↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯議長(中野吉邦君)
出席議員半数以上であります。これより議事日程第2号により本日の会議を開きます。
日程1
市政一般質問
について、これよりお手元に配付いたしました
質問通告表により、順次、
市政一般質問を行います。45番柴田 朴君。
〔柴田 朴君登壇〕
2 ◯45番(柴田 朴君) おはようございます。
日本共産党の柴田 朴でございます。
質問通告に基づきまして、順次、質問をいたしますので、市長並びに理事者の責任ある答弁を期待するものであります。
フランスは、日本時間の昨日の早朝、国内外の激しい実験反対の世論の盛り上がりにもかかわらず、それを無視して核実験を強行しました。私は、この暴挙に対して強い憤りを覚えるものであります。つい最近の中国政府の2回にわたる核実験の強行も含めて、これら大国の横暴で、しかも、野蛮な行為に対して強く抗議するものであります。
また一方では、この1週間の短い間に南太平洋のタヒチ島を中心に核実験に抗議する国際的な行動が展開をされました。その行動に日本を初め各国の平和団体や
草の根市民グループ、各国の国会議員や地方議員、日本からも初めて超党派の
国会議員団が抗議の行動に参加するという新しい情勢も生まれております。
私は、ここに希望を持ちたいと思います。これらの世界的な運動は、必ず核兵器と、その実験に固執している国々を包囲して、核実験の禁止、核兵器の廃絶を闘い取ることができると確信をいたします。
今、世界の
核保有大国は、なぜ国際世論を敵に回してでも核実験を急ぐのかという問題があります。これは
アメリカを初め中国、
フランス、ロシア、イギリスも同じでありますが、この5大国がこぞって核抑止力を背景として世界の政治、軍事、外交を進めるという立場をとっているからであります。
核抑止力というのは、ご承知のとおり、
核兵器背景として相手の国をおどしていく政策でありますから、相手よりも常に強力な核兵器を持ちたいと考えるわけでありまして、ここに核実験を繰り返す根本原因があると思います。
先日も私、テレビを見ておりましたが、ある
軍事評論家がずばりと言っておりました。「この時期に核大国は競い合って核実験を強行するのは、ことしの5月に国連で核不
拡散条約の無
期限延長が決まったことにある」と、こういうふうに、この評論家は言っておりました。条約が決まってしまえば、核の保有も核の実験も
核保有大国の特権だと、こういうふうに開き直ってきているのが今日の
フランスの姿であり、中国政府の態度であります。核不
拡散条約の無
期限延長の本質が核廃絶につながるどころか、
核保有大国のさらなる
核開発競争に道を開くものであることが、はっきりと見えてきたわけであります。
去る8月9日の長崎市の
平和宣言で、伊藤市長は、核不
拡散条約を批判して無
期限延長は容認できない、直ちに
核実験全面禁止条約を締結して、核廃絶に向けて
タイムスケジュールを明らかにせよと要求をいたしました。私は、市長が今こそ8月9日のこの
平和宣言の立場に立って、
フランス政府に対する抗議とともに、村山内閣に対して核廃絶と核実験の全面禁止を政府として直ちに国連に要求するよう求めるものであります。
また、中国の核実験が最近二度にわたって強行されました。中国の態度は、極めて当たり前だという態度であります。その後、中国の
福建省代表などが来県をして市長を
表敬訪問したという記事が載りました。しかし、その席でも彼らは核実験を行ったことを当然として、被爆地の市民に同情する一言のあいさつもなかったと聞いております。このようなとき、市長として
表敬訪問を断るぐらいの毅然とした態度がほしかったと私は思います。
平和問題の3点目は、
米艦船ブルーリッジの
長崎寄港予定の問題であります。
新聞の報道によれば、米海軍が第7艦隊の旗艦である
ブルーリッジを9月15日に長崎港へ寄港させたい旨の打診があったと報じております。これに対して伊藤市長は「寄港を許諾する権限は市にはない。自分の6月議会での発言が呼び水になったとは思わないが、被爆50周年の市民感情を考え、
歓迎パーティーなど公式行事には出席しない」と語っています。私は、今回の
ブルーリッジ入港が市長の6月議会発言と直接結びついているかどうかは別として、この数年来の米海軍と
佐世保基地の実情を調査してきた私の経験に照らしても、市長のさきの発言が
米海軍関係者に期待と注目を集めていることは間違いないと考えます。
私は、ここに1993年1月19日の朝日新聞を持ってまいりました。この1月19日号は「冷戦後の在日米軍」という特集を行っている記事であります。この記事は、ソ連が崩壊した後の
佐世保基地がどのように変化をし強化をされているかを詳しく報じているわけであります。ソ連が崩壊して、本来ならば縮小されているはずの
佐世保基地が逆にこの2、3年の間に強化をされてきている。朝日新聞の記事をかりると、1992年9月に
ベローウッド強襲揚陸艦が配備をされたことによって、佐世保の基地は、これまでの後方支援の基地から中東の
地域紛争等をもにらんだ攻撃の基地として、その性格が一変したと報じています。基地人口も1992年の8月までは2,900人でありましたけれども、
ベローウッドが92年の9月に配備されて一挙に4,500人、約1.5倍にふえているわけであります。したがって、出入港する米艦船の数は大幅にふえています。これまで
佐世保米軍基地は2つの弱点があると指摘されてきました。その1つは、コンピュータで装備されている現在の艦船の修理能力が非常に不足している。2つには、近くに空港を持たないために、航空母艦の母港として使えない。この2つの弱点が関係者の間では指摘されてきたと聞いております。
したがって、米海軍が早くより目につけていたのは、
イージス艦建造の実績と能力を持つ
三菱重工長崎造船所の技術であります。私が最近知り得た情報、これは米海軍の
情報公開法によって明らかにされた
アメリカ海軍の文書でありますけれども、この
米艦隊諜報センター(FICPAC)は、日本の港湾について、いわゆる港について徹底した調査を完了してしまっていると、こういうふうに伝えております。この文書によりますと、長崎港の状況が詳しく記録されています。艦船の修理施設については、ほとんどいかなる種類や規模の艦船修理も長崎で行うことが可能である。
三菱重工長崎造船所に3つの
ドライドック及び香焼島東部の長浜に2つの
ドライドックがあること。また、収容能力についても、長崎港は、フリゲート艦、駆逐艦あるいは
ミサイル駆逐艦ならば2隻、巡洋艦ならば1隻を収容することが可能である。と、細かく記入をされているわけであります。
つい先日、8月の31日に米海軍の制服組のトップである米海軍の
作戦部長ジェレミーボーダ大将が、このたび佐世保の基地を視察し、その足で
三菱重工長崎造船所を視察して帰ったことも、私は、決して偶然ではないと考えております。
以上の経過を見るとき、6月議会での市長発言が、他意はなかったとしても、重大な意味を今後に与えていくのではないかと、私は心配をしております。
したがって、ここに改めて、市長のさきの議会での発言の撤回を求めるものであります。
そして、今回の
ブルーリッジの寄港に対しても、
被爆都市の市長として、高田知事に対して入港を断るよう申し入れるべきだと考えますが、市長の見解を求めるものであります。
また、我が党としても早くから神戸方式を要求しているものとして、このことについても見解をお尋ねしたいと思います。
次に、
魚センターの建設促進についてお尋ねします。
私は、去る昭和62年の6月議会で初めてこの壇上から
魚センター設置の問題を提起いたしました。早いもので、あれから8年が経過をしようとしております。私は、この
魚センター設置を取り上げましたのは、その前の年の昭和61年に
産業経済振興対策特別委員会の行政視察で同僚議員とともに静岡県の焼津市を訪ねました。ちょうど焼津市が第三
セクター方式で
魚センターをつくり、そこに業者を集めて何十種類もの
水産加工品を観光客に対して
おみやげ品として売り出している。そして、観光客の好評を得ているということを見聞して帰りました。これはすばらしいことだと、私は思いました。例えば当時の資料がここにありますが、1年間で
魚センターに入場した人は、市民も含めて181万1,000人と、1日に約5,000人が入っているわけです。観光バスが1年間で12万4,000台、
魚センターの年間の売り上げが当時120億円と、こういうふうに報告されております。人口わずか11万人の焼津市としては、注目すべき地場産業の活性化であります。
私は、これを長崎市でもできないものかと考えまして、年間500万人を超える観光客を迎えながら、長崎はいつもカステラだけが長崎のみやげではないと、北海道に次ぐ水産県長崎で、
水産加工品と観光客を結びつけることも地場産業の活性化につながると提起をしてきたわけであります。当時、
長崎市内の各漁協でもこの問題に注目をして、私
たち市議会と前後して焼津市に現地視察に行くなど、まさに機は熟しておりました。早速、県、市、
