では福岡県へ、次に首都圏への転出が起きていること。2つ目は、就労先や通学先は長崎市のまま、住居だけを近隣市町に求めて転出するという傾向です。  このような現状認識を踏まえ、今後、人口減少に歯どめをかけるために、私は、生活の場、働く場の充実といった視点で対策を講じる必要があろうかと考えております。  まず第1に、人口の受け皿対策としては、市内での住宅取得難を解消するため公営住宅の建設を推進するとともに、適正な宅地造成の誘導を図ることで良好な住宅を供給してまいります。また、斜面市街地の住環境を総合的に整備するとともに、中心市街地の再開発を促進することで職・住近接した住宅を供給し、中心市街地への人口の呼び戻しを促してまいりたいと考えております。  第2に、雇用の確保を図るために地場産業の育成強化を図るとともに、観光、コンベンション、都市型リゾートの分野での新たな起業化を図る必要があります。特に、観光・コンベンションの分野では、県市が一体となって進めておりますナガサキ・アーバン・ルネッサンス2001構想におけるコンベンション施設の整備等を促進するとともに、既存の観光施設とのネットワーク化を図り、新たな観光・コンベンションの拠点となる都市型施設の整備を計画的、積極的に進めてまいります。  また、長崎コンベンションビューローと長崎市観光協会の一本化による機能強化などソフト面での充実強化もあわせて推進してまいります。  第3に、都市の活性化の源となる若者層の定住化を図るために、既存の短大や大学等の拡充を図るほかに、新たな高等教育機関の市内誘致などに向けましても、今後、検討努力を傾けてまいりたいと思います。  このような施策の展開を行いながら、本市の居住環境の向上と産業の活性化を図り、安全で快適な生活の場、魅力あふれる働く場の創出を行うことで人口減少に歯どめをかけ、さらに、交流による昼間人口の拡大をも目指してまいりたいと考えております。  次に、平成8年度予算編成に当たっての基本方針につきましてお答えさせていただきます。  平成8年度の予算編成方針につきましては、現在、国の概算要求総額が締め切られたところで、具体的な国の編成方針は出てきておりませんが、本市を取り巻く財政環境は、先ほど鳥居議員ご指摘のように、国、県と同様に大変厳しいものがございます。  歳入におきましては、市税の伸び悩みに加えて、平成6年度国税減収に伴う精算減等により地方交付税も減の見込みであり、また、歳出におきましても、人件費、扶助費、公債費等のいわゆる義務的経費の自然増加が確実に見込まれます。したがいまして、平成8年度予算編成方針はかなり厳しいものにならざるを得ないと思われます。しかしながら、長崎市の活性化を図るためには、都市機能の強化や産業振興などの施策が不可欠であります。そのことがひいては「魅力ある長崎の創造」「若者が定住できるまちづくり」につながるものと考えております。  そこで、現在、平成8年度を初年度とする長崎市総合計画第三次基本計画を策定中でありますが、その中で、私の基本政策である「市民とともに歩むまちづくり」「長崎市を活性化する施策」を積極的に推進するとともに、地方分権の流れを的確に把握した総合行政の積極的展開の視点に立ち、平成8年度予算編成に向けて私の政策を具体的に盛り込むよう努力してまいりたいと考えております。  財政面では、自主財源の確保はもとより、国の対応を見極めながら施策の全般にわたって、その緊急性、優先度などについて総合的に点検を実施するとともに、地域総合整備事業債などの財政上有利な地方債の活用を図り、施策の実現に向け努力してまいりたいと考えております。  次に、中長期の財政運営についてでございます。本市の財政状況は、先ほど申しましたように、税収基盤が弱い上に公債費、扶助費などの義務的経費は増高しており、依然として財政状況は極めて厳しい状況が続いております。  このような財政環境にあって、長崎市総合計画第二次基本計画に基づく大型事業を取り組んでの中長期的な財政計画ではかなりの財源不足が生じております。しかしながら、これらの事業は市民生活に不可欠なものであり、地域経済の活性化や魅力あるまちづくりのため避けては通れない課題であります。  このためには、国・県の補助事業としての採択を積極的に要望するとともに、単独事業につきましては、公債費比率及び起債制限比率の動向を考慮しながら財政上有利な地方債であります、ふるさとづくり事業などの地域総合整備事業債を積極的に活用し事業の推進を図ってまいりたいと思います。また、財源不足に対する措置としましては、市税等の自主財源の確保により一層努めるとともに、経費の徹底した節減・見直しを行った上で、なおかつ不足する財源につきましては、減債基金等の取り崩しによる収支の均衡を図り、施策の実現に努める所存であります。  なお、第三次基本計画の策定につきましては、現在、策定作業中でありますが、策定の基本的な方針としては、現在実施している施策や事業について、新たな視点で優先度や緊急度の見直しを行うとともに、私が施政方針の中で述べた施策の実現に向け一定の整理を行って基本計画の中に体系づけ、計画的に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、行政改革への取り組みについてお答えをさせていただきます。  私は、市長に就任して以来、この間の執務を通じて本市が非常に多くの課題を抱えていることを今さらのように痛感をしております。これらの難問を解決して、市政を、そしてふるさと長崎の発展を期するためには、何といっても簡素で効率的な執行体制の確立が急務であると考えております。  そこで、先月28日、長崎市行政改革推進本部を11年ぶりに設置し、行政改革の推進に向けた、言いかえれば新しい市役所づくりに向けた本格的な取り組みを始めることといたしました。この推進本部の第1回目の会議の席上、私は、各部局長等からなる本部員に対し、行革の推進に向けた積極的な対応を強く指示するとともに、効率的な行政運営の展開を図るため先頭に立って総点検作業を行うよう要請したところであります。  さらに、事務事業の見直しについては、民間活力の積極的な導入を図るほか、常にスクラップ・アンド・ビルドの原則のもと、人員の増や組織の肥大化の防止に努めること。また、限られた人員を有効に活用しつつ、市民サービスを低下させないためには、職員の能力を最大限に引き出し、職務遂行能力の向上を図る必要があることなどを指示したところであります。  なお、今後の総点検作業においては、前回の行政改革で一定決着したものとみなされる補助金等を含む事務事業についても、社会経済環境の変化を受け、新たな視点に立ち、再度見直しの対象として検討を進めることといたしました。  私も、本市の厳しい行財政環境の中で、21世紀に向けた新たな行政施策の展開を図るためには、市民福祉の増進を目指し、最少の経費で最大の効果を上げることとされた地方自治法の原点に立ち返り、不退転の決意を持って対処してまいりたいと考えております。