商工会議所で
魚センター設置に向けて会合を重ねるなど動き出したわけであります。当時としては、関係者の間にも大きな期待があったと私は考えております。今日この問題は停滞したままになっております。一体、停滞している原因は何か。どこにその隘路があるのかを明らかにしてもらいたい。
私は、その後、焼津市の
魚センターの経営状況が気になりまして、
議会事務局を通して、つい先日資料を再度取り寄せました。当時の年間181万1,000人が入場した実績というものは、あれから8年たった今日、平成6年の資料では入場者数はさらにふえて年間245万5,814人と、この7年間で約55万人がふえているわけであります。
市長、
魚センターの設置は、焼津市の経験に照らしても私は市長の姿勢にかかっていると考えます。焼津市の場合も小売業者の反発など大変な問題を抱えながら、当時の市長が
業者一人ひとりを説得をしてまとめ上げたと聞いております。県は、三重の方に
魚センターをと言っているようでありますが、それでは500万人以上が来る長崎の観光客とこの
センターを結びつけることはできません。何としても市主導の計画を進めるべきであります。市長の決意を求めるものであります。
最後に、私は、
高台地区にミニバスでもよいから通えるような道路計画をつくってもらいたいと、こういう提起であります。
平成元年に、長崎市で
国際斜面都市会議が開催をされ、海外からの参加都市もありまして非常に貴重な論議がされました。これを受けて、長崎市は、早速、平成2年から斜面の
まちづくりに着手をし、現在も4つの地域で住民との話し合いが進行しております。
今、
長崎市内の居住環境を見るときに、
年寄り世帯が
高台地区に残され、若者世帯は駐車場のある平地に住むという珍現象が生まれています。
高台地区でも交通機関のない所は、近くのバス停まで15分も20分も歩く所もあります。年とともに歩けなくなったと言っております。こういう所にミニバスが通れる道路、救急車や消防車が通れる道路がほしいのであります。
私が住む地域も山の上でありますが、
伊良林地区などは立派な住宅地が密集しながら交通機関がない。大浦や小島地区、対岸の入船から平戸小屋など、これまでも再三議会で話題になった所であります。
伊良林地区も数年前に土木部、長崎バスも一緒に現地調査をしながら、後がどのようになっているのか、続かないのであります。
斜面の
まちづくりと並行して、
ミニバス道路の計画も進めてほしいというのが私の問題提起であります。
市長の見解をお尋ねして、壇上からの質問を終わりたいと思います。=(降壇)=
3 ◯議長(中野吉邦君) 市長。
〔伊藤一長君登壇〕
4 ◯市長(伊藤一長君) 皆様、おはようございます。柴田議員の質問にお答えをさせていただきたいと思います。
まず、
核兵器廃絶についてでありますが、
被爆都市として一日も早い
核兵器廃絶を願うことは当然のことであり、私自身もこのことを繰り返して訴え続けております。6月の
国連軍縮長崎会議におけるあいさつの中でも、一日も早い
核兵器全面禁止条約の締結を訴えましたし、8月9日の
平和宣言の中でも核保有国が直ちにCTBT(
核実験全面禁止条約)を締結し、
核兵器廃絶に向け
タイムスケジュールを設け、
具体的交渉を始めるように求めたところでございます。特に、被爆者の方々が「私たちの生きているうちに
核兵器廃絶を実現してほしい」と願っておられるお気持ちに思いをいたすときに、私としても
核兵器廃絶の一日も早い実現を
日本国政府や国連など国際機関を含め機会あるごとに世界に訴えていく所存でございます。
核実験に対する抗議についてでありますが、中国は、ことし既に2回の核実験を強行し、
フランスは、私どもの強い抗議、国際世論にもかかわらず9月6日に実験を強行いたしました。さらに今後、7回ぐらいの実験を計画しているようであります。
市議会議長ともどもの連名で両国に対し厳重な抗議をいたしておるところでございます。
次に、
ブルーリッジの長崎入港についてお答えをいたします。
本市は、従来から
核兵器保有国の艦船については、
核兵器積載の懸念がある艦船のほか戦闘艦についても入港を回避していただきたいとの立場をとっておりました。しかしながら、1992年7月2日に米国の
ブッシュ大統領から「
米国艦船のすべてから
戦術核兵器の撤去を完了した」旨の声明が発表をされました。したがって、米国の艦船につきましては核兵器は積載されていないものと信じ、6月議会において、私は入港を認める旨の発言をしたところであります。また、その後の私どもの調査によりましても、すべての
米国艦船から核兵器が撤去されたことを確認しております。さらに、本年8月12日に
クリントン大統領が
核実験全面禁止の姿勢を明確に表明したことについても、私は評価をしております。
なお、入港した艦船の乗組員に対し、積極的に
原爆資料館を見ていただき、被爆の実相に触れ、
長崎市民の
核兵器廃絶と世界平和を求める姿を知っていただきたいということも6月議会において申し上げました。
今回の
ブルーリッジの入港についてでありますが、被爆50年のことしは、
長崎市民にとりまして
原爆犠牲者の霊をなぐさめ、
核兵器廃絶と世界恒久平和への決意を新たにする、特に意義深い厳粛な年であります。このように、
長崎市民が等しく特別な思いで50周年を迎えているときに、市民感情としても
米国艦船の入港は受け入れがたく、私としましては、入港を回避していただきたいと考えております。
しかしながら、長崎港の
港湾管理者は長崎県であり、入港の諾否に関する権限は私どもにない状況にあることは、ご案内のとおりでございます。
したがいまして、最終的に入港となった場合は、歓迎行事の対応は長崎市としては行わないことにしておりますが、
ブルーリッジの乗組員には
原爆資料館を見てもらい、被爆の実相と
長崎市民の
核兵器廃絶への強い願いを知っていただきたいと考えております。
なお、私の発言が今回の
ブルーリッジの入港につながったのではないかとのご指摘でございますが、私は、そのようなことは全くないと思っております。
また、
三菱重工長崎造船所の
修理基地化のご意見につきましては、先般来よりの
新聞報道等によれば、米軍は否定をしており、今回の入港の目的は、親善のためという通知を受けておりますので、私の発言がこのことにつながったとは思っておりません。
重ねて申し上げますが、被爆50周年という厳粛な年であり、私としましては、今回の
ブルーリッジ入港は回避をしていただきたいというふうに考えております。
次に、質問の第2点の
魚センターの建設につきましてお答えをさせていただきたいと思います。
魚センターの促進についてでございますが、このことにつきましては、先進事例として、昭和60年焼津市に開業された施設が水産と観光を融合させた多機能施設として脚光を浴び、本市におきましても、昭和63年8月に
商工会議所におきまして水産関係9団体を中心に組織された
長崎魚センター問題検討委員会から、施設の概要及び
建設候補地等について具体的な報告がなされた経過がございます。
この
魚センターにつきましては、本市といたしましても、水産・観光業界の活性化を図る上での大変重要な課題と受けとめております。また、本施設が観光客を主たる顧客の対象としている関係で、
観光ルートを考慮した集客性及び利便性等の観点から、長崎市中心部及び新
長崎漁港周辺など、候補地につきまして関係者の意見が分かれていることは、本議会でもご報告申し上げているとおりでございます。
魚センターの成功のかぎは建設場所の選定にあると言われております。さらに、
市内鮮魚小売商等他の業種に及ぼす影響も議員ご指摘のように十分考慮しなければなりません。また、近年では経営悪化の事例や運営の難しさを種々指摘する研究報告も見られますことから、今後、本市が取り組む場合には、これらの問題の解決方法や
補助事業採択の可能性など、よりよい
魚センターの実現に向けて慎重に論議を深める必要があろうかと考えております。
3点目の
高台地区への
ミニバス導入についてお答えをさせていただきます。
本市では、市街地の約7割が斜面地であり、大部分が居住の場として利用されていますが、この
斜面住宅地は、道路や公園など公共施設の未整備、さらには、老朽家屋が密集しているなどの問題を抱えております。このような状況を受け、平成2年度に長崎市
住環境整備方針を策定いたしました。その方針としましては、高齢者や若い人たちを含め居住者が安全で快適に暮らしていけるように、車両の通行可能な生活道路の整備や老朽住宅の改善、若い人たちにも住みやすい住宅の供給など、住環境の総合的な整備を基本的に考えております。
また、これらの整備方針を推進するために、
計画策定段階より地元の方々と幅広く協議を積み重ね、その意向を十分に反映した
計画づくりを行うなど、地域に密着した住民参加型の手法で取り組んでいるところでございます。
ご存じのように現在、整備の必要性や住民の方々の機運の高い
十善寺地区にまず着手をし、江平、稲佐、北大浦の4地区におきましても
住環境整備誘導計画を策定し、
まちづくりを積極的に推進しております。