     次に、行政改革における外郭団体に係る取り組みについてであります。  本来、外郭団体は、行政の公共性と企業の効率性という特徴を生かして、行政との連携のもとで効率的な事業展開を図ること。また、その事業運営に当たっては、柔軟で弾力的な方法により、きめ細かな市民サービスを提供することなどを目的として設立されるべきものであります。  そこで、外郭団体の設立の目的及び趣旨に照らして、各団体ごとに現状を検証するとともに、派遣職員数や財政支援の増加といった問題が、本市の行財政運営に少なからぬ影響を与える存在となっているものについては、今後の推進本部の総点検作業の中で、外郭団体の本来のあり方について再点検を行い、効率的な執行体制の確保に努めてまいりたいと考えております。  次に、中学校における完全給食実施の問題点につきましてお答えをいたします。  中学校の完全給食については、確かに議員ご指摘のように、弁当有用論等賛否両論がございますが、私は、中学校の完全給食につきまして、その意義を次のように考えております。  まず第1に、学校給食法に基づく学校設置者の努力義務を果たすという点です。義務教育の完成を目指す上で中学校の完全給食の実施は避けられない条件であると考えております。  第2に、九州各県の県庁所在都市においては、既に本市と佐賀市を除いて中学校の完全給食が実施されており、また、本市においても、既に東長崎中学校、三重中学校、橘中学校、日吉中学校、南中学校というように5つの中学校で完全給食を実施しております。こういった教育環境の不均衡を解消するという意義があろうか存じます。  第3に、飽食の時代といわれる昨今、正しい食生活が危惧される中、学校給食は、次代を担う中学生の正しい食生活習慣の定着を図る上で大変意義ある教育活動であるということです。  第4に、学校給食は、単に昼食を供するということばかりではなく、給食の準備、後始末の活動により生徒間の自主、協同の精神をはぐくむ絶好の体験学習の場でもあります。  最後に、私は、公約に中学校の完全給食の実施を掲げましたので、その実現に向けて努力すべきものと考えております。  以上を中学校の完全給食の意義として認識しておりますので、何とぞ、ご理解方をよろしくお願い申し上げたいと思います。  次に、新県立大学の問題につきましてお答えをさせていただきます。  新県立大学問題につきましては、議員ご指摘のとおり、もともと本市にある県立女子短大の4年制への昇格構想に端を発したものでありますので、本市といたしましては、4年制構想が出された時点から、その市内存置を県へ強く要望しており、県と協議を重ねる一方、市議会とも連携して陳情を行うなど強力に働きかけを行ってきたところであります。  県立短大の現在地での拡充が敷地狭隘のため物理的に無理であることから、最終的に県からの条件を満たす候補地として田上・星取地区を挙げ、あわせて現短大跡地を鳴滝地区のまちづくり計画のために取得する方針として、この両者をセットで進めることで県立短大の円滑な移転・拡充ができ、また市民の皆様にもご理解いただけるものと確信していたところであります。  県側が危惧していた平成11年4月1日開学時期に間に合うかどうかという問題もクリアできる見込みが立ち、本市選出の県議会議員の皆様にもご説明をし協力をお願いしていたところでありますが、県が、このたび長与町への設置を発表されたことにつきましては、私としては断腸の思いでまことに残念の極みの一語でございます。  県が長与町との比較の中で土地の面積や地形、価格、周辺の環境対策などを重視して決定したとしたら、大学の立地場所としての本市の優位性と跡地利用と地元対策まで考慮して総合的に対応しようとした本市の意図を十分に理解してもらえなかったことにつきましては、まことに私は、私の力不足も含めて残念に思う次第であります。  今回の県の決定に至る経過につきましては、理解できない部分もございますが、今後、このような重要な都市施設を移転し、地元自治体の政策に重大な影響を与える場合には、当該自治体と十分協議されることを望んでおります。  なお、本市の情報収集機能が不十分ではなかったのかというご指摘につきましては、この問題の性格上、県との協議の中でも本市の候補地についての立地適性を主張したもので、他都市との比較は差し控えたという経過がございます。  県との関係におきましても、構想時点から要望を行い協議を重ねてきたもので、本市としては、十分地元市としての意思を理解していただいたものと思っておりました。ただ、ご指摘のように、県との意思の疎通や情報収集については、結果としては十分ではなかったということも事実であったろうと思いますし、私自身も反省をしているところでございます。  今後は、すべての面において、新しい三役体制のもとで率先して県へ働きかけをし、県の考え方を早めに聞かせてもらいキャッチするなどして、本市の意思が十分に生かされるよう心がけていく所存でありますので、ご理解方をよろしくお願い申し上げまして、本壇よりの答弁とさせていただきます。=(降壇)= 21 ◯13番(鳥居直記君) それぞれお答えをいただきましたが、要望なり再質問をさせていただきたいと思います。  人口問題については、市長から就任後初めて具体的に50万という数字をお聞きし、非常に意欲的な数字を示していただいて心強く思っておるわけでありますが、先ほど市長もご答弁の中で言われましたように、実は、この50万という数字は、昭和59年の基本構想の中で50万を目標にしておるわけです。その基本計画では59年度から平成2年度までとして47万1,000人を目指してやってきたわけですが、これが達成できずに、平成3年度から7年度までの第二次基本計画では45万人に修正をしてきた。そういう中で、さらに修正した数字も割り込んで、今は43万台という実態であります。  今、市長が歯どめ策あるいは増加策についてもいろんなことを具体的に述べられましたので、余り申し上げませんが、よほど綿密な計画を立てて取り組んでいかなければ、こういった状況がますます加速するのではないかというふうに懸念をするわけです。しかし、今、市長が言われたことを具体的に一つひとつ積み上げていけば、近い将来50万という数字も決して夢ではないと思いますので、私は、その市長の意欲にかけたいというふうに思います。  次に、財政問題についてでございますが、確かに8年度予算編成については、厳しい財政状況ではあるが、市長ご自身の政策を織り込んだ積極的な予算を編成したいということでありますので、大いにこれは期待するところであります。  ただ、中長期の計画についても、壇上で申し上げましたように、これは引き続き、大型事業を取り込んで継続中でありますので、大変な厳しいやりくりになろうかと思いますが、特に注意をしていただきたいのは、公債費比率、それから起債制限比率です。もう既に起債制限比率も14%近くになっておるということで、15、16%になれば国の教育的な指導がくるということも聞いておりますし、間近にきているような状況でありますので、大変ではありますが、ここら辺に十分配慮をしながら財政運営に当たっていただきたいというふうに思います。  そういう中で、どうしても行革をやらなければどうにもならないのではないかという気がいたします。  先ほど不退転の決意で行革に取り組むということでありますので、大いに期待したいところでございますが、具体的には今、推進本部を設置したばかりで、来年の行革大綱の策定に向けて取りかかったばかりでありますので、細々したことは返事できないと思いますが、58年に策定しましたいわば第一次行革といいますか、相当積み残した部分があるんですね。  特に、現業部門で当初計画からしり切れトンボになっている状態が相当あるんです。例えば東工場の施設整備士、これは当初の削減予定数は35名に対して17名、これも今、土曜閉場の問題でいろいろ議論されておりますが、きょうは、従来どおりでいくということでありますので、それはそれで後日、また議論をいたしたいと思いますが、ここも当初どおり民間委託をしておれば、こういった問題にはならなかったのではないかという気がいたします。  それから、ごみ収集の運搬についても62名の削減計画に対して46名、道路維持の都市整備士については59名の予定に対して21名、市民病院のボイラー技師は4名が0、学校給食については122名に対して56名、本庁の守衛にしても13名に対して7名と、こういうふうに腰砕けになってしまって、これは一つには、第一次行革大綱が期限を切らなかったということがしり切れトンボに終わった最大の原因であろうかと思いますが、ここら辺を踏まえて、ぜひ期限を切った行革大綱を策定していただきたいと思います。  私は、基本的には、現業職については完全な民間委託をしてもいいのではないかというふうに思います。特に、その中で清掃部門、市長も心の中では恐らくこの部門も考えておられるんだろうと思いますが、私もこの際、ぜひ清掃部門の全面委託ということもこの際十分考えて、できれば取り込んで策定をしていただきたいというふうに思います。  財政状況を考えますと、どうしても大胆な行革を行わなければ長崎の明日はないというふうに考えます。市長からご答弁の中で大変意欲的な答弁でありましたので期待をいたしております。そういう中でも、組合対策が一番大変であろうと思います。特に事務担当の江口助役、総務部長は大変でございますが、ぜひ立派にやり上げていただきたいと思います。ほかの部長さんもしっかりフォローをしてあげていただきたいと思います。皆さんも推進本部のメンバーとして名を連ねておられるわけですから、一丸となって行革に取り組んでいただきたいということを要望しておきます。  基本的に、現業部門を委託してはいかがかということについては、ぜひご答弁をいただきたいというふうに思います。  それから、学校給食についてです。市長の考え方は理解しておるつもりでありますが、先ほど理由を幾つか申し述べられましたけれども、いま一つ説得力に欠けるのではないかというふうに思います。学校給食法は、先ほどから言いますように、昭和29年に制定されましたが、この学校給食法というのは後追いで制定をされておるんですね、調べてみましたら。戦後の食糧難の時代に何とか子供たちの飢えを満たしてあげなければいけないということで、自治体が自発的にあっちこっちで給食を始めたわけですが、このままではいけないということで、この学校給食法が後追いで制定されたということであります。  したがいまして、そういった状況の中で、これは制定をされておるわけですから、私は、これに拘束される必要はないのではないかというふうに思います。  それから、2点目のほかの都市もやっておるからということでありますが、40年たって、ほかの都市がしておるから今、これから長崎もやるんだと、しかも、市長が5つの中学校を言われましたが、みんな後に長崎市に編入した所ばかりで、既に、そのときに中学校において給食を実施しておった所、それが現在、もちろんやっておるというところであります。確かに、教育環境の均等化といいますか、そういった面からの配慮も必要かと思います。それにしても、ちょっと説得力に欠けるのではないかというふうに思います。  それから、正しい食生活、これは小学校のときから給食はやってきておるわけで、これは家庭教育の範疇ではないかと思いますし、今ここで改めて、それがために給食をやるというのも、私は納得がいきません。  それから、体験学習ということでありますが、給食を食べるのが体験学習というのでしょうか。昼飯をつくるということであれば体験学習ということが言えると思いますが、食べるというのを体験学習というのは、これはこじつけといった気がいたします。  一番説得力があるのは、市長の公約だと、これが一番説得力がありますけれども、これについても、どういった方とお話をされたかわかりませんが、例えば市長を支援されたお母さん方が、教育的な立場から「教育のために学校給食を」ということであれば、私はそれは賛成してもよろしいんですが、多分に「何とか中学校を学校給食にしてくれれば私たちは助かる」という感覚の支援ではなかったかというふうに思うんです。  したがいまして、これについても、市長が公約を大事にされるという姿勢は、それは私も大切にしなければないけないというふうに思いますが、40年たった今、改めて、それでも中学校で給食をやらなければいけないのか。これについても再度、くどいかと思いますが、お尋ねをしたいと思います。  時間がありませんので、急ぎ足でやりますが、新県立大学問題、これは私どもの議会も全会一致で再考を促す要望書を県に渡しておりますが、私は、現実の問題として、これは認めざるを得ないのではないかというふうな気がするんです。しかし、私も県の決定については、やむを得ないのかなというふうな気がいたしますが、ただ、この経過については、どうしても納得がいきません。  私は、伊藤市長はもっと厳しく県に物申したいんでしょうが、なかなか立場上、言えないというつらい思いはわかるんですが、しかし、県市の健全な関係を構築していくという上では、言うべきことはぴしっと言える形で、そういう関係を築いていただかなければいけないというふうに思います。  そういう意味で、どこかできちっとしたけじめをつけて、そして、いつまでもこれにこだわるよりも、むしろ、跡地の問題であるとか、そういったことに前向きな取り組みをされた方がいいのではないかというふうに思います。  なおまた、情報収集力の不足は、余り言えば県からおいでになったお2人を追い込むことになりますので、深追いはいたしませんが、2人のこれからの役割というのは重大だと思います。これから県と協議をしなければならない重大な問題はたくさんあります。そういった中で、助役さんと収入役さんの役割で本当に大きな責任を果たしていただかなければならないわけですが、十分に自覚をしていただいて、これから正確な情報をより早く収集をしてきちっとした対応をしていくということを心がけていただかなければならないと思いますので、十分そこら辺は肝に銘じていただきたいというふうに思います。  以上、時間がありませんので、お答えをいただける分だけで結構ですから、よろしくお願いいたします。 22 ◯総務部長(内田進博君) 行革の件についてお答えをいたします。  1点目は、期限を切っての行革をしたらどうかというご提案でございましたが、私どもも今回は、大体5年サイクルでの期限を切っての行革ということを考えております。  それから、2点目の現業部門につきましては、民間委託をしてというようなことでございます。この辺についても、現業部門も含めまして、その他の事務事業の見直しの中で、特に民間活力の導入という点から許認可の権限あるいは人事、財務管理など委託になじまない業務以外のものをすべて事務事業の見直しの対象として検討を図っていきたいと、かように考えております。  以上でございます。 23 ◯教育長(五貫 淳君) 中学校の完全給食につきましてお答えを申し上げます。  ご指摘がございましたように、いろいろ論議はあるものの、私どもといたしましては、現在、教育委員会内部で検討委員会をつくって調理方式あるいは施設設備の問題等々につきまして具体的な検討を行っておる段階でございます。  この中で一番問題になるのは、ご指摘にもございましたが、多額の経費を伴わずに最少の経費でいかに効率的に給食を実施するかということが重要だと思いますので、そういう点を念頭に鋭意検討している段階でございますので、ご了承いただきたいと思います。 24 ◯13番(鳥居直記君) まだ申し上げたいことはたくさんあるんですが、時間がありませんので、委員会等で、ぜひまた論議させていただきたいと思います。  これで私の質問を終わります。ありがとうございました。 25 ◯副議長(下条文摩左君) 次は、25番井原東洋一君。       〔井原東洋一君登壇〕 26 ◯25番(井原東洋一君) 日本社会党の井原東洋一であります。  5月に続いて、8月に行われた中国の核実験及び昨日のフランス核実験に強く抗議し、核廃絶の実現まで断固とした姿勢と行動を皆さんとともに続けてまいりたいと思います。  さて、16年ぶりに長崎市政へ新しい風をもたらされた伊藤市長に対する市民各位の期待は、4月の選挙結果で明らかでありますが、就任以来4カ月余、国連軍縮会議、天皇皇后両陛下のご来崎、被爆50周年の各種行事、中国及びフランスの核実験に対する抗議と中止要請に加え、時宜に応じた具体的なアピール、またセントポール市との姉妹都市提携40周年記念親善訪問など、平和行政、民間外交など数多くの大きな課題に真剣に取り組まれ、また伊藤市長就任後、本市人口が増加の傾向を見せるなど順風満帆の船出の満足感に浸っておられるのではと思います。  しかし、さきのアメリカに限っての艦艇入港受け入れ発言の不自然さ、県主導ではないのかとの疑問も投げかけられた三役人事の推移、県立女子短大の4年制昇格に伴う長崎存置への見通しの甘さ、加えて、公約ではなかったのかと思われるごみ行政の改善、ゴルフ場建設計画の見直し問題など、その姿勢がトーンダウンしている感じを免れないとき、「あぁ、やっぱり並みのバランス感覚なのか」と、伊藤一長さんのフレッシュさとポリシーと強力な指導力を期待した人々の間に一抹の失望感が漂っていることを看過してはならないと思うのであります。  