なお、クルマ道やバイク道などの生活道路の整備につきましても、地元の方々と具体的な話し合いの中で、適正な配置計画を作成し、進めていきたいと考えております。
ミニバス等の運行につきましては、本市としましても交通の円滑化を図り、地域住民の皆様の生活の足を確保し、また、利便を増進するためにもバス路線の延長等の
大量公共輸送機関の整備を図ることが効果的であり、基本的な交通行政の一つでもあると考えております。
このようなことから、
高台地区への
ミニバス運行につきましては、地域住民の意向や乗車効率、運行系統、運行便数等の経営的な問題、道路の幅員の確保、
交通安全対策等の走行環境の整備状況を総合的に調査検討し、
公安委員会、
道路管理者など関係機関と協議をしながら、運行の可能性がある地域や路線につきましては積極的にバス会社へ運行を要請しているところでございます。
以上で本壇よりのご答弁とさせていただきます。=(降壇)=
5 ◯45番(柴田 朴君) ただいま一通りの答弁をいただきましたので、自席から再質問をさせていただきたいと思います。
私は、今回の
フランス、中国の核実験に対して、市長が8月9日のあの
平和祈念式典での宣言の立場に立って今後も努力をすると、そういう答弁については了としたいわけであります。
ただ私が、中国の核実験に対しては、もっと厳しい立場をとるべきではないかと指摘をいたしましたのは、一つは、これも新聞等の報道を見ると、中国の領事館が長崎にあるわけでございますけれども、この領事館の領事が最近、着任をしている。ところが8月の18日に市長訪問を、いわゆる
表敬訪問を予定したところ一方的に中止をしたと、こういうふうな記事がありました。私は、少なくとも長崎にある中国の領事が、いわゆる中国の国の政策として核実験を進めたとしても、長崎に住む領事としては被爆者の心を大事にする態度を表明してもよかったんではないか。ところが、そういうこともしないで訪問も中止をすると、
表敬訪問を。こういう失礼なことをやっているわけであります。こういうことは、やはり核実験をやって何が悪いのだ。こういう態度が一貫していると、私は思わざるを得ないわけであります。
今回、市長は、福州市に対する15周年の
交流訪問団、友好都市の訪問団を延期するという決定をいたしました。私どもは中止をしなさいと言いました。しかし、これは最終的に無期限延期だということで、私はそれでいいと思いますけれども、その際も中国に対して助役を派遣して、その延期をした内容を説明したいと、こういうふうなことを市長は申しているわけでありますが、こういう中国の当然とする核実験の行動に対して抗議する長崎市として、なぜ向こうに、そういった言いわけをしなければならないのか。私は、非常にそういった点では残念であります。
今後も、
被爆都市の市長として毅然とした態度をとっていただきたいと、このことを要請するものであります。
ブルーリッジの寄港の問題につきましては、市長の本当の心情として、今度の入港については回避をしてほしいと、こういうことをこの壇上で訴えました。私は、その気持ちを理解したいと思いますが、その回避をしてほしいという市長のそういった心情を高田知事に対しては申し入れているのかどうか。そういう点について、もう少し市長のその後の行動についてお話をいただきたいと思います。
確かに、この
ブルーリッジの入港というのは、いろいろな受け取り方があるでしょう。私は、この
ブルーリッジが、一つは
アメリカの第7艦隊の旗艦であるということを重視しております。この旗艦は、大体横須賀が碇係港であります。今回、なぜこの時期に長崎を訪問したのか。新聞の報道では、自衛隊との共同演習、その合間に寄ったということになっておりますが、長崎寄港の目的がはっきりしておりません。
先ほど市長は、この
アメリカのすべての艦船から
戦術核兵器が撤去をされたという、あの
ブッシュ大統領の発言というのはその後も生きていると、自分たちの調査でも、これはそのとおりになっていると、そういう発言をいたしましたけれども、恐らくこれは外務省等の答えであろうと思います。今、
アメリカは核兵器の存在については、これを明らかにしないというのが基本方針であります。したがって、私どもの調査によれば、これは一昨年から昨年の、あの北朝鮮の核問題等をめぐって非常に緊迫した事態が生まれたわけでございますけれども、その時点で
アメリカの国防省は大きく戦術の転換をやっている。そうして艦船のそういった
戦術核兵器等を元に戻している部分もあると聞いております。そういう状態を見るときに、ただ日本政府が言う外務省の見解だけで我々は物事を判断することはできないと、私は今も信じているわけであります。
したがいまして、この
ブルーリッジの寄港というものが、今後、いろいろな意味で、この長崎の三菱造船所その他を米海軍が期待をしているということは、いろいろな資料から裏づけられているわけでありますから、長崎の港が直接、長崎市域の中に所在する市長として、私は、その問題については
長崎市民、被爆者も一緒に立った立場で、この問題を真剣に考えてもらいたいと、そのように考えているわけでございます。
したがって、今度のその入港について、そういった市長の回避をしてほしいという非常に積極的な気持ちを知事に対して、どのように、いつ伝えたのか、その点を後ほどお答えをいただきたいと思います。
3番目の
魚センターの問題でございますが、これは、市長になられてまだ日が浅いわけでございますけれども、この
センターの設置には意欲を持っていると、私は受けとめたいと思います。ただ、これまでの経過が示すように、土地を持たない長崎市としては、結局、県が主導権を握らざるを得ないという側面があります。県が三重の新長崎漁港につくりたいというのも、やはりそういう土地を持っているからだと思います。しかし、私は、三重の新長崎漁港につくっても500万人以上が来ているこの観光客と結びつけることはできない。そのことは、知事も百も承知ではないかと思うんです。
そういった点を考えるときに、ある場合には、長崎市が県に対してこの土地をほしいと、そういう積極的な申し入れをすべきであると思います。長崎市は、長崎県のいろんな施策を遂行する上で、いろいろな土地を提供してきているわけでありますから、その点について、市が遠慮をする必要はないのではないかと、私は思うからであります。もっと私は、知事あるいは市長が直々に、この問題については、長崎の地場産業の活性化の問題でありますから十分にひとつ協議をしてもらいたいと考えるわけです。
高台地区の
ミニバス導入につきましては、就任当時の市長の抱負の中でも「年寄りが高台にいる、これは何としてもこの状態を改めていきたい」と、そういう趣旨の発言がありました。私は、そういう意味でも、この
高台地区にミニバスを導入するという問題は計画的に、そして真剣に考えてほしいと、こういうふうに考えるわけであります。
ひとつ、幾つかの問題について市長のさらなる答弁を求めるものであります。
6 ◯市長(伊藤一長君) 柴田議員の再質問にお答えをさせていただきたいと思います。
まず、第1点の
ブルーリッジの入港に対しまして、県に回避をしてほしいということで申し入れをしているのかということの確認のお尋ねでございますけれども、長崎市長として正式に長崎県知事に対しまして回避をしてほしいという申し入れをしております。また、長崎県も長崎市と全く同じ考えでございまして、やはり被爆50周年の年には長崎に入っていただきたくないと全く同じ考えでございますので、その点につきましては、この際お答えをさせていただきたいと思います。
それから、
アメリカの艦船の戦術核を撤去したという資料につきまして、これは外務省の資料ではないかというお尋ねでございますけれども、私が申し上げましたのは外務省からの資料もございます。ございますけれども、そのほかに議員ご存じのように、これは1993年版、ですから
ブッシュ大統領の発言の翌年でございますが、ストックホルム国際平和問題研究所(SIPRI)の資料が出ております。この資料によりましても1992年いわゆる戦術核を撤去したという形の実は資料が掲載されております。それともう一つは、「ミリタリーバランス」1994年から1995年版、英国国際戦略研究所の資料でございます。これによりましても、いわゆる
アメリカの艦船から戦術核は撤去されたというふうに記載されておりますので、こういうこと等も含めて外務省の見解も含めた形での私の先ほどの答弁でございますので、ご理解をいただきたいと思います。
それから、これは要請でございましたので、私がお答えしなくてもいいのかもしれませんが、若干、柴田議員さんの質問と食い違いがあっておりますので、この際ご訂正も含めて、あるいは誤解も含めて確認させていただきたいなと思いますのは、一つは、福州市に派遣いたしますのは、私は聞き間違いかなと思ったんですが、助役ではなくて収入役でございます。この点は、一つご理解をいただきたいと思います。議会の方には、その旨申し入れをさせていただいております。
それと、長崎での新しい領事のあいさつにつきまして、当日、8月18日でございますか、来る予定だったのが突如として来ないということに対して、非常に失礼ではないかという議員のご指摘でございます。