長崎市政を再生するには、「いっちょ変えよう」では不十分であり、確固たる指導性を発揮して長崎市をつくりかえるつもりの不退転の決意で当たらなければ「いっちょん変わらん」との批判が先行するおそれなしとはしないのであって、私はそのことを心配いたします。  さきの同僚議員の質問への答弁に積極性を一部うかがうことができましたが、まさに出発点の今が大切であり、行政執行上の政治感覚と姿勢について、若干の質問をいたしますので、何期、何年間でやり上げるかの決意も含めてご答弁をいただきたいと思います。  まず1番目は、市長の政治姿勢についてであります。  1つ目は、公共工事等入札の透明性の確保についてであります。  市が発注する工事は年間1,600件を超えており、委託や資材購入などを含めれば数千件に達し、市との取引登録業者数は、工事及びコンサル企業だけを見ましても2,200社(団体・個人)を超えていますが、ほかの自治体等における談合事件等により、この2カ年間に長崎市が取引を停止した業者43社もこの中に入っているのであります。  公平・公正を期すべき入札の透明度を向上させるため、市長は、どのように措置されたのか。  また、今後、一般競争入札について、どうされるのかをお尋ねいたします。  2つ目は、公・私の区別についてであります。  冠婚葬祭など知・友人との交際関係から私人として出席すべき会合も多いと思いますが、市長は、公人の最たるものであり、だれしも市長の出席や参加を願いたいのが人情であります。しかし、市長が市民の要望すべてに応えることは物理的に不可能であります。  そこで、公・私の区別、とりわけ公用ではない会合などへの出欠について、どのような考え方を持って判断され、市長として市民への公平性を保たれるのかを質します。  3つ目は、市民の陳情への対応についてであります。  市民や各種団体から市長に対する陳情や要望は枚挙にいとまがなく、その一つひとつに丁寧に対応することは、市長の庶民性あるいは行政サービスといえる面があるかもしれませんが、市長の政治判断によらなければ解決のめどが立たない問題ならば別として、大半は助役や担当部長以下で責任をもって対処してもよいのではないかと思います。この点、政策と能力を備えた職員の育成に重点を置かれる政治家として、また、行政責任者としての市長の基本的な考え方を質します。  4つ目は、天下り人事に対する見解であります。  一般的に上級官庁の退職者受け入れや市の関係団体あるいは市との取引関係を有する民間企業団体等への再就職あっせんなどを天下りと称するならば、長崎市役所において、その数はおよそ何名なのかを明らかにしていただたきい。  経験と知識の豊かな人材が退職後も適所で活躍していただくことは悪いことではありませんが、市に関係の深い各種団体や協議会や公社へ一定のローテーションをもって、当然の既得あるいは慣行となっているとすれば、必ずしもよいこととは言えないと思います。失業率3.2%で完全失業者190万人を超えると報道され、新規採用ゼロの社会情勢にあり、大学卒女性にとっては「超氷河期」と言われております今日の状況下にあって、退職職員等の再就職、いわゆる天下りについて、市長はどのように考えられているのかを明らかにしていただきたいのであります。  5つ目に、主要施策における構想、計画、実施中事業の見直しについてであります。  文化情報交流施設、国際文化会館、科学館、市民総合プール、総合運動公園、諏訪体育館などの大型施設建設は、平成9年度までメジロ押しで進められており、その総事業費は、現時点でも487億円の巨額に達し、一方、これら事業完成後の年間運営経費は、この6つの施設だけでも10億円を超えるものと見込まれています。  これに加えて図書館・博物館・美術館建設、道路交通ネットワーク整備、市民病院の再建、築町市場跡地の実施計画等も喫緊の課題であり、福祉行政などハード・アンド・ソフト事業の充実も重点施策であります。  したがって、市長は、現在計画あるいは進行中の事業についての見直しをどうされるのか。特に、いこいの里計画のうち、第三セクターにかかわるゴルフゾーン及びレジャーゾーンについては、各地のテーマパークの低迷やゴルフ場に対する社会環境と経営収支にみる採算性からして早急に計画変更すべきだと考えますが、市長の決断はいかがでしょうか。  6つ目に、自治会の役割評価と行政支援についてであります。  今日、長崎市内の自治会数は、連合自治会として60、単位自治会は765を数え、加入世帯は14万200世帯余でありますが、市の全世帯に占める加入率は約82%であります。自治会に二重加盟している世帯もありますので、加入率の実態はもっと低く、70%程度の町もあります。  近年、高齢世帯やひとり暮らし、学生や単身赴任者用ワンルームマンションの増加などの実情から自治会へ加入しない世帯がふえる傾向にあり、地区近隣のコミュニティ関係もうまくいかず、防犯、防災、ごみ問題、車両・バイクの放置など生活マナーの不徹底に悩まされている現実があります。  一方、市は、自治会を当然のパートナーと考えているのか、相当の行政事務を負担させております。もっとも配布物の配布手数料支給、自治会活動保険料の一部援助、掲示板建設費の一部負担などを制度化しておりますが、果たして現行のままでよいと考えておられるのかどうか、承りたいと思います。  2番目は、文化行政についてであります。  我がまちの歴史から都市活性化と発展のキーポイントに、私は、文化発信都市であるべきことを訴え続けてまいりました。緒についた出島史跡復元計画の着実な進展に加え、写真・彫刻・音楽の国際的コンクールを主催できないかということであります。  上野彦馬、富永直樹、山口修、山下和仁と並べてみると、既に世界に名の通った人々であり、我が長崎市の大きな誇りでもあります。それはビエンナーレでもよい、トリエンナーレでもよい、あるいは4年に一度のドクメンタでもよいが、企画、実行で「待ちの長崎」から「行動の長崎」へ脱皮しなければならないと思います。  そのためにも、文化情報交流施設の名称あるいは愛称を早く募集し、運営体と責任者を決めて建物完成前から要員を配置し、準備にかかることこそ重要な仕事の一つであると考えています。世界を視野に置いたコンクールの財源は、当面、グラバー園収入9億円の20%を充てることはできないか、市長の英断を望むものであります。  3番目は、土木行政についてであります。  まず、主要幹線道路の重点整備についてであります。  都市機能を強化するための交通ネットワーク実現を目指し、地域に密着した幹線道路の重点的な事業推進を図るとする市長の方針に賛成でありますが、さて、どの路線を重点とされるかについて、2、3例示していただきたいと思います。  2つ目は、歴史探訪路事業の継続についてであります。  歴史性を生かした文化施設とも文化的施策ともいえる道路事業の歴史探訪路整備について、引き続き充実を図る方針を明らかにしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  3つ目は、土木施設文化遺産の掘り起こしについてであります。  市内の土木施設等について、文化財として価値あるもののリストアップを考えるべきだと思いますが、その作業状況はどうなっているのか、あわせてお伺いいたします。  最後に、東長崎地域の都市構想について質問いたします。  市の統計によれば、本年7月末現在で東長崎地区の人口は1万425世帯、3万2,540人、日見地区では3,794世帯、9,440人となっており、両地区を合わせると1万4,219世帯、4万1,980人であります。これは長崎市全体のおよそ10%程度に当たり、既に松浦市、平戸市、福江市及び島原市の4万1,600人の人口を上回っているのであります。現在、大型住宅団地が幾つも構想、計画されており、それらが完成をみると、将来は8万から9万都市が推定されているのであります。  今、東長崎土地区画整理事業、橘湾水産総合開発、中尾ダム、田の浦浄水場、九州横断自動車道、九州電力変電所などが、それぞれ建設中もしくは着工準備中であり、松原地区の田園居住区整備の計画策定も急がれています。  そこで、市長は、この東長崎を快適なまちとして発展させるためには、そして、長崎市全体の発展に資するためには、どのようなグランドデザインあるいはマスタープランを持っておられるのか。整備すべき公的機関あるいは都市施設、道路交通網の整備、防災、港湾整備、高等教育機関の誘致、文化施策などを含めてのご答弁を承りたいと思います。  市長のご答弁は結論から先に、丁寧過ぎず簡潔に、私の再質問の時間を残すことを十分配慮いただきまして、以上、壇上からの質問を終わり、必要によっては、自席から質問を行いたいと思います。  ありがとうございました。=(降壇)= 27 ◯副議長(下条文摩左君) 市長。
          〔伊藤一長君登壇〕 28 ◯市長(伊藤一長君) 井原議員の質問にお答えをさせていただきたいと思います。  質問が多岐にわたっておりますので、若干時間がオーバーすることは、お許しをいただきたいと思います。  まず、第1点の公共工事等入札の透明性の確保につきましてお答えさせていただきます。  我が国においては、明治33年に指名競争入札制度が創設されてから約90年にわたり、地方公共団体の公共工事の入札・契約制度としては指名競争入札が基本でありました。しかし、一部の地方公共団体において、公共工事をめぐる不祥事が発生をし、公共工事の構造に対する社会的な批判が盛り上がり、公共工事の入札・契約制度のあり方が問われております。  このことを受けて、建設業法に基づく中央建設業審議会の建議及び自治省からの「入札・契約手続き及びその運用の改善」について早急に推進する要請を受け、本市といたしましても入札制度検討委員会を設置し、一般競争入札等の活用を図ることとし、いわゆる制限付き一般競争入札を採用し、平成5年度から試行を実施しているところでございます。  また、指名競争入札における透明性及び公平性の確保を図るため、指名基準をさらに具体的に補完するための「運用基準」の策定を初め、指名結果、入札経過及びその結果の公表について、建設管理室で行っております。さらに、競争入札における談合等不正な行為を防止するため公正取引委員会との連携を図ることとし、不正行為を行った業者に対するペナルティーの強化をいたしているところでございます。  その他、共同企業体発注方式による予備指名の方式を改め、建設業者の自主的な結成によることによる改善、工事完成保証人の選定のあり方について、相指名業者以外の業者の選定等可能な限り改善措置を行っているところでございます。  今後も透明性、競争性を高めるような努力をしてまいりたいと思います。  次に、一般競争入札制度の取り扱いにつきましては、国・都道府県及び政令指定都市にあっては、一定規模以上の工事については、一般競争入札が本格的に導入されることに伴い、本市といたしましても、現在試行中の制限付き一般競争入札制度の問題点等を整理するとともに、他都市の動向を踏まえて検討を進めてまいりたいと考えております。  質問の第2点の市長の公・私の区別につきましてお答えをさせていただきます。  議員ご指摘のように、市長職といたしましては、市主催の行事への出席はもとより、各種の外部団体からの出席依頼が多数まいっております。  これら外部よりの出席依頼を公と私に区別することは非常に困難な場合がございますが、公人である市長に対し案内があった場合、重要性、緊急性を勘案した上で、日程の許す限り私が出席いたすことにしております。また、日程調整がつかない場合には行事内容を検討し、それぞれの所管の助役あるいは収入役、部長等の代理出席をさせる場合がございます。  なお、本市行政運営に多大なご尽力をいただいた方々の冠婚葬祭等に関しましては、日程調整の上、できる限り私が参列することにいたしております。  今後につきましては、それぞれの行事をさらに精査した上で出欠の判断をしてまいりたいと思います。  次に、市民の陳情への対応につきましてお答えをいたします。  市民個々人の価値観やライフスタイルの多様化により行政需要も変化し、複雑化・多様化してきている状況下で地域住民のニーズをいかに把握するかが重要なことであると思います。  本市においては、市民の市政に対する意見・要望を的確に把握し、市民の声を積極的に市政に反映させる方法の一つとして陳情がございます。  したがいまして、陳情への対応は、基本的には市長が行うという方針で臨んでおります。ただし、日程の都合、陳情の内容、相手方の希望等により助役あるいは所管部局長による対応も出てきております。その場合、陳情の結果等につきましては、当然、私の方に逐次報告を受けることとしております。  議員ご指摘の点につきましては大変ありがたいことと思いますし、市長就任以来、これまで日程等の都合がつかず、私が直接陳情をお受けできないことが多々ございましたが、今後は、開かれた行政を行うためにもできる限り対応してまいりたいと考えております。  次に、天下り人事への見解についてお答えをさせていただきます。  平成6年度末の定年退職者の再就職あっせん状況は、市の外郭団体等関連団体へ34名、市の嘱託員15名で、退職者総数93名の約53%となっており、上級官庁からの天下り及び市と取引のある民間団体等へのあっせんは行っておりません。  これらのOB職員については、市に在職中の知識経験の活用と効率的な経営を目的とし、各団体において雇用されており、管理職員や担当者として各団体職員と一体となり業務の遂行に当たっているところであります。  長崎市といたしましては、OB職員の活用により行政と各団体の密接な連携を取る必要があると考えておりますが、一方では、各団体が自主性、自立性を持ち業務を運営することも重要であり、各団体において人材を育成し組織の強化を図る必要があることから、両方の考え方を考慮しながら、今後、市が取るべき方針を検討してまいりたいと考えております。  なお、OB職員の配置に際しましては、適材適所の配置を行うとともに、配置期間といたしましても各団体の特性、OB職員の適性等を考慮して決定するよう検討してまいりたいと考えております。  次に、主要施策における構想、計画、実施中の事業の見直し、特に現在計画あるいは進行中の事業についての見直しは、どうなのかということにつきましてお答えをさせていただきます。  現在、主要施策として進めております大型施設建設等につきましては、私も市長就任以来、極力現地を見て回り、私なりの新たな視点も取り入れて、改めて検討を加えながら進めているところでございます。  これまでの計画に至る経過等も尊重しながら、特に完成後の維持管理費用と利用形態の関係などから都市経営的発想も取り入れ、見直すべきところは見直すという態度で臨んでおります。  現実的には、本市の基本計画に基づく実施計画に事業を位置づけ、毎年ローリングして計画の進行管理を行っておりますので、その作業の中で各担当部局から進捗状況や今後の予定を聴取し、市内部でも十分論議を重ねながら進めていきたいと考えております。  長崎いこいの里建設事業につきましては、第三セクターのゾーンと公共のゾーンから構成されているため、現在、第三セクターと長崎市の両者で開発のための各種許認可事務を行っているところであります。都市計画法、森林法、長崎県土地利用対策要綱など多くの個別法等の手続きがあるため許認可取得にかなりの期間を要しており、県に対し早急に許認可事務を進めていただくよう強く働きかけていきたいと思います。  第三セクターで建設予定の施設につきましては、ご指摘のとおり、社会経済情勢の変化で大変厳しい状況にあることは認識しているところでありますが、この計画が、これまで市議会、地元、地権者等の理解と協力のもとに進められていること、あるいは第三セクターに参加していただいている民間各社の協力のもとに進められているという、これまでの経緯を十分踏まえながらも、第三セクターの事業部門については、現下の社会経済情勢のもとでどうすべきかを採算性等を含めて十分考えていく必要があろうかと思っております。  