これは実は、手違いがございまして、たしか前日に核実験をしました。そういうことで、再三にわたりまして、長崎市としても被爆50年の年でもあるし、被爆地として、ぜひこれは厳重に抗議をしなければいけないということで、早速翌日、18日だったと思いますが、議長の方と相談いたしまして、たまたまその日に新しい長崎総領事館の領事が
表敬訪問にお見えになると、たしか4時ぐらいだったと思いますけれども、お見えになるという日程が入っておりましたので、市議会議長と相談させていただいて、これは長崎市の立場というものをきちっと、この際こちらから出向いて行ってでも説明した方がいい、抗議をすべきだということで実は協議をさせていただきました。
議長もその旨のご同意いただきましたので、ぜひ2人で行こうと、わざわざ来てもらって新任のあいさつをしていただくということよりも、こちらから出向いて厳重に核実験をしたということに対する抗議をしようということで、実は領事館の方にこちらの方から電話をさせていただいた。「わざわざ出向いていただかなくても、こちらの方から出向きます」ということで、電話をさせていただいたことに対しまして、そこの電話を受けられた方が、こちらの意思が十分に伝わってなかったのかな、それともあちらの受けられた館員の方に手違いがあったのかなというふうに善意に考えていますけれども、どうも市長の日程がつかなくて急遽変更したというふうにお取りになったようでございまして、結果的には、その日の
表敬訪問は、いわゆる中止になったということでございます。
この件につきましては、他意があって、その当日の
表敬訪問を中止したということではございません。この点、先ほど議員のお尋ねは要請という形で質問ではなかったわけですが、大事なことでございますので、この際、私の方から説明をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
なお、ほかの件につきましては、所管の方からご答弁させていただきますので、よろしくお願いいたします。
もう1点、
魚センターの件があったようでございます。
魚センターにつきましては、大事な基幹産業の一つでもありますし、水産都市ということも含めて、ぜひ長崎市としては、先ほど本壇でご答弁させていただきましたように、
魚センターを設置したいという気持ちは強く今でも持っております。ただ問題は、その三重の新長崎漁港の敷地内がいいのか、それとも、いわゆる旧長崎魚市跡地周辺がいいのかという、〔「旭町もある」と言う者あり〕旭町も含めましていいのかということも含めて、実は議員ご指摘のように、確かに場所の選定がまず第一難しいと、場所の選定とあとは先ほど本壇で議員もご指摘になりました、英断を持って臨めと、焼津市の件も含めて指摘がありました小売りの鮮魚商の方々との調整、この2点に恐らく絞られるんではないかなと思います。
場所等につきましては、確かに私もそれぞれの場所に一長一短があることは承知をしております。しかし、三重もそうですが、こちらもそうですけれども、県にかかわる土地が大部分でございますので、その辺も含めて、これは
商工会議所とか、あるいは魚市関係者とかという方も含めて、かなり熱心な、そういうあれがあっておりますので、そのことも含めて私どもこれから、また市長も新しく私という形になりましたので、もう一度県も含めた形で仕切り直しを前向きな形でさせていただきたいと思いますので、もうしばらく時間をかしていただければありがたいと思います。よろしくお願いいたします。
7 ◯都市計画部長(坂本昭雄君)
高台地区のバスの運行でございます。これは特に大型バスではなくてミニバスということで、私どももいろいろ考えております。
先ほど市長が申しましたように、私どもも生活路線の足を確保するという公共輸送機関の役割、あるいは
高台地区の住環境を守ると、そういう観点から基本的な重要路線あるいは重要施策ということで考えております。
そういうことで、具体的には立山地区、これにつきましては63年に県営バス、長崎バスが運行されました。それとあわせて、伊良林から矢の平あるいは江の浦から入船あるいは滑石から式見あるいは丸山から星取あるいは中尾ルート、こういう5カ所が課題として残っております。基本的には、道路の都市基盤の整備、いわゆる条件、道路環境あるいは走行環境あるいは安全性、そういうものを我々は加味し、関係機関、特にバス会社等の話の中では、道路整備が終わった時点につきましては、極力あるいは積極的に、一部につきましては、いろいろな関連施設等の関係もありまして施行しておりますけれども、そういう条件が済み次第、我々としては常に要請をいたしております。
ただ、具体的な課題としては、用地の確保、特にバスの回転場の問題なり、あるいは交差点の改良等いろいろございます。それらにつきましては、鋭意地元に入りまして地権者の協力、あるいは理解を求めながらお願いをいたしていますけれども、なかなかハード面の整備が遅々として進まない。
そういう状況でございますので、条件が済み次第、我々としては常々対応策として考えているところでございますので、ご了解を願いたいと思っております。
以上です。
8 ◯45番(柴田 朴君) 再度、質問をいたしますが、一つは、今、都市計画部長が答えましたけれども、こういった
高台地区へバスが乗り入れられる道路の建設という問題は、私は都市計画部門あるいは土木部門というところでは、どこが一体責任をもって、こういったことを後々進めていくのかという点で疑問を持っております。
伊良林地区についても、数年前に長崎バスも含めて現地の合同調査をしていただいたわけですけれども、その後、余り音さたがないわけです。そういう場合に、ただ調査をして終わりということではなくして、調査をした結果は、何十件ぐらいの立ち退きになると、その立ち退きの見通しはこうなんだと、そういうふうなことがあってしかるべきだと思うんですけれども、そういうふうな具体的な市当局の検討の結果というものが余り返ってこないという、そういう弱点があります。
これは、土木あるいは都市計画という2つの部門があるわけですけれども、土木に言うと、「そういう道路計画というのは都市計画がやるべきではないか」と考えているようだし、都市計画に言わせると、「金を持っているのは土木なんだから、土木がもっと土地の取得も含めて積極的にならんと困る」と、こういうふうな横の調整というものがすっきりされていない。そういう点は、今後、こういったミニバスの導入計画などを立てるに当たっては、関係部門が都市開発部の斜面都市の整備、そういうところも含めて私はきちっとした対策を立てるべきではないか。
例えば斜面都市の計画が今、十善寺郷を初めとして4カ所で青写真をつくって協議しておりますけれども、この道路の建設という立場から入っていっても、そこに斜面都市を並行してやる必要があるという場合も出てくると思うんです、道路をつくるという立場から。そういうふうな問題でありますから、この少なくとも3部門が一体となって、私は斜面都市の面の整備、それから道路の整備、こういうものに力を尽くすべきではないかと考えておりますので、その点について、もう一度見解を求めておきたいと思います。
そしてまた、
魚センターの問題ですが、今、市長も言われましたように、私はこの問題については、やはり本当に関係者の意欲、長崎を何とかして活性させたいと、こういうふうな熱意というものが、どうしても必要だと思います。年間500万人を超える観光客が訪ねてくるという、そういう都市は、九州の中でも少ないわけであります。そういう観光客というものと地場産業をどうして結びつけるかということは、やはり私は今、地域の活性化というものが叫ばれている今日、非常にこれは重要な課題だ。そういう点では、土地の問題にしても、これはいろいろ先ほど市長答弁中にそれぞれ各議員からも綱引き合戦がありましたけれども、私は、やはり観光客と結びつける可能性がある所というのははずせないと思うんです。
そういう意味で、県が三重地区を非常に強調しているというのは、そこに観光客がずっと回るような見通しというのがあるのかどうか。そういう点が非常に心配であります。したがって、その辺の問題につきましても、私は市長と知事あるいは
商工会議所が十分な検討をひとつしてもらいたいと、このように考えるわけであります。
中国の核実験をめぐるこの地元の領事館の対応につきましては、私が誤解であればいいわけでありますが、新聞の記事を読んでいる限り、私はそのように理解をしておりません。むしろ向こうの方からキャンセルをしていると、こういうふうなとらえ方を各新聞はしているようであります。
私が言いたいのは、中国の核実験というのが、これは特に中国当局がことしの8月9日の人民日報のあの記事を見ましても、どういうことを書いているか、いわゆる第二次世界大戦の終結過程を早めさせたと、原爆を広島、長崎に投下したのは、あの侵略戦争の終結を早める役割を果たしたという評価を人民日報はいたしました。これは、まさに
アメリカの