今後は、事業を推進していく中で関係者の方々と十分協議を行い、コンセンサスを得ながら事業内容をよく精査して、私なりの考え方を生かしていきたいと思っております。  次に、自治会の役割評価と行政支援についてお答えいたします。  日ごろから、自治会には広報ながさきの配布など行政連絡を中心に多大なご協力をいただいており、心から感謝をいたしております。  ところで、自治会と行政の関係につきましては、ご存じのように、本来、自治会は、地域住民の意見を調整し、とりまとめ、地域社会の問題や課題を主体的に解決する地域の共同体、いわゆる任意的な住民自治組織といわれており、その性格からいたしましても、行政の関与は地域住民の主体性、創造性、自発性を最大限尊重しなければならないと考えております。  すなわち、市と自治会とは対等な立場で市政の活性化を図るべきであり、したがって、援助につきましても自治会活動の活発化、組織化が促進されるよう間接的なものにとどめるべきだと思っております。さらに、お互いにその役割分担や協力関係を理解して、ある種の緊張関係を保ちつつ、まちづくりに協力・相互依存する関係を深めていくことが、これからのまちづくりを進める上で大切なことではないかと思います。  そこで、長崎市といたしましては、自治会の任意性、主体性を損なわず、地域活動を活発化させる方策として、平成4年に行った自治会長さんに対する「住民組織のアンケート調査」の結果等を踏まえ、ご承知のとおり、平成4年度に広報ながさき等配布謝礼金を引き上げたのを初め、平成5年度には自治会活動保険への加入自治会に対する保険料相当分の支援、また、平成6年度からは年次計画で自治会広報掲示板設置費の一部助成をいたしているところであります。  今後の行政支援といたしましては、ご指摘の趣旨やアンケート調査の結果等を参考に、中長期的展望に立った計画的支援が必要であると認識しておりますが、先ほど申し上げました自治会活動保険への支援や自治会広報掲示板設置費の一部助成を開始してまだ間もないところから、当面は、自治会のご意見等を参考にさせていただきながら自治会活動保険への加入促進など現在の支援を充実させていくことで取り組んでまいりたいと考えております。  また、いつもご協力いただいております自治会あて配布文書の件についてでありますが、アンケート調査の結果の中で、自治会あて文書が「多過ぎる」「ばらばらに来る」といったご意見があったことや、直接、自治会の皆様からご指摘があったこと等を参考に、平成4年6月からは、自治会あて文書発送日を従前の毎月2回から1回(25日発送)に改め、発送文書の収集管理を行い、一括して同日同時に自治会長さん宅に配送しております。  その後も、自治会あて発送文書の合理的見直しについて、外郭団体を含め各所属に対し随時周知徹底を図り、自治会の負担軽減に極力努めているところでございます。  さらに、ご指摘の一人世帯の増加等による自治会加入率の低下傾向に対する方策といたしましては、特に転入者等に対し、その転入手続き時に、例えば「お知らせ」といった形で自治会組織の案内ができないかなど先進各都市を参考にしながら、現在、具体的取り組みを行っているところであります。  文化行政につきましてお答えさせていただきます。  議員ご指摘のとおり、本市の歴史性や文化性を勘案するとき、国際的コンクールの開催は、市民文化の向上に寄与するのみならず、地域の活性化を図り、また、経済波及効果も期待されるものであり、本市といたしましても検討の時期にきているものと考えております。  今後、そのような問題も含め、文化振興のあり方について、有識者の意見などもお伺いしながら検討してまいりたいと思います。  文化情報交流施設の運営体制等につきましてお答えさせていただきます。  文化情報交流施設につきましては、平成10年10月の開館を目指して、ランニングコストの検討や効率的な管理運営体制などにつきまして鋭意検討を進めているところでございます。したがいまして、当施設の正式名称や愛称なども含め、事業の進捗とともに的確な対応を推進してまいりたいと考えております。  また、グラバー園の入園使用料収入につきましては、グラバー園の管理運営に係る経費のほかに観光行政経費として一般会計に議員ご指摘のように繰り出しておりますが、その収入は、グラバー園とその他観光事業の振興を目的とした経費に充当することにいたしております。  次に、主要幹線道路の重点整備につきまして、特に街路事業の重点整備路線につきましてお答えをさせていただきます。  本市の都心部及び都心周辺における街路事業の重点整備幹線道路といたしましては、戸町、小島、田上、矢の平といった南部地区の斜面市街地の交通サービス強化と都心部通過交通の排除、都心流入交通の分散による都心部交通混雑の緩和を図るための都市計画道路小ケ倉蛍茶屋線及び県庁・市役所方面から正覚寺方面への連絡を強化し、中央橋から思案橋間の電車通りの都心部の交通混雑緩和を図るための都市計画道路恵美須町油屋町線を重点路線として位置づけております。  そのうち、小ケ倉蛍茶屋線につきましては、小ケ倉2丁目(小ケ倉交差点)より矢の平1丁目(蛍茶屋)間、延長約9,510メートル、幅員13メートルから18メートルで都市計画決定され、県及び市の街路事業として整備が進められているところであります。県事業といたしましては、小ケ倉2丁目より田上(田上交差点)間、約6,540メートルを範囲としております。このうち、小ケ倉2丁目から二本松(二本松団地付近)間、約3,850メートルにつきましては既に完成しており、現在、二本松から八景町(南八景公民館付近)間、約1,640メートルを出雲工区として平成9年度完成を目標に整備を進めており、平成6年度末の進捗率は約62%であります。残りの八景町から田上町間、約1,050メートルにつきましては、田上工区として平成6年度に事業認可を受け、平成12年度完成を目標に現在測量調査、実施設計等の作業が行われているところであります。  一方、市の街路事業といたしましては、矢の平1丁目(蛍茶屋)から彦山橋間、約740メートルを矢の平工区として平成9年度完成を目標に整備を進めており、平成6年度末の進捗率は約57%であります。また、彦山橋から愛宕4丁目(白木市場付近)間、約760メートルにつきましては、白木工区として平成12年度完成を目標に平成6年度より事業着手し、現在、用地買収を主に作業を進めており、平成6年度末の進捗率は約10%であります。残りの愛宕4丁目から田上間、約1,470メートルにつきましては、平成8年度より事業着手するよう現在作業を進めているところであります。  また、恵美須町油屋町線につきましては、鍛冶屋町から油屋町間の延長322メートルが昭和61年12月に供用を開始しており、常盤橋から鍛冶屋町間の延長約340メートル、幅員15メートルにつきましても平成10年度完成を目標に整備を進めており、平成6年度末の進捗率は約66%であります。  道路事業の重点整備幹線道路としましては、三原町から浜平町にかけての中央北部地区における斜面市街地の居住環境の改善、防災道路ネットワークの形成、国道206号と県道昭和馬町線の交通混雑緩和を図るための市道三原町浜平町線、さらに西町から滑石にかけての北西部地区における斜面市街地の居住環境の改善、防災道路ネットワークの形成、国道206号と県道長崎畝刈線の交通混雑緩和を図るため滑石方面への延伸を含めた市道油木町西町線を重点路線として位置づけております。  市道三原町浜平町線につきましては、三原町から浜平町にかけての延長3,220メートル、幅員10メートルで平成2年度から国庫補助事業として採択を受け、平成14年度完成を目標に整備を進めているところであり、平成6年度末の進捗率は31%であります。  市道油木町西町線につきましては、油木町の県道長崎式見港線から西町の長崎大学国際交流会館までの延長1,480メートル、幅員10メートルで平成3年度より国庫補助事業として採択を受け、平成12年度完成を目標に整備を進めているところであり、平成6年度末の進捗率は11%であります。今後は、当路線の滑石方面への延伸についても積極的に推進していきたいと考えております。  次に、歴史探訪路事業の継続につきましてお答えさせていただきます。  歴史探訪路事業は、歴史的な面影を色濃く残す地区について、歴史的・文化的遺産をめぐりながら散策できる道を整備することを目的として、平成2年度より西坂・諏訪の森地区、鳴滝地区、寺町・伊良林地区の3地区について整備を進めております。  さらに、歴史探訪路のより一層の充実を図るため地区間の連絡ルートや部分的に未整備で取り残された箇所について整備を行うとともに、本事業の趣旨に沿うような新たな地区についても、今後、検討していきたいと考えております。  次に、文化遺産の掘り起こしにつきましてお答えいたします。  本市は、江戸時代中期から幕末にかけて我が国唯一の海外への窓口として栄え、この時期に外国人技術者の力をかりて港湾施設や水道、道路、橋梁、下水道など近代都市基盤が全国に先立ち建設されました。現在、市内には、このような他都市にはない土木遺跡が数多く残されており、今なお都市基盤施設として機能しているものも少なくありません。  そこで、平成6年度に調査を行い、東山手・南山手地区の外国人居留地の石畳み・側溝群、本河内高部ダム、小菅修船場跡などの12カ所を歴史的近代土木構造物として取り上げております。  今後は、これらの施設を評価し、保存・活用等について関係部局と協議、検討していきたいと考えております。  次に、東長崎地区の都市構想につきましてお答えいたします。  東長崎地区につきましては、昭和30年に旧日見村、昭和38年に旧東長崎町が本市に編入されて以来、日見地区においては、市営住宅の建設、土地区画整理事業の推進を行い、また、東長崎地区においても区画整理事業や長崎県による住宅団地の開発などにより計画的な市街地形成を図ってまいりました。  現行の長崎市総合計画第二次基本計画においても、この地区の振興を図るため多くの大型事業に取り組んでおります。  (1)東長崎地区の土地区画整理事業については、現在までに矢上団地及び鶴ノ尾団地の114.9ヘクタールの整備を終えており、現在、市において、矢上地区105.3ヘクタールの地域を施行中であります。  (2)橘湾水産総合開発事業については、静穏域造成及び海洋牧場造成が平成8年度にはほぼ完了する見込みであります。  (3)九州横断自動車道長崎大分線の市内延伸部については、平成7年2月に日本道路公団から路線発表がなされ、現在、地形測量のための地元説明会を終え、調査測量を行っているところであり、平成17年度を完成目標と考えられております。  (4)国道34号日見バイパス建設事業については、国の直轄事業として鋭意施行されており、平成一けた台を完成目標としております。  (5)長崎東公園整備事業については、昭和62年に総合公園として着手し、平成7年度中には環境整備を含め事業を完了いたします。  このように、都市基盤の整備を中心に事業を展開してきており、一定の成果を得てきているものと考えており、今後とも機能的で快適な環境に包まれた市街地の適正な拡大を図るため東長崎地域をほぼ網羅している東長崎土地区画整理事業を積極的に推進し、秩序あるまちづくりを進めてまいりたいと思います。  次に、将来計画と整備すべき都市施設でありますが、従来の農業地域に新興住宅地が開発され、新しい市街地を形成しながら発展し、さらに今後も住宅開発などにより人口増加が予測される東長崎地域においては、都市施設や生活環境の整備がさらに必要になってくるものと認識しております。さらに、近年発展が著しい県央地区との広域の都市圏交流の要所として東長崎地区の重要性は増してくるものと考えております。  このような中で、東長崎地区のまちづくりを進めていく上で基本となる将来都市構想につきましては、現在、策定を進めております第三次基本計画の中で、その方向性について十分に検討を進めてまいりたいと考えております。  以上、よろしくお願い申し上げます。=(降壇)= 29 ◯25番(井原東洋一君) 再質問をさせていただきます。  出雲の前市長でありました岩國哲人さんは「行政は最大のサービス産業だ」と言いまして、市政の大改革を断行されております。2期目の途中で東京都知事へと転身をはかられましたが果たせず、現在、衆議院議員候補になっているようですけれども。また、元熊本県知事でありました細川護熈さんは「地方から反乱を起こそう」と、日本一づくりを次々に具体化し「権腐10年」、権力にある者は10年すると腐敗するということを自戒として、知事の座に安住せず日本新党を創設して首相になられましたが、残念ながら250日の短命に終わりましたけれども、なお健在であります。  伊藤一長市長は、この2人の政治家に比べて勝るとも決して劣らない。長崎市長で終わるのではなくして、ひとつ中央政界で長崎のために大輪の花を咲かせていただきたいというふうな声もあることを知っておられると思います。  みずからは、「長崎市長になるのが夢でありました」とおっしゃっておりますが、もう一つ別の場から長崎を見るという意味合いからも、みずからの市長の期限というものを切るようなつもりで大英断を振るっていただきたい。十分なる自信の裏づけをもってトップダウンという見識も示されるべきではないのだろうか。やはり若さとフレッシュさを政策推進の中にも、ぜひ示してもらいたいと、こう思うわけです。  「県の意向を伺う」あるいは「国の意向を伺う」「関係者の方々と十分協議を行い、コンセンサスを得ながら内容をよく精査して」と、言葉は非常に丁寧ですけれども、余りにも気配り360度というか、八方美人というか、そういうことがうかがえるような状況もありますので、大胆で市民に誠実でひたむきな政治姿勢をぜひ貫いて長崎市政刷新に努力をしていただきたいと、まず申し上げておきたいと思います。  市長の政治姿勢について。  公共工事等の入札の透明性については、一定の前進が図られることをお聞きしました。くれぐれも過去にありました天の声に驚かず、また、みずからも天の声を発することのないようにお頼みしたいと思います。  次に、天下り人事につきましては、公務員天国だと言われないために戒めをぜひ保持していただきたいと思います。  私は、公・私の区別、陳情の問題につきまして特に取り上げましたのは、普通でも繁忙な市長、しかも、国際文化都市長崎というのは、国際間の交流等もありまして、非常に忙しいというふうに思います。そしてまた、市長の個性としましても非常にこまめに動く市長でありますから、全部すべてを自分でやるということになりますと、なかなか思うように事が運ばないであろうという一つの配慮も考えておりまして、そういう意味ではメリハリをつけていただきたいというのが、私の質問の趣旨であったわけです。  次に、主要施策の見直しでありますが、特にゴルフ場の問題につきましては、認識はほとんど一致していると思っております。巨額の税金をこのような不採算部門に注ぎ込むということは万々あり得ないと思いますが、99%、あるいはゴルフ場をつくるとすれば優先順位からして99年先だというぐらいの認識に立ちたいと思いますが、その点、市長の考え方を伺いたいと思います。どうか、政策効果を熟慮の上、行政執行上の機会損失とならないように敏感に対処してほしいというふうに思っております。  あわせて、パートナーである飛島は、長崎市も平成5年12月7日、5カ月間の指名停止、平成6年5月31日、5カ月間の指名停止をしている企業でありまして、そこら辺も十分検討していただきたいと思います。  自治会の役割評価につきましては、答弁を是といたしたいと思います。  文化行政につきましては、もうその時期にきているという答弁でありまして、今後を期待したいと思います。  さて、文化情報交流施設でありますが、運営体制をどうするのか、財政支出はどれくらいまで可能なのか、あるいはこけら落としはどういうものを呼んでくるのか、準備のための組織はどうするのかということは、もう急がなければならない課題です。  市長、ご承知のとおり、長崎市の公会堂や市民会館を申し込むのに1年前から予約しているわけであります。