クリントン大統領が「原爆投下は正しかった」ということと全く同じ精神を貫いているわけでございます。こういう立場に立って、彼らは核実験を強行することを何の恥じらいも感じていない。そういうふうな根本がその背景にあることを、私は非常に懸念するわけであります。
先ほど市長は、福州市にこの真意を伝えるためにやるのは助役ではなくて収入役だと言いましたが、それはどっちでもいいわけですが、私はやる必要はないだろう。これは市長から議会に対して当時、市当局もこういう人を派遣したいから市議会の代表も一緒に派遣してほしいという文書が市議会議長にきました。市議会では代表者会議を開いていろいろと議論をしましたけれども、そういう必要はないと、こういう立場から市議会の代表は送らないということを決定した経過があります。私は、少なくとも今回のような核実験を繰り返しやっていくと、それを何の恥じらいも感じていない、こういうふうな国に対しては、当然の措置として我々も友好関係というものをそこでストップをするという決意を持って抗議の意思を表明していくということは大事ではないかと、私は考えるわけでございます。
ブルーリッジの問題につきましても、市長は、
ブッシュ大統領の発言その他その後のいろいろな資料を出しましてお答えになりましたが、私は、最後に申し上げたいのは、この長崎の米軍艦船の寄港というのは佐世保の基地の動向と非常に重大な関係があると見ております。今、佐世保の基地は、この3年間でどのように強化をされてきているか。私は、その一部を先ほど申しましたけれども、例えば針尾弾薬庫を中心とした弾薬庫は、東洋一の弾薬庫がこの2年間で完成をいたしました。そして、あそこの艦船に積み込むガソリンその他の石油タンク、こういうものは、従来の3倍から5倍と言われているように、これは
アメリカの第7艦隊を全部満タンにして5回分というんですから、これは我々が想像できないようなタンクがこの2年間で完成をしているわけであります。こういうふうな状態を考えると、そこに入ってくる艦船、
アメリカの艦船がものすごくこれからふえていくということが、これは考えられるわけであります。
そうすると、佐世保だけでは、その艦船の整備・修理は対応できない。そういうことは、これは素人が考えてもわかるわけです。こういうものをどこに、さらにその修理をあるいは整備を期待していくかということは、恐らく
アメリカの海軍のこれからの課題だと思います。そういう情勢の中での
アメリカの艦船の長崎寄港がずっとある程度の期間を繰り返しながらやられていくということは、重大な政治的な意味合いを持っていると、私は考えております。
したがって、そういう点も含めて、市長が今後、十分な検討をされるよう要請をしまして、私の質問を終わりたいと思います。
9 ◯議長(中野吉邦君) 次は、43番江口健君。
〔江口 健君登壇〕
10 ◯43番(江口 健君) おはようございます。
昨日の
フランスの地下核実験に対しましては、心から憤りを感じております。特に、
核兵器廃絶、また核実験の中止を求める世界的な運動の高まりの中でのこの行為に対しては、まさに野蛮としか言いようがありませんし、私ども被爆50周年を迎えました
長崎市民、また県民、国民の心を踏みにじるようなこの行為に対しましては、断じて許しがたい行為であると、このように思っております。私どもも今後は、核保有国に対しまして、核兵器の廃絶、また核実験の中止を今後とも求めてまいりたいと、このように思っております。
質問通告に基づきまして、順次、質問いたしますので、市長初め関係部長の明快なる、そしてまた、誠意ある答弁を求めるものであります。
まず、環境事業行政について。
処理施設の土曜開場の問題についてでありますが、昨年7月より実施されている中間処理施設の土曜閉場も1年2カ月を経過いたしました。この間、議会でも多くの議論が交わされ、また多くの市民や団体からも開場についての要望、陳情等がなされております。
市長も当選後、6月議会での施政方針の中で、土曜日も一定量の燃やせるごみの搬入が見込まれることから、東工場の土曜開場について、これまでの経過を踏まえ、関係機関・団体と協議を進めてまいりたいと、土曜日の開場に向けての意向を示されていると思いますが、施行して1年2カ月を経過した今日、どのような検討がなされておるのか。また、今後の方針についてお伺いをいたします。
次に、フロンガスについてでありますが、冷蔵庫やエアコンに使用されているフロンは、製品が廃棄処分されると同時に大気中に放出されてしまうため、全国の各自治体では、粗大ごみとして持ち込まれる家庭用冷蔵庫からのフロンの回収が始められております。全体からすると、回収されるフロンの量は微々たる量だと思いますが、地球環境を守るという立場から、早急にフロンガスの回収を実施すべきであると考えますが、環境事業部長、いかがでありましょうか。
次に、容器包装リサイクル法についてでありますが、この法律の正式名称は「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律」と呼び、家庭などから出される一般廃棄物がますます増大し、再生資源の利用が思うように進んでいない現状を打開する突破口として制定された法律であります。
具体的には、包装ごみの再商品化計画、市町村の分別収集計画、都道府県分別収集促進計画、事業者の義務、事業者にかわってリサイクル業務を代行する公益法人に関する規定などを定め、適正な措置を講じようとするものであります。
この法律は、公益法人の設立などの準備を整えて、いよいよ来年度から実質的に動き出すようになり、これまでより包装ごみの減量、再資源化が大きく前進することが大いに期待をされております。
法施行に伴い本市の準備、また、今後の計画についてお示しをいただきたい。
特に、現在の分別収集のあり方については、細分化、さらには、資源ごみの回収についても検討を要するのではないかと考えます。自治会、子供会等による集団回収の中で、特に、古紙類については、一般の燃やせるごみと一緒に出され、焼却されている量も最近はかなりの量と伺っております。再資源化を考えた場合、特に、古紙類については、現在の集団回収方法と並行して何らかの検討が必要であろうかと考えますが、当局の見解をお聞かせいただきたい。
次に、質問の大きな2番目、教育行政についてであります。
登校拒否対策について。
文部省は、去る8月10日に昨年度の学校基本調査を公表。不登校で30日以上、小中学校を欠席した児童生徒は7万7,000人を超えて、過去最高だった前年度を上回り、増加傾向に依然として歯どめがかかっていないことが明らかになっております。
それから、沖合展開構想についてでありますが、これもまだなかなか不確実な部分が随分あります。先ほど市長のご答弁の中でもありましたように、場所が香焼ということに限定をされますと、場所的には、市の南部ということで長崎市に大変かかわりが深くなってまいります。そうなってまいりますと、埋め立てもしくは海上浮体物をつくられた場合に、いろいろな経済効果ないしは雇用の創出というものが考えられますし、そうなりますと、今の南部の道路が一本でいいのかどうか。そういうことも含めて今後大きな問題、課題になってくるであろうと思いますので、特に積極的にかかわりをもって、本市のこれからの経済の活性化も含めて頑張っていただきたいと、このように思います。
それから、公園の整備について先ほどご答弁をいただきましたが、実は私が、この街区公園を中心に質問をしましたのは、壇上からも申し上げましたように、一番利用頻度が高いんではないかと思っております。市内には、至るところに立派な公園もあります。そして一基5,000万円ぐらいかけて彫刻を設置されておる公園もありますけれども、その利用頻度から見ますと、街区公園にはまさか勝つわけがないというように、地域ではお年寄りから子供に至るまで、幼児に至るまで街区公園については利用されておりますし、そういう面では、わずかな予算で多くの人たちが利用するような整備が本当に必要ではなかろうかと思っております。
そういう面で公園一覧等の資料を見ますと、特に、公園に砂場が設置してありますけれども、砂場が設置してあって水飲み場がないというような場所であるとか、ほとんどの街区公園でまだまだトイレは設置されておりません。場所によっては、やろうと思ってもトイレの設置ができない箇所もあろうかと思いますけれども、そういう身近な公園から早急に整備を図っていっていただきたいと、このように思います。
私は、過去の議会でも公園の砂場の衛生問題を取り上げたことがありますけれども、その中でも必ず手洗いの励行をさせるとか、そういった話があっておりましたけれども、砂場があって水飲み場、手洗い場がないというのが、この資料の中では現に27カ所ぐらいあるんです。ですから、こういう所は、そんなに予算的にも莫大な費用は要しないわけでありますから、このあたりは早急に整備を図っていただきたい。この件については、もう一度、答弁をいただきたいと思います。
それから、南部地域の問題で磯道海岸の問題を取り上げておりますけれども、これは協議、会議も随分行われて今日を迎えているわけでありますけれども、これから事業化に向けて、どのようなことがネックになっておるのか。そんなことを具体的な問題として一つひとつ挙げながら、県市これは協議をしていっていただきたいなということがあります。
先ほどの答弁では、何ら今までの答弁と進展性があっておりませんけれども、私どもも地域を挙げて、この問題については県にも、ましてや長崎市に対しても陳情をしておりますけれども、多くの地域住民からのかつての要望でございますし、何とか県との早急な協議を持ちながら、具体的な項目について協議を進めていっていただきたいなと思います。
それから、深堀運河については、先ほど市長が知事の答弁を引用されてお話があっておりましたけれども、これは長崎港と網場湾を比較しますと、明らかに長崎港が汚れているということが数値的に出ております。それは公共下水道が進捗をすれば、その問題はだんだん解消ができるんではなかろうかという話もあっておりますけれども、もともとここは海があって空いておったわけであります。そのときには自然的な潮流があって、きれいな海だったわけです。ですから、地元の方々は「昔の本当のきれいな海に何とかならんのね」というような話があっておりますし、特に底質の調査の数値を見ますと、今申し上げましたように、網場湾と長崎港との比較を見ますと一目瞭然であります。だからといって、これは簡単にできる問題ではないと思っておりますし、今から長い期間をかけながら十分に検討していただきたいと、このように思います。
今、何点か申し上げた点について、ご答弁をいただきたいと思います。
14 ◯都市計画部長(坂本昭雄君) 街区公園のいわゆる砂場があって手洗い、水飲み場あるいは便所がない公園、私どもの調査では14カ所ございます。
これらにつきましては、当然、街区公園で、議員ご指摘のとおり、老人あるいは幼児、子供が利用しますので、私どもも全力を挙げて今後、有効な方策、あるいは設置可能な公園から鋭意取り組んでいきたいと思っております。
以上でございます。
15 ◯43番(江口 健君) それぞれに対して、先ほどから答弁をいただいておりますので、要望しておきたいと思います。
特に、地元の磯道海岸道路の問題ないしは深堀運河については、ただいまも申し上げたとおりでございますので、今後詰めた協議をですね、県との打ち合せの中でも、そういった具体的なことを持ち合いながら検討していただきたい。そして、一日も早い事業化が望まれておりますし、具体的には、調査費の計上をいつごろするのかということも課題として残ってまいりますけれども、そういうことを今後の協議の中で一つひとつ解消ができるようにやっていただきたいと思います。
以上で私の質問を終わらせていただきます。
16 ◯議長(中野吉邦君) 休憩いたします。
午後は1時から再開いたします。
=休憩 午前11時59分=
=再開 午後1時0分=
17 ◯副議長(下条文摩左君) 休憩前に引き続き会議を開きます。13番鳥居直記君。
〔鳥居直記君登壇〕
18 ◯13番(鳥居直記君) 自由民主党の鳥居でございます。
質問に先立ちまして一言お断りを申し上げます。通告をしておりました6項目のうち「被爆地域拡大是正」につきましては、後日、同僚重橋議員が取り上げますので、重複を避けて、私の質問から割愛させていただきますので、ご了承をいただきたいと思います。
質問通告に従いまして、市長の政治姿勢を中心に、それぞれお尋ねをいたします。市長の明快なご答弁を期待いたします。
伊藤市長は、4月の選挙で新しい県都長崎市の発展の方策として「市民とともに歩む
まちづくり」、そして「長崎市の活性化」をスローガンに数々の公約を掲げられ、見事に初当選をされました。
また、6月初議会における施政方針説明の中でも「長崎市に住んでよかったとだれもが言えるふるさと長崎」を目指し、市の人口減少に歯どめをかけ長崎のまちを活性化するために「市政刷新・公平・清潔・積極的」の方針で市政運営に臨むと表明をされております。事実、6月議会の一次、今議会の二次補正予算の内容を見ても、それぞれ新しい施策への予算措置を講じており、新市長の市政に対する並み並みならぬ意欲を感じさせるものであります。
しかしながら、市長のこれまでのご所見の中では、あすの長崎市の具体的な未来像が見えてこないと感じておるのは、私だけではないと思います。
現在、本市も来年からの第三次基本計画の策定に着手したようでありますが、都市づくりの最も基本となるものは人口設定であるはずであります。あらゆる角度から検討を重ね、本市の適正人口を設定し、その数字に基づき種々の施策を長期的な視点に立ち、かつ計画的に推進することが何よりも肝要であろうと思料するものであります。
本市の本年7月現在の人口43万7,099人は、10年前の昭和60年7月31日現在の44万9,651人と比較して1万2,552人の減少となっており、毎年約1,250人ずつ減少し続けている計算になります。また、ピーク時の昭和60年1月末の45万732人からすると1万3,633人の減少となっております。今後の少子化傾向と高齢社会に向かって死亡者の増を考えた場合、減少傾向はますます加速する可能性があると思われます。
そこで、2点についてお尋ねをいたします。
市長は、本市の将来の適正人口規模をどの程度と認識をしておられるのか、具体的数字をお示しいただきたい。
2点目は、将来の適正人口を現在の本市の人口より多い都市を目指すとすれば、今後の人口減少への歯どめ策、あるいは人口増加策についての基本的な考え方をお答えいただきたい。
次に、財政問題についてお尋ねいたします。
国においては、先ごろ平成8年度予算の概算要求基準、いわゆるシーリングを発表いたしました。これによりますと、投資的経費は前年度比5%増とし、この中に3,000億円の公共投資重点化枠を設置した前年度の内容を基本的に継続しておりますが、経常的経費は一般行政経費を除き10%減、一般行政経費は15%減となっております。この結果、一般会計の概算要求総額は、平成7年度の当初予算に比較し11.6%増の79兆1,900億円に達する見通しで、税収など歳入見込みとの差、いわゆる財源不足が約9兆円と言われております。また、平成7年度末の公債残高が約216兆円に達する見込みで、我が国財政は、国債費が政策的経費を圧迫するなど構造的にますます厳しさを増しております。
このような厳しい財政状況は、当然のことながら本市にも多大な影響を及ぼすものと推測されますが、本市の平成8年度当初予算編成に当たっての基本的な考え方をお示しいただきたい。
次に、本市の中長期的な財政運営についてお尋ねをいたします。
本市の財政状況は、税収基盤が弱い上に公債費などの
義務的経費は増高しており、国に劣らず厳しい財政状況にあることは市長も十分認識なされていることと思います。しかしながら、文化情報交流施設、科学館の建設事業あるいは市民総合プールの改築事業など数々の大型事業を手がけており、平成7年度の当初予算で見ても、投資的経費、中でも単独事業につきましては、地方財政計画の5%増に対し本市は35.9%と高い伸びを示しております。
また、財源不足の補てんとして、減債基金を平成6年度予算においては15億円、平成7年度当初予算においても25億円取り崩すなどの苦しいやりくり予算を編成しております。このことは、地域の活性化、都市基盤の整備などのためには不可欠なものであると認識しておりますが、将来の財政運営を考えますと大いに憂慮せざるを得ないのであります。
また、現在推進中の大型事業以外にも、今後、中央3小学校の統合に伴う学校の建て替え、市役所本庁舎あるいは市民病院の建て替えなど近々具体化し、取り組まなければならない事業が控えており、本市の財政状況は、より厳しさを増すものと思われます。
そこで、お尋ねいたしますが、現在策定中の第三次基本計画を踏まえた中長期の財政運営はどうなるのか。また、財政運営に当たっての市長の基本的な考え方はどうなのか、お聞かせをいただきたい。
次に、行政改革の取り組みについてお尋ねをいたします。
近年、ますます複雑多様化する行政需要に比例して、一般職の地方公務員総数も平成元年以降増加を続け、平成6年には328万人にも達するといった拡大基調にあります。本市においても、立ちおくれた社会資本の整備や高齢化・少子化社会への対応、さらには地方分権の受け皿づくりなど21世紀に向けて緊急に対応すべき多くの課題を抱えております。
しかしながら、私は、だからといって自治体組織が肥大化してよいと申し上げているのでは決してありません。逆に、そうした状況であるからこそ、自治体行政の仕事を本当に必要な範囲に限定し、簡素で効率的な執行体制の確立に向けて、これまで以上の取り組みが求められていると申し上げたいのであります。
確かに、本市にあっては、昭和58年11月に策定した行革大綱に掲げられた具体化方策やその他の効率化策を推進する中で、業務量の増や週休2日制導入にもかかわらず4,900人の正規職員を4,700人へと削減するとともに、国家公務員の給与水準と比較したラスパイレス指数についても、平成6年4月時点で県の数値を下回る103.4ポイントへと是正されるなど、この間、一定の成果を上げてきたことについては、それなりの評価をいたすものであります。