ましてや、こけら落としにということになりますと、有数の劇場施設でありますだけに相当のものを予定しなければならないだろうというふうに期待を持って受けとめておると思います。そうであれば、なおさら、そのこけら落としのための劇団あるいはオーケストラあるいはその他芸術集団を呼ぶとしますと、相当前から準備をしておかなければならない。そのための体制はまだできていないというふうに思っておりますので、これはぜひ急いでほしいと思います。  土木行政については、回答を是といたしたいと思います。  さて、東長崎地域の都市構想ですけれども、今、東長崎地域で語られておるのは、お隣の長与町、時津町、多良見町は、長崎市周辺に吸収合併ではなくて、独立して町制をしいておるわけですが、「東長崎地域として、長崎市に編入されたのがよかったのかどうか」ということであり、実は住民の気持ちの整理がついていないわけであります。長与町は3万5,235人で6年度決算を見ますと102億5,000万円、時津町は2万6,829人で95億2,500万円、多良見町は1万7,298人で56億円の財政規模であります。  今、長崎市は相当な投資を東長崎地域にしております。年間約40億円から50億円という投資をしておりますが、そういう意味からすると、長崎市全体の投資額からするとバランスがとれているかもわかりませんけれども、あるいは都市改造その他がありますから重点的投資ということになるかもわかりませんが、一体、東長崎地域を長崎の玄関口として、どういうように位置づけていくのか。学園都市とするのかどうかという問題等々も含めまして、住民の皆さんにも一体として進めるような、そういう施策が必要ではないかというふうに思います。  第三次基本計画の中に入れていくんだということであるならば、そのためにも地域のいろんなニーズをくみ上げて織り込んでいくということをぜひやっていただきたいと思います。  とりわけ、学校施設であります。高等教育機関であります。今、県立諫早農業高校の分校、そして西陵高校の分校として学校が存在しておりますけれども、例えば長崎式見高校は北校の分校から昭和59年4月に本校に格上げ、長崎南商業は南校の分校から52年4月に格上げ、野母崎高校は南校の分校から47年4月に格上げされておりますけれども、現在、長崎県下の高等学校83校を見てみますと、全校で7クラス、9クラス、7クラスと、今の東長崎の分校に余り変わらないような規模の学校が10校ぐらいあります。その中で東長崎分校は、82名定数に71名ということで、本校であるこれら式見、野母崎、大崎、北松、宇久、富江、五島南、奈留等々に比べまして、決して見劣りしないような充足率になっておるわけでありまして、4万人以上の人々が居住するこういう地域に、高校を分校で置くということではなくて本校として格上げしていくということは、これは長崎市としても必要なことではないのだろうかというふうに思っているわけであります。  県教委に尋ねてみますと、高等学校の設立要件は別に決まったものはない、設置者においては、県内の適正配置に努めなければならないということがあるけれども、取り立てて設立要件がこれこれということはないということでもありますので、現在ある高等教育機関を格上げしていくということについて、市長の英断をお伺いしたいわけであります。  その他につきましては、時間があれば再度質問をさせていただきます。 30 ◯市長(伊藤一長君) 井原議員から再質問があっておりますので、お答えさせていただきたいと思います。  1点目は、いこいの里構想の件でございますが、見直すべきだということを前提にしたご意見だろうと思います。私も先ほど本壇でご答弁をさせていただきましたように、今、各種許認可も含めた形での開発許可自体がまだ出ていない段階でございます。これは議員ご認識のとおりでございまして、私も個人的な見解も含めて、また、市長就任以来、現地も見ております。  そういうことで、私なりの個人的な考えは持っておりますけれども、問題は、いかんせん開発許可自体がまだ出ていないという段階でございますし、まだ第三セクターということもございます。それと、いま一つは、式見ハイツとの絡みで、雇用促進事業団がある程度の施設をどうしようかということ等も含めた形で、あの辺一帯をどういうふうな形で開発した方がいいか、整備をした方がいいかということもあるようでございますので、まず開発許可が出てこないことには、先ほどご指摘の業者の方も含めて、そういう問題が先に進まないということで、まずご理解をいただきたいと思います。  第2点目の茂里町の文化情報交流施設につきましては、平成10年10月オープンという形で、あと3年後に迫っているではないか、ネーミングや管理運営をどうするのかという問題、あるいはこけら落としをどうするのかということも含めて検討作業に入るべきであるということもよく理解できます。ただいま部内で協議していますのは、そのことは当然しなくてはいけない問題でございますので対応させていただきますけれども、平坦線が走っておりますので、この平坦線を新幹線絡みで地下でもってくるのか、高架になるのか、あるいは隣の長崎バスさんとも協議をしていますけれども、いつ、どういった形で長崎バスの今の敷地を整備していただけるのか。それと、私どもの文化情報交流施設との連動性をどうもっていただけるのか。あるいは今、大体整備が終わりましたのは、この茂里町の文化情報交流施設内の駐車場をどういった形で、地下方式あるいは浦上川側の駐車場の問題も含めて、台数を何台確保しようかということは大体内部的に協議が調いつつあります。
     ただ問題は、先ほど申し上げましたように、線路の平坦線の問題で、これを地下にもっていくのか、高架にもっていくのか。また、国道沿いにあります長崎バスの敷地の問題。それと、もう一つは、ハートセンターとクリーンセンターがありますし、その裏には中部下水処理場がありますので、この辺一帯を大型の施設があるにふさわしいような道路の問題とか駐車場の問題、もう一つは緑地の問題、緑地があのゾーンは欠けておりますので、大型の樹木を植えることによる緑地のゾーンを確保すべきだということ、遊歩道のゾーンをどうするのかということも含めて、議員ご指摘の問題も含めた形で私どもも検討作業に入りたいと思いますので、ご理解をいただきたいと思います。  諫早の高校の問題につきましては、これは結論を申し上げますと、私も県会議員を当時しておりましたけれども、一番大事なことは、これは差し出がましい発言になるかもしれませんが、お許しをいただきたいのは、諫早農高の分校が西陵高校の分校になる時点で、当時、私は県会議員だったんですけれども、もっと地元も含めた形、市議会の皆さん方とも相談させていただいて、もっと真摯に受けとめるべき問題ではなかったのかなと……。私も実は、あのときいろいろ関与をさせてもらっていた者の一人ですが、取り組み方としてはなかなかうまくいかなかったという反省がございます。  それに加えて、その後は子供たちの数が減っていく、県全体としては、県立高校の校数をこれから減らしていこうという方向にいっていますので、議員ご指摘の方向と逆にいっているのではなかろうかなということもあわせて私どもは検討しなくてはいけないと思います。  以上です。 31 ◯副議長(下条文摩左君) 本日の市政一般質問はこの程度にとどめ、明8日午前10時から本会議を開き市政一般質問を続行いたします。  本日は、これをもって散会いたします。           =散会 午後3時2分= ──────────────────────────────────────────────  上記のとおり会議録を調製し署名する。   平成7年11月13日                               議  長 中 野 吉 邦                               副議長  下 条 文摩左                               署名議員 板 坂 博 之                               署名議員 高比良 末 男 長崎市議会 ↑ ページの先頭へ...