しかしながら、私は、基幹産業を初めとした地域経済の長期的な低迷や生産年齢人口の市外への流出など本市を取り巻く厳しい社会経済環境を見たとき、果たして、この間の本市の取り組みが本当に行政改革の名に値する十分な内容であったのかという疑問を持つものであります。例えば、平成5年度決算に基づく県庁所在都市の財政ランキングによれば、人件費や公債費、扶助費などの
義務的経費比率は、46都市中、本市はこの5年間最下位の地位にあり、反面、投資的経費比率は下から2番目の45位に甘んじているといった惨たんたる状況であります。
市長も、このような厳しい現状認識のもとに、先月28日、行政改革推進本部を設置し、新たな行革への第一歩を踏み出されたものと思います。
そこで、次の2点について市長にお尋ねをいたします。
まず第1に、推進本部の設置を受けて、今後、全庁的な総点検作業に着手されるわけですが、その際の基本的な考え方についてであります。
本年6月に地方自治経営学会から出された「公立と民間とのコスト比較」の調査結果によりますと、民間に委託した場合のコストは、可燃ごみの収集でトン当たり46.0%、不燃ごみで45.1%、学校給食で55.2%、守衛業務で35.3%など直営から委託に切りかえることによる経済効果は明らかであります。さらに、サービスの内容についても、大半の自治体が「直営事業と民間委託に違いはない」と回答しております。
これらの調査結果を見ても、今後実施される事務事業の総点検作業の中で民間委託の推進は当然に検討されるべき課題であるかと思いますが、補助金等のあり方も含めて、第一次行革の実施過程の中で既に決着済みとされた事務事業についても改めて点検作業の対象とされるのかどうか、その点についてお尋ねをいたします。
次に、外郭団体のあり方についてであります。
本市においても、複雑多様化する社会経済情勢に対応し、拡大する行政需要に応えるため公共施設の一翼を担うものとして土地開発公社や都市整備公社、社会福祉協議会や社会福祉事業団など、さまざまな外郭団体が設置されております。しかし、外郭団体の一部においては、全面的に市から業務を受託し他と競争することもなく、市場原理も全く働かないことから経営感覚に乏しく、漫然と運営が行われていたり、また、プロパー職員の給与水準についても本市の職員と差異がなく、そのため委託をしても経費的なメリットに欠けるものがあるなど改善すべき課題が山積しているように見受けられるものであります。
そこで、今後の総点検では、市の執行機関にとどまらず外郭団体についても、ぜひ見直しの対象とする必要があると思われますが、その点について市長の見解をお尋ねします。
次に、給食問題についてお尋ねをします。
市長は、6月定例市議会において、同僚議員の質問に対し「本市の財政事情を勘案し、関係の団体等と協議しながら諸問題を解決して実施計画を早急に策定する」旨、答弁されました。私は、そのご意見に否定的な立場から私見を述べ、お尋ねをいたします。
中学校の完全給食につきましては、その実施状況を見ますと、全国的には60%を超える実施状況であり、また、九州の県庁所在都市における福岡市、大分市、熊本市、宮崎市、鹿児島市等では、その所管するすべての中学校で実施している状況であり、また、学校給食法を見ると、その第4条に「義務教育諸学校の設置者は、当該義務教育諸学校において学校給食が実施されるように努めなければならない」と規定されております。また、法施行に伴う関係通知には、適用範囲が中学生を含み、そして給食の実施形態は完全給食を示してあり、確かに中学校の完全給食の実施にかかる努力義務が設置者に課されてはおります。このように、中学校の完全給食の実施について、市長が積極的に取り組もうとされていることは、他市の状況及び法的根拠から一定の理解をいたすものであります。
しかしながら、私は、次のようなことから「今さら中学校の完全給食を実施することはいかがなものか」と疑問を持つところであります。その一つは、学校給食法制定は、昭和29年のことであり、制定当時の食糧事情の中で「いかに育ち盛りの子供たちの栄養の確保を図るか」といった視点においては意義ある制度であり、それなりの成果もあったことと考えます。しかしながら、豊かな食生活が国民生活に定着している昨今、果たして、その意義があるのかどうかということであります。
その二つは、弁当の有用論であります。確かに完全給食は家庭の弁当に比べ栄養のバランスが優れていることは指摘できます。しかし、家庭の弁当には親と子供の愛情の触れ合いがあります。親子関係の希薄化が叫ばれる今日、弁当持参の意義を大いに見直すべきだと考えます。弁当持参の効用はほかにもあります。中学生ともなると、その食事の取り方についても個人差・性差も著しくなり、食事の内容・量も一通りでは済まないのであります。学校給食では、このような個人差などに対応することには一定の限度がありますが、弁当だと個人個人のその日その日の心身の状態にまでもしっかりと対応できる利点があります。
市長、これまで申し上げた以外にも、中学校の完全給食についてはさまざまな異論があります。
私は、改めて市長にお伺いします。市長が中学校の完全給食について、どのような教育的意義を持っているのか、明快なご答弁をいただきたいと思います。
最後に、新県立大学問題についてお尋ねをいたします。
ご承知のとおり、高田知事は8月11日に2学部4学科からなる新しい4年制の県立大学を長与町に設置する方針を発表いたしました。この県立大学問題は、県立女子短大の4年制昇格と看護系大学の設置構想が一本化され、設置の形態と設置場所などが議論されてきたものであります。特に、設置場所につきましては、県立女子短大の敷地が狭く、現在地では物理的に対応できないため移転せざるを得ない状況であったことから、県内の4市1町が誘致合戦を繰り広げてまいりました。
本市も、この新大学構想は、基本的には現在長崎市にある県立女子短大の4年制への昇格移転であり、本市の将来的都市づくりの面からも、学術・文化の拠点として、また、若者が定着する
まちづくりのためにも、さらには、その経済的な波及効果を考えても、ぜひとも市内存置を実現させたいとして、伊藤市長も6月議会で候補地を田上・星取地区に絞り、7月10日県に提示するとともに、8月4日市選出県議らにも協力を要請するなど意欲的に誘致活動を展開し始めた矢先に、県は8月11日、全く唐突に長与町設置を発表したのであります。その後、本議会もこの決定を不服として再考を促す要望書を県に提出した次第でありますが、市民の中には、長与町設置の決定そのものについては、大所高所に立った県の判断は万やむを得ぬ決定であったと一定の評価をする人が多いのもまた事実であります。
以上の経過を踏まえ、以下、2点を指摘し、市長のご所見を賜りたいと思います。
伊藤市長は、今日までの県市の冷めた関係を反省し、その関係修復のために人事交流を行うなど大変な努力を払ってきたことについては、私も大いに評価するところであります。にもかかわらず、県の今回の決定の経過は、伊藤市長、そして我々
長崎市民を無視した余りにも無礼な行為だと思います。市長は、この一方的な県のやり方に対して、どう考えておられるのか、率直なお気持ちをお聞かせいただきたい。
もう一点は、本市の情報収集能力に問題がなかったかということであります。一部マスコミでは、正式発表に先立ち、8月8日付の新聞紙上に位置図入りで長与町設置を報じられております。ニュースソースは定かではありませんが、正式発表の数日前には、もう決定事項として報じられていることを考えたとき、本市の情報収集能力に疑問を持つのであります。問題に真剣に取り組み、県と絶えず連絡を取り合い、率直な意見交換を重ねていっておれば、今回の決定までの流れも事前に情報を得られたのではないかと思うわけであります。
同様の問題は、今後とも起こり得るものだと考えられますので、この際、問題解決へ向けての市の基本姿勢と情報収集のあり方について、お伺いをしたい。
以上、2点についてお尋ねをして、本壇からの質問を終わります。=(降壇)=
19 ◯副議長(下条文摩左君) 市長。
〔伊藤一長君登壇〕
20 ◯市長(伊藤一長君) 鳥居議員のご質問にお答えをさせていただきたいと思います。
まず、適正な人口規模の問題につきましてお答えをさせていただきます。
長崎市の人口は、平成7年7月末現在、鳥居議員ご指摘のように43万7,099人で、ピーク時の45万732人から、この10年余りで1万4,000人近く減少しております。人口の構成についても、15歳未満の年少人口は、昭和60年の国勢調査時には9万6,866人だったのが、平成6年12月末には7万5,936人で2万人以上減少しております。一方で、65歳以上の高齢者人口は4万6,013人が6万5,393人と1万9,000人以上増加しており、人口減少に加えて少子化と高齢化が同時に進行している状況であります。
一方、長崎県全体を見てみますと、8月11日に自治省が発表した住民基本台帳に基づく平成7年3月末の全国人口動態調査によりますと、前年より人口が減少した都道府県は、長崎県を含めてわずか7都県であり、一極集中の是正の動きが進んでいる東京都と阪神大震災の影響がある兵庫県を除くと、本県が減少数、減少率ともに残念ながらトップの値を示しております。
このことは、他県ではUターンや人口定着の受け皿として県庁所在都市を中心とする都市圏に人口が集中することによって、県全体の人口増加が図られているものと考えられますが、本県においては、県都である長崎市の人口減少が都市圏及び県全体の活力の低下をもたらし、結果的に全体の人口減少を招いているのではないかと考えられます。このまま人口減少と少子化、高齢化が進んでいけば、将来的に都市の活力の低下や市の財政力の低下が生じ、都市経営において非常に厳しい状況に直面するのではないかと危惧をしております。
そこで、現在策定している第三次基本計画では、人口減少の歯どめを本市の重要課題の一つに位置づけて職・住・遊・学のバランスのとれた魅力あるまちを整備するための総合的な行政施策を展開することより、人口減少に歯どめをかけ、さらに、長期的には人口増加へ転じていくことを考えております。
さて、本市の人口規模を最終的に何万人にしていくのかというお尋ねでございますが、これは昭和59年に策定されました基本構想でも示しておりますように、50万人を私としては目指してまいりたいと考えております。
その理由は、1つには、県庁所在都市の発展が県全体の浮揚を図ることにつながるため、本市が県都としての役割に見合う中核的機能を果たすための規模と能力を備える必要があること。2つには、本市が西九州を代表する地方中核都市として経済・文化・行政・保健医療・教育などの分野での中枢管理機能を維持していくためには、各種サービスの提供を支えるための人口集積が必要であること。3つには、九州内の拠点である福岡都市圏や熊本都市圏と共存して繁栄できるような個性豊かな国際都市圏を目指すためには、都市圏の核としてふさわしい人口規模を備える必要があることなどからであります。
次に、人口減少への歯どめに対応する具体的な方策につきましてお答えさせていただきます。
人口減少への具体的な対応策ですが、最近の転出先の状況を分析すると、大きく2つのパターンがあると考えられます。1つは、就労先及び大学等の進学先として九州内では福岡県へ、次に首都圏への転出が起きていること。2つ目は、就労先や通学先は長崎市のまま、住居だけを近隣市町に求めて転出するという傾向です。
このような現状認識を踏まえ、今後、人口減少に歯どめをかけるために、私は、生活の場、働く場の充実といった視点で対策を講じる必要があろうかと考えております。
まず第1に、人口の受け皿対策としては、市内での住宅取得難を解消するため公営住宅の建設を推進するとともに、適正な宅地造成の誘導を図ることで良好な住宅を供給してまいります。また、斜面市街地の住環境を総合的に整備するとともに、中心市街地の再開発を促進することで職・住近接した住宅を供給し、中心市街地への人口の呼び戻しを促してまいりたいと考えております。
第2に、雇用の確保を図るために地場産業の育成強化を図るとともに、観光、コンベンション、都市型リゾートの分野での新たな起業化を図る必要があります。特に、観光・コンベンションの分野では、県市が一体となって進めておりますナガサキ・アーバン・ルネッサンス2001構想におけるコンベンション施設の整備等を促進するとともに、既存の観光施設とのネットワーク化を図り、新たな観光・コンベンションの拠点となる都市型施設の整備を計画的、積極的に進めてまいります。
また、長崎コンベンションビューローと長崎市観光協会の一本化による機能強化などソフト面での充実強化もあわせて推進してまいります。
第3に、都市の活性化の源となる若者層の定住化を図るために、既存の短大や大学等の拡充を図るほかに、新たな高等教育機関の市内誘致などに向けましても、今後、検討努力を傾けてまいりたいと思います。
このような施策の展開を行いながら、本市の居住環境の向上と産業の活性化を図り、安全で快適な生活の場、魅力あふれる働く場の創出を行うことで人口減少に歯どめをかけ、さらに、交流による昼間人口の拡大をも目指してまいりたいと考えております。
次に、平成8年度予算編成に当たっての基本方針につきましてお答えさせていただきます。
平成8年度の予算編成方針につきましては、現在、国の概算要求総額が締め切られたところで、具体的な国の編成方針は出てきておりませんが、本市を取り巻く財政環境は、先ほど鳥居議員ご指摘のように、国、県と同様に大変厳しいものがございます。
歳入におきましては、市税の伸び悩みに加えて、平成6年度国税減収に伴う精算減等により地方交付税も減の見込みであり、また、歳出におきましても、人件費、扶助費、公債費等のいわゆる
義務的経費の自然増加が確実に見込まれます。したがいまして、平成8年度予算編成方針はかなり厳しいものにならざるを得ないと思われます。しかしながら、長崎市の活性化を図るためには、都市機能の強化や産業振興などの施策が不可欠であります。そのことがひいては「魅力ある長崎の創造」「若者が定住できる
まちづくり」につながるものと考えております。
そこで、現在、平成8年度を初年度とする長崎市総合計画第三次基本計画を策定中でありますが、その中で、私の基本政策である「市民とともに歩む
まちづくり」「長崎市を活性化する施策」を積極的に推進するとともに、地方分権の流れを的確に把握した総合行政の積極的展開の視点に立ち、平成8年度予算編成に向けて私の政策を具体的に盛り込むよう努力してまいりたいと考えております。
財政面では、自主財源の確保はもとより、国の対応を見極めながら施策の全般にわたって、その緊急性、優先度などについて総合的に点検を実施するとともに、地域総合整備事業債などの財政上有利な地方債の活用を図り、施策の実現に向け努力してまいりたいと考えております。
次に、中長期の財政運営についてでございます。本市の財政状況は、先ほど申しましたように、税収基盤が弱い上に公債費、扶助費などの
義務的経費は増高しており、依然として財政状況は極めて厳しい状況が続いております。
このような財政環境にあって、長崎市総合計画第二次基本計画に基づく大型事業を取り組んでの中長期的な財政計画ではかなりの財源不足が生じております。しかしながら、これらの事業は市民生活に不可欠なものであり、地域経済の活性化や魅力ある
まちづくりのため避けては通れない課題であります。
このためには、国・県の補助事業としての採択を積極的に要望するとともに、単独事業につきましては、公債費比率及び起債制限比率の動向を考慮しながら財政上有利な地方債であります、ふるさとづくり事業などの地域総合整備事業債を積極的に活用し事業の推進を図ってまいりたいと思います。また、財源不足に対する措置としましては、市税等の自主財源の確保により一層努めるとともに、経費の徹底した節減・見直しを行った上で、なおかつ不足する財源につきましては、減債基金等の取り崩しによる収支の均衡を図り、施策の実現に努める所存であります。
なお、第三次基本計画の策定につきましては、現在、策定作業中でありますが、策定の基本的な方針としては、現在実施している施策や事業について、新たな視点で優先度や緊急度の見直しを行うとともに、私が施政方針の中で述べた施策の実現に向け一定の整理を行って基本計画の中に体系づけ、計画的に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、行政改革への取り組みについてお答えをさせていただきます。
私は、市長に就任して以来、この間の執務を通じて本市が非常に多くの課題を抱えていることを今さらのように痛感をしております。これらの難問を解決して、市政を、そしてふるさと長崎の発展を期するためには、何といっても簡素で効率的な執行体制の確立が急務であると考えております。
そこで、先月28日、長崎市行政改革推進本部を11年ぶりに設置し、行政改革の推進に向けた、言いかえれば新しい市役所づくりに向けた本格的な取り組みを始めることといたしました。この推進本部の第1回目の会議の席上、私は、各部局長等からなる本部員に対し、行革の推進に向けた積極的な対応を強く指示するとともに、効率的な行政運営の展開を図るため先頭に立って総点検作業を行うよう要請したところであります。
さらに、事務事業の見直しについては、民間活力の積極的な導入を図るほか、常にスクラップ・アンド・ビルドの原則のもと、人員の増や組織の肥大化の防止に努めること。また、限られた人員を有効に活用しつつ、市民サービスを低下させないためには、職員の能力を最大限に引き出し、職務遂行能力の向上を図る必要があることなどを指示したところであります。
なお、今後の総点検作業においては、前回の行政改革で一定決着したものとみなされる補助金等を含む事務事業についても、社会経済環境の変化を受け、新たな視点に立ち、再度見直しの対象として検討を進めることといたしました。
私も、本市の厳しい行財政環境の中で、21世紀に向けた新たな行政施策の展開を図るためには、市民福祉の増進を目指し、最少の経費で最大の効果を上げることとされた地方自治法の原点に立ち返り、不退転の決意を持って対処してまいりたいと